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  1. 富山県議会 2021-02-01
    令和3年2月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開議 武田委員長 おはようございます。  ただいまから本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        瀬川侑希委員の質疑及び答弁 2 武田委員長 瀬川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 瀬川委員 おはようございます。  早速ですが、来年度は6,000億円を超える過去最大の予算です。新しい取組も多いため、新しく始まることを中心に、私からは15問質問します。  15問ですけれども、3つのパートに分けて、最初は教育について4問、教育にどれだけ力を注げるかで富山県の未来は変わってくると考えるからです。続いて、組織改編について4問、県庁は来年度、小さくない組織改編を行いますけれども、これを進めていくんだという意思がうかがえて、基本的には好意的に受け止めておりますが、もう少し詳しく聞かせてください。最後は、来年度の目玉施策について7問質問します。  最初に、教育について4問質問します。  現在、国の基準では、小学校1年生のみ35人以下学級となっていますが、富山県では独自に小学校2年生も35人以下学級としてきました。また、小学校3、4年生も希望する学校では35人以下学級としてきました。教育県富山として、より一人一人の生徒に細やかに目配りするために、国に先んじて少人数教育に取り組んできたのはすばらしいことだと思っております。  そして、国では、来年度から5年間かけて、小学校全学年で35人以下学級を実現する方針を打ち出しましたが、今回も富山県では国に先行して取り組もうと、令和3年度は全3、4年生に対して、令和4年度は5年生、令和5年度は6年生と、35人以下学級を実現することにしました。生徒によりよい環境をというこの決定は、大賛成の立場ではありますが、一方でそれに伴う影響も議論しておきたいと思います。  来年度の3、4年生を35人以下学級にすると、新たに7人の教員が必要で、6年生まで拡大すると、さらに30人程度の教員が必要とのことです。1クラスが2クラスになったり、2クラスが3クラスになったりするわけですから、教員が必要になるのはそのとおりで、教員の確保が大変だという議論は今議会でもされましたが、クラスが増えれば箱としての教室も必要になります。全学年で35人以下学級にした場合、既存の校舎では教室が足りなくなる学校はないのか、伍嶋教育長にお聞きします。 4 伍嶋教育長 今ほど委員から御紹介のありましたとおり、小学校への35人学級を導入することによりまして、令和3年度においては、3年生または4年生で新たに35人学級を実施する学校は7校が見込まれます。この7校いずれの学校におきましても、空き教室などが現在ありまして、その活用が可能であると聞いておりまして、教室数の不足は生じない見込みとなっております。  また、令和4年度以降についてですけれども、35人学級の対象学年が5年生、そして6年生へと拡大することに伴いまして、対象学年となる学級数は全体として増加することになりますが、一方で、児童の総数が減少傾向にあることから、全体の学級数としては減少する学校も見込まれるところであります。  このため、現時点の見込みでは、学校ごとの児童数については流動的な要素がありますけれども、学校全体で1学級の増加となる学校は、令和4年度及び令和5年度ともに県内で3校程度の見込みとなっております。 5 瀬川委員 来年度に関しては教室が足りなくなることはなくて、再来年度、その次も3校程度、教室数として必要になるということかと思います。  増築はこれからのところもあるんでしょうか、恐らくないのかもしれないんですけれども、クラスが増えることによって、あるいは空き教室をクラスにすることによって様々な改修が必要かもしれないと思っております。少人数教育には大賛成なんですけれども、国に先行することで生じる改修費用は県が負担するのか市町村が負担するのか、市町村の教育委員会や財政課も大変気になっているのではと思っております。
     次の質問ですが、既存の校舎を少し改修する場合に費用が発生する、その費用負担は市町村にお願いするのか、新田知事にお聞きします。 6 新田知事 小学校の35人以下学級のこと、これは望ましい方向だと私も思っておりますが、あくまで教員の数、そして教室の箱としての教室の数の確保が前提となります。  教員については、新年度におきましては県単独での負担、予算でも対応することを含めて、県の教育委員会において必要な教員の数をしっかりと確保することにしております。  一方で、学級数を確保するための教室ですが、増築あるいは改修の費用負担は、市町村に対して国庫の補助制度や、あるいは地方債など、とても有利な財源の措置が取られています。特に、教室不足を解消するための新増築などについては、国の補助割合が高く設定されているので、これまでと同様に、設置者である市町村において、国の補助制度を活用して整備をする枠組みを維持したいと考えています。もちろん、必要な情報提供あるいは相談には大いに乗ってまいりたいと思います。  なお、県内の小学校における今後必要となる学級数の見込み、先ほど伍嶋さんからもありましたが、令和3年度では、空き教室の活用で学級数の不足は生じないと把握しています。5年生、6年生を対象とする令和4年度、5年度においては、1学級増加となる学校が3校程度見込まれます。  ちなみに、令和4年度では、このままいくと、瀬川委員の御地元の高岡では五位小学校が当たると思います。それから、令和5年度では、高岡では成美小学校、また定塚小学校が当たるかと思います。この場合であっても、これまで児童数の減少に伴いまして、会議室等に転用していた教室を普通教室に戻すことなどで、軽微な改修での対応が可能であると聞いています。  県としては、今後も国に対して予算の確保が採択されるよう求めていきますとともに、国への重要要望などの際には、少人数学級推進のために必要となる教育環境の整備に対する財政支援の充実を、これも引き続き求めていきたいと考えています。 7 瀬川委員 ありがとうございます。  現時点では、国から有利な補助制度がありますので、基本的には市町村にお願いするということかと思いますが、県全体の方針として、少人数学級を国に先駆けて進めていくという方針を県が出して、費用負担は、軽微かもしれませんがやっぱりかかってくるものはかかってきて、それを市町村にお願いすると言ったら、もしかしたら協議の場が欲しいという市町村もあるかもしれません。今は市町村にお願いするという決定かもしれませんが、そこは柔軟に、ぜひ市町村の要望も聞いて、場合によっては対応していただければと思っております。  次の質問に移ります。  令和3年度予算では、県立高校2校の長寿命化改修が予算計上されています。富山西高校高岡南高校の2校で15億円、新築ではなく長寿命化改修を選んだ理由を伍嶋教育長にお聞きします。 8 伍嶋教育長 本県の県立学校の多くは、昭和40年代から50年代に建設されておりまして、学校施設の約7割が築30年以上経過している状況にございます。  建物本体の耐震化は、これは平成27年度末に完了しておりますけれども、今後、計画的な老朽化対策が必要となると考えておりまして、平成30年度に県立学校の長寿命化計画を策定して、教育環境の質的な改善、また機能向上を図ることとしております。  この計画では、築30年程度で大規模改修を行いまして築50年程度で建て替えるといった従来の建て替え型と言われるものから、今後、築20年程度で中規模改造を行って築40年程度で長寿命化改修することにより、トータルとして築80年まで延命するといった長寿命化型へ転換するということを考えております。  このことによりまして、約20年周期で教育環境の質的改善、また機能向上が図られること、さらには建て替え型に比べまして約2割のコスト縮減が可能になるということなどから、学校施設で長寿命化が可能だと、適切だという施設については、長寿命化の方向で進めることにしております。  また、計画期間は10年間とし、5年ごとに内容を見直すこととしておりますので、改修の規模、またその内容については、今後、学校現場の意見や各施設の状況を詳細に調査した上で、長寿命化改修工事を進めていくことにしております。  こうした観点を踏まえて、令和3年度については、先ほど委員からも御紹介のありました富山西高校高岡南高校長寿命化改修工事を進めることにしたわけでありまして、今後とも、こうした長寿命化などの老朽化対策を計画的に進めてまいりたいと考えております。 9 瀬川委員 委員長、ここで資料の配付とパネルの掲示の許可をお願いします。 10 武田委員長 許可いたします。 11 瀬川委員 資料1を御覧ください。新築と長寿命化改修、どちらを選択されるのですかという質問をしたのは、今、伍嶋教育長も言われましたが、文部科学省も──これは平成26年の資料ですけれども随分前から長寿命化改修を推奨しています。  しかし、県立高校は長寿命化改修する中で、市町村直轄の小中学校は新築される場合も多いです。いつも思っていることですけれども、県民にとっては、これは県の施設でこれは市の施設とかはあまり関係がなくて、自分の預けたと言うべきか、払った税金がうまく使われることが大切だと思っています。  私は県の長寿命化に賛成の立場ですけれども、奥野委員も先日おっしゃっていましたが、いい事例を水平展開するのも県の役目だと思っています。新築を選ぶのにも一定の理由があることは理解していますが、長寿命化のほうがコスト面でメリットがあるなら、その分、ほかの教育行政に予算を振り分けられますので、県も財政は厳しいですけど、市町村も財政は厳しいです。だからこそ、富山県内で効率的な使い方があるなら、「ワンチームとやま」連携推進本部会議などで事例を共有して、長寿命化改修を全県的に促すべきだと考えますが、伍嶋教育長の所見を伺います。 12 伍嶋教育長 小中学校施設の整備に当たりましては、設置者である市町村が、1つは、例えば児童生徒の増減に伴う学校規模の適正化の観点や、あるいは施設の老朽化を踏まえた、今ほどおっしゃっていた長寿命化改修の可能性、また中長期的な維持管理費も含めたトータルコストの試算、さらには国補助制度等の財源措置の状況など、様々な要因を考慮の上で、既存施設での建て替えや増築、または別の場所への移転での新築、また長寿命化改修など、いずれの手法を選択するかについては、様々なその他の教育行政予算も考慮しながら総合的に判断されているものと認識をしております。  なお、国の小中学校の施設整備補助制度では、新築または増築の場合の補助率は2分の1、また長寿命化改修の場合には補助率は3分の1ということで、長寿命化のほうが補助率は低くなっておりますけれども、国では今年度から長寿命化補助制度の拡充が行われる──これは予防的な工事も補助対象になるということで拡充が行われております。また、来年度からは、長寿命化計画を個別に策定していない自治体の事業の採択を原則行わないこととするなど、長寿命化改修への転換を促しております。  こうしたことを踏まえますと、市町村においても、長寿命化の考え方を踏まえた整備の在り方を検討されると考えておりますけれども、委員からも御提案のありましたように、今後、「ワンチームとやま」連携推進本部会議や、あるいは市町村教育長会議などを活用いたしまして、長寿命化改修をした場合のメリット──そういった活用事例の紹介でありますとか、あるいは国の補助制度等の周知、また情報共有を図ることなどによりまして、必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えております。 13 瀬川委員 県が長寿命化改修を選択したのは、やっぱりそっちのほうがメリットが大きいからだと理解しているんですけれども、市民、県民から見ていると、県が長寿命化しているのに、こっちは新しく造って、少しちぐはぐな印象も与えてしまうと思いますので、ぜひ事例の共有をして促していただければと思います。ありがとうございます。  次に移りまして、ここからは来年度の県庁組織改編について4問質問します。  組織を変えるのはエネルギーが要ることですし、勇気が要ることですけれども、この分野に力を入れていくんだという意思がうかがえて、先ほども言いましたけれども、いい印象を持っています。ですが、さらに加速させてはどうかという意味で質問していきます。  まず、来年度からNTTドコモに職員を1名派遣します。この派遣は、デジタルを中心にした知識を吸収できますし、自分たちの当たり前が外では当たり前じゃないことに気づく瞬間もあると思いますので、とてもいいことだと思っています。  そういう状況ですから、ほかの企業にも今現在、県が職員を派遣しているのか調べました。約4,000人の行政職員の中で、県内民間への派遣も3名いらっしゃいますけど、県外民間への派遣はJR東日本、ジェトロ、自治体国際化協会と、3名です。0.1%ですから率直に少ないんじゃないかなと思います。  NTTドコモに派遣した理由もそうなのでしょうが、県庁の方は、知事も認める優秀な方ばかりですけれども、外部の知見を取り入れることで、組織としてさらにレベルアップするんじゃないかと思っています。簡単な言葉で言うと、もっと他流試合をしようということだと思います。平木委員も以前の議会で、県庁がもっと外に出てはという発言をされていますが、同様の趣旨かと思っています。  江戸から明治になるとき、多くの方が海外に行き、知見を持ち帰りました。そして、他流試合といえば、何より富山が誇る朝乃山関は出稽古で強くなったと言われています。私たちも見習って、どんどん外に出ていきたいと思っています。  民間企業への派遣絶対数が少なく、もっと県外民間企業へ職員を派遣し、外部の知見を吸収してはどうかと考えますが、滝経営管理部長に所見をお聞きします。 14 滝経営管理部長 県外企業への派遣につきましては、委員から御指摘があったとおりの実績でございますけれども、職員定数の大幅な増加がなかなか難しい中で、一方で県庁における働き方改革ということもございますので、単なる派遣ということよりは、むしろ交流というのが基本なのかなと思っております。  そうした観点で、今ほど委員から御紹介ありましたように、新年度からはNTTドコモとも新たに人事交流という形で、県のほうからも若手職員をドコモの本社に派遣する代わりに、逆にドコモ本社のほうから、課長級でお一人の方を受け入れるということも考えているわけであります。また、派遣ではありませんけれども、ANAから2名の方を受け入れることも来年度行うということでございます。  DXをはじめといたしまして行政需要が大変高度化、複雑化する中で、官民の連携ということはますます重要でございます。一方で、例えば守秘義務や公務の公正性の確保ということにもやはり留意する必要がございますので、官民交流に当たっては、協定の締結などにつきましては、派遣、交流する企業側のほうにも御理解をいただく必要がございます。  いずれにいたしましても、そうしたことを基本に見据えながら、県の施策の推進に向けて連携していただける県内外の民間企業との人事交流の拡大を図ってまいりたいと考えております。 15 瀬川委員 ありがとうございます。  様々なハードルはあるかと思いますが、やっぱりメリットもありますし、県庁に持ち帰ったときにそれが組織のパワーアップにつながるとも思われるので、これまでもやってこられましたし、新しくNTTドコモにもやられると思いますので、ぜひこの流れを加速していただければと思っております。  次に、副知事2人体制に対して聞きます。  スピード感を持って県政を進めたり、トップでしかできない交渉があると思いますので、個人的には2人体制はよいと思っています。ですから、応援する意味で聞きますけれども、今回は同時に政策監の廃止を提案されています。  針山委員に見習って、当の本人の蔵堀政策監に政策監の役割を聞きたいところではありますが、一旦置いておいて、政策監を廃止すると幹部は1名減の1名増となり、横にスライドしているだけにも受け止められます。権限強化にはなっているので意味はあると思っています。かかる費用も抑えるなど、工夫もされています。しかし、いい仕事や成果があるなら、費用がかかっても仕方ないと個人的には思います。  ここで、私の問題意識をお伝えするために、逆に人員を減らした場合を考えてみたいと思います。これは、実際に自治体や民間企業で起こっていることだという認識でございます。  スリムな行政、スリムな体制を目指して、職員の削減計画があって、正規職員は数字では減っています。しかし、その分、臨時職員が増えている。正規職員から臨時職員にスライドしているだけですけれども、これで正規職員は減っているという自治体や民間が現に存在します。  これも意味がないとまでは思いませんけれども、正規職員は減らしましたと、その言葉どおりの効果はないと思っています。権限強化にはなっていると思いますが、人員としての体制も強化するために、もっと大胆に、政策監を残した上で2人体制としてもよかったのではないかと思いますが、新田知事に所見をお聞きします。 16 新田知事 とても背中を押していただくような御意見をいただきました。政策監を残した上での副知事2人体制ということも考えられたのではないかということです。  私としては、副知事2人体制にし、適切な権限移譲を行うことによって政策決定のスピード感は増すと思います。そして、施策の推進力、これも向上すると思いますし、危機管理面の体制強化、また県政全般にわたりトップマネジメントの充実強化が図られると考えています。  一方、昨年の4月に新設されたのがこの政策監というポストです。その大きな理由の一つは、総合政策局の業務がとても多くなってきたということ、そしてその局長の負担を少し分担する意味で政策監というポストが置かれたと私は理解をしています。  今回、副知事2人体制の移行に当たっては、コロナ禍での厳しい財政状況も考慮しまして、コスト増を必要最小限に抑えるような工夫もしたところです。  また、4月からの組織の見直しで、総合政策局知事政策局と替わりますが、ここにおいて業務量の平準化というものにも心を砕きました。結果として、今の想定では、総合政策局は154人という人員、人数で比較するとそういうことになります。現柿沢局長には大変負担もかかっていたかなと思うのですが、新たな組織の知事政策局は93名の体制になります。業務の平準化の結果、61名減ということであります。  このようなことも踏まえて、部長級ポストである政策監を廃止することとしたわけでございます。どうか御理解をいただければと思います。 17 瀬川委員 私の質問の趣旨は、幹部全体として見ると1名減の1名増になっていて、もっと強力に進めてもよかったのではないかという趣旨だったんですけれども、今回このような選択をされて、大事なことは、トップがしっかり交渉して成果を残す、結果を残すということだと思いますので、体制をつくってからのほうが多分御苦労も多く大変だと思いますが、ぜひ御尽力いただければと思っております。  続いて、「ワンチームとやま」連携推進本部会議について聞きます。  会議では二重行政の解消もテーマに上がると想定していますけれども、二重行政は、大きいもので何だと考えているのか、新田知事にお聞きします。 18 新田知事 1月に「ワンチームとやま」連携推進本部を設置することができました。行政の効率化、また政策の推進力の向上、これを大きな目的に、より連携を強め、そして深めていく、そんなことが目的です。  効率化を進める上での視点としては、人材や情報など経営資源の効率的な運用や、手続の簡素化、スピード化のほか、仮にあるとすれば、委員おっしゃる二重行政の解消、権限移譲なども挙げられると考えています。  地方自治法では、県、市町村において事務を処理するに当たっては、相互に競合しないようにしなければならないと規定しております。この考えに基づき、県としてはこれまでも、広域の地方公共団体として、例えば県下一律にやるべき基盤的な施策、あるいは市町村をまたぐ施策など、規模や性質において、広域行政として県が処理するほうが適当だと思われることを担ってきました。  ただ、住民の方から見て、県と市町村の役割分担が必ずしも明確ではなく、ダブりがあるのではないか、いわゆる二重行政のようなこともあるのではないかという声があることは承知はしています。  一方、「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、各市町村から、県、市町村が連携し、共同で施策を進めてはどうかといった多くの御提案や御意見もいただいたところです。今後、連携推進5項目に合意したところですが、まずそれに取り組んでいきたいと考えています。  これまでも答弁してきましたが、住民に身近なサービスは基礎的自治体である市町村で、そして、県は広域的な観点から市町村の行政活動をサポート、調整するという基本的な考え方でおります。そうすることによって、効果的、効率的な行政サービスを提供できるように取り組んでいきたいと考えます。 19 瀬川委員 すみません、再質問させてください。  聞いた意図としては、まだ「ワンチームとやま」連携推進本部会議という名前になる前の市町村長との会議だったと思いますが、この場で知事が二重行政の解消などもテーマに話し合っていきたいとおっしゃったという認識でおります。あとは、そのとき、報道で私は知ったんですけれども、二重行政と言われて自分の中ではぴんとくるものがなくて、どういうことをおっしゃっているのか、ちょっと自分では分からなかったもので、この質問を入れさせていただきました。  先ほどの質問で、二重行政は大きいもので何だと考えていらっしゃるのかと聞きましたので、具体的にちょっとなかったと思っておりまして、知事が考える、できるだけ大きな二重行政というものを教えていただければと思います。 20 新田知事 富山県でも、また県内市町村においても、先ほど言った地方自治法の規定に基づいて、基本的には適切に業務が行われていると考えています。私が民間人の頃、そういうものもあるのかなと思っていました。我々民間の、特に経営者などの立場から、そんなものがあるのかなと思っていましたが、今のところ委員がおっしゃるような大きなものというのは見当たりません。ただ、今後、よりワンチームなどでいろんな仕事の深掘りをしていくと、もしかしたら出てくるのかもしれません。  我々はつい行政目線になりがちですが、住民の目線を大事にして、もしそんなことが見つかってきたら、それは適切に処理をしていく、県と市町村の役割分担を改めて見直して、地方自治法の規定にあるように、しっかりと正していくことが必要だと思います。質問に戻りますと、現時点で委員のおっしゃるような大きな二重行政──小さなものもあまり見当たりませんが──特に今のところは見られないと考えております。 21 瀬川委員 次の質問は、二重行政がある前提で、二重行政があったらどう解決するのか、解決したら県民にとってどんな効果があるのかという質問を書いていたんですけれども、今、ないと。  ただ、自分の意図としては、小さいものは幾つかあると思っていまして、例えば富山県がつくった「歩こう」という歩数計アプリは、機能は違うとおっしゃっていますけど、富山市で同じようなものがあったり、あるいはコロナ対策のテレビCMなども、県も市もやってというところは少しあって、より効率的にできたんじゃないかと思います。大きいものは、私は思いつくものがなかったので先ほどの質問したんですけれども、小さいものはあるという前提で滝経営管理部長にお聞きします。 22 滝経営管理部長 何をもって二重行政と言うのかということなのかもしれませんけれども、実際に1月に行われました「ワンチームとやま」連携推進本部会議の場で、市町村の側からはいろいろ具体的な御提案もいただきました。  例えば、子ども医療費助成を県内全域で現物給付化をするということを大きな方針としては持っているわけですけれども、そうした場合に、各市町村でそれぞれ医師会等の関係機関に協議するよりは、県で調整をして、まとめて協定を締結したほうが効率的ではないかという御意見もありました。また逆に、住民の方々にいろいろ助成制度を周知する場合に、住民基本台帳を所管しておられる市町村のほうが、県よりもスムーズに住民の方に周知できる場合もあるんじゃないかといった御意見もあったところでございます。  例えば、同じような目的で補助制度を県と市町村が持つことがあるわけでありますけども、その際に、実際の補助の対象となる事業者の方からしますと、県からも問合せがあり、市町村からも問合せがあり、逆に補助の申請をするときに、同じような補助金ですけれど、県に申請をし、またそれとは別に市町村にも申請をするというようなあたりは、住民の方から見るとダブりといいましょうか、二重行政的に見えるのかもしれません。  もちろん、県と市町村それぞれその目的とするところは、同じ場合もありますし違う場合もありますけれども、そういったことについては連携をして、県と市、どちらかがまとめてやるというほうが効率的ではないのかというところは、今の御質問の趣旨からするとあるのかなと思っております。  いずれにいたしましても、行政の効率的、効果的な運営というのは、県民の皆様への行政サービスの質の向上、スピードアップにつながるものだと思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。 23 瀬川委員 ありがとうございます。  続いて、令和3年度予算の目玉施策について7問質問します。  1つ目ですけれども、富山県では来年度、創業・ベンチャー課を新設し、ベンチャーを生み出す取組に力を入れます。施策としても、ベンチャービジネス支援事業やとやまUIJターン起業支援事業を始めるなど、ベンチャーを富山で生み出すんだという意気込みが伝わって、楽しみな気持ちにさせられます。  一方で、県が関わらずに生まれるベンチャーも予想されます。関わらずに生まれたベンチャーを見つけられなかったために、大きくなる機会に手を差し伸べられなかったり、ほかの支援が先で、それによって県外に拠点を移すことも可能性としては考えられます。  そうならないために、こちらから県内のベンチャーの卵や優れた技術を見つける仕組み、評価する仕組みも必要と考えますが、布野商工労働部長に所見をお聞きします。 24 布野商工労働部長 ベンチャー企業、これを生み出すためには、委員御指摘のとおり、県内で起業を志す方、そして県内の大学、企業から、その卵をまず見つけて評価した上で、関係団体で集中的に支援し、その上で1つの成功事例ができることを契機として、成功したベンチャーの創出が次のベンチャーの創出につながる、そういったよい循環をつくることが重要だと考えております。  このため、ベンチャー支援の中心となります、これまでもお話しありましたが、とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)を今年中に設立したいと考えております。そのメンバーには、県内外の産学官金、そしてベンチャーキャピタルの代表者、市町村等に参画していただく予定であります。  その県内のメンバーの方には、県内における多くの優れた人材、そして技術の中から、ベンチャーの卵となる可能性の案件を広く発掘することを期待しておりまして、また、富山大学あるいは県立大学等にも参加をお願いして、積極的に連携しまして、大学発、スタートアップの輩出も目指したいと考えております。  一方、ベンチャーキャピタルをはじめとする県外のメンバーの方には、ベンチャー支援の経験を通して、協議会の場で集められた案件のポテンシャルを評価する仕組みを構築したいと考えております。そして、急成長が見込まれる案件に対しましては、より目線を上げ、新しい発想で、ベンチャー企業の各成長段階で必要な施策を、特に資金調達も視野に入れて検討してまいります。  その上で、新規創業数の数値目標も設定いたしまして、県内外の関係団体と緊密に連携しながら、スピード感を持って、オール富山で力強く応援してまいりたいと考えています。 25 瀬川委員 ありがとうございます。力を入れて始めたときにこそ起こりがちだと思うんですけれども、力を入れるからこそ、目線が細くというか狭くなりがちなことがあって、それ以外のところから生まれたものを見逃す可能性もありますので、広範囲にわたりますけれども、ぜひ富山県内でどんな動きがあるのかというのをアンテナ高く見ていただければと思います。  次の質問に移ります。  来年度、太閤山ランドの魅力アップへ向けて調査を行います。調査費は3,000万円。無人自動運転で園内を周回する乗り物やドローンを使ったアトラクションなど、ICTを用いた近未来の設備導入を目指すとのことです。これだけでもとても楽しみですけれども、園内でしかできないことや、ふだんできないことができるという体験があるのはその施設の魅力を高めますので、もう一つ検討してはどうでしょうかという意味で、資料2を御覧ください。  富山県は来年度、オレゴン州ポートランドに友好訪問団を派遣しますが、私も数年前に皆さんの露払いとしてポートランドに行ってきました。ポートランドでは、この電動キックボードが町の至るところで走っていまして、交通手段として楽しく使われていました。  続いて、資料3を御覧ください。  ポートランドでは、公共交通機関を中心にしたまちづくりを進めるために、町の東西をつなぐ新しく建設される橋も、車をシャットアウトして、路面電車と歩行者、自転車、電動キックボードだけが通れるように整備されていました。公共交通機関を軸にしているからこそ、目的地までのラストワンマイルにこの電動キックボードが使われているようですけれども、それは富山県の目指す姿とも近いものを感じます。公共交通からのラストワンマイルの知見をためる意味でも電動キックボードの導入は有効と考えますが、いきなり道路で実験は難しいでしょうから、まず公園内で知見をためてはどうかと思っています。  実は、現在この電動キックボードは全国で実証実験が行われています。東京、神奈川、千葉、福岡、広島、愛媛、兵庫。残念ながら富山県は入っていませんけれども、こういう新しい動きに進んで手を挙げられる富山県になればという期待も込めまして、太閤山ランドの広大な敷地の移動手段として、また園内でしかできないという体験をつくるためにも、魅力創造の一案として電動キックボードの導入を検討してはどうか、江幡土木部長にお聞きします。 26 江幡土木部長 お答えをいたします。  御紹介いただきました電動キックボードでございますけれども、モーターを内蔵しまして時速20キロ前後で走ることのできる手軽な移動手段として、ここ数年、海外の都心部を中心に利用されております。国内では、法律上の原動機付自転車に該当するため、公道を走行する場合にはナンバーの取得、運転免許が必要となっております。また、ヘルメット等も着用する必要があるということでございます。  都市公園においては、ほかの公園利用者の安全確保の観点から、全国的に電動キックボードの乗り入れは禁止されておりまして、太閤山ランドでは、ローラースケート場など、限られた場所においてのみ利用可能としております。  仮に、園内に電動キックボードを導入した場合は、御指摘のように広大な敷地の移動手段として期待できますが、一方で、園内を周回するトレーンとの共存、また起伏の多い園路でございまして利用者自身の安全確保など、太閤山ランド特有の課題もあると考えております。  他県では、御紹介いただきましたように、電動キックボードの安全性や利便性の検証、または観光活用の可能性の検討を目的に、公園の一部を使用した実証実験を行う事例が増えつつあるということでありまして、県では今後、こうした先進的な事例を調査するとともに、新年度に行う太閤山ランド魅力向上調査とも整合を図りながら、園内での導入の可能性について検討してまいりたいと考えております。 27 瀬川委員 20キロということで、自転車や電動自転車と変わりませんし、園内はもちろんですけれども、富山県のこれから目指す公共交通との連携ということもすごく可能性としてはありますので、いろんな部署にまたがると思いますが、ぜひ検討していただければと思っております。ありがとうございます。  続きまして、次の質問に移りますけれども、県の資料によると、太閤山ランドを訪れる方は年間約80万人です。それを上回る年間約90万人訪れるのが高岡古城公園です。90万人のうち、もちろん市民の方も多いんですけれども、四季折々の姿が楽しめる日本屈指の自然公園として、今、市外や県外からも多くの方が訪れます。  現状は、高岡市だけが費用を払って整備していますけれども、費用も費用なので、どうしても現状維持に近い整備になっています。しかし、既に人が集まる場所をより魅力的にすることで県民の満足度につながったり、富山県全体の魅力向上につながると思っています。例えば、民間と協力し合って音楽や食事を楽しむような催しをやるときは、高岡市だけで募ろうとすると、どうしても範囲も狭くなりますが、県が関わると、より多くの方に参加いただけるんじゃないかと思っています。  そこで、古城公園の観光地としての魅力をさらに高めるために、県としてできることがないか、中谷観光・交通振興局長にお聞きします。 28 中谷観光・交通振興局長 高岡古城公園は、加賀前田家二代当主の前田利長が築いた高岡城の城跡でありまして、日本100名城にも選定されております。園内には、桜、カエデ、ヤブツバキなど四季を彩る多くの樹種が茂っておりまして、日本さくら名所100選にも選定をされております。  また、築城当時のまま残る水濠ですね──私は小さいときからお堀と言っていますけど、そこを活用しまして、高岡万葉まつりや遊覧船の運行が実施されますなど、市民や観光客の憩いの場として活用されて親しまれております。
     県ではこれまで、県の観光の公式サイト「とやま観光ナビ」、それから観光季刊誌などで魅力をPRしてきております。映画におきましても、ロケ地で古城公園を活用しまして、またロケ地マップで紹介をするといった取組もしてきております。それから、古城公園から高岡大仏、山町筋、金屋町など、ものづくり城下町を巡る周遊ルートの形成に向けた高岡市の取組も支援してきております。  また、新年度予算案におきましては、県民を対象に県内観光商品の割引販売を実施する事業を県で計上しております。その中で、遊覧船での古城公園のお堀の巡り、それから伝統工芸のまち歩きなどもプランを販売していきたいと考えております。  引き続き、地元高岡市等と連携しまして、御車山などの歴史、文化、それから伝統工芸、多彩な観光資源を生かしまして、古城公園の魅力の発信、誘客の促進に努めてまいりたいと思います。  また、いろいろなイベントについてのお話がございましたが、我々、それから地域振興部局にもいろいろ補助金などがございますので、よく高岡市の御意見もお伺いしながら協力してまいりたいと思います。 29 瀬川委員 現状やっていただいていることも理解できましたし、新しく魅力をつくること、これも大事なんですけれども、今あるものをさらに磨くというのは、言い方は悪いですけど、効率的というか、素早く結果が出ることだと思いますので、ぜひ前向きに御検討いただければと思います。ありがとうございます。  続いて、テクノドームに関して2問質問します。  テクノドームに関しては、来年度は4,200万円を計上して、本館、別館の接続部分の設計や、特に民間活力の導入可能性などを検討します。知事は代表質問で、基本計画の方向性は維持しつつという考えも述べられていますけれども、今年度、一旦、整備の中身の大枠、方向性は出た認識です。コストを抑えるPFI、中身の提案も含めたPFI、いろんな民間活力の導入可能性があって、それも含めてこれからでしょうけれども、一旦方向性は出ている中で、場合によっては整備の中身も見直す予定はあるのか、布野商工労働部長にお聞きします。 30 布野商工労働部長 高岡テクノドーム別館の整備につきましては、今お話しありましたように、厳しい財政状況、そして北陸新幹線の敦賀開業1年延期ということを踏まえて、施設の規模、事業費、整備スケジュールなどについて精査してまいりました。  その結果、新年度におきましては、民間活力の導入可能性調査を行いまして、財政負担の軽減を図ることができないか、また民間のノウハウなどを活用することはできないか検討した上で、整備に着手することにしております。  現在、基本計画に基づいて基本設計を進めている段階でございます。民間活力導入可能性調査をできるだけ速やかに行いまして、その上で実施設計を進める予定であります。  今後、民間活力の導入や整備内容、運営コストの縮減、スケジュールの見直しなどについてしっかりと検討した上で、基本計画の方向性は維持しつつ、着実に整備を進めてまいります。 31 瀬川委員 基本計画の方向性は維持しつつ、可能性を検討するということで、変わり得ることもあるのかなと思っていますが、次に、これは前知事ともさんざん議論したつもりではあるんですけれども、新田知事の考えも聞いてみたいと思っています。  私は、個人的に、テクノドームにものづくり体験施設は整備しないほうがいいのではという考えを持っています。というのも、近くに民間や高岡市のものづくり体験施設が既に存在しています。県がものづくり体験施設を新たに整備すれば、役割分担しようと思っても、どうしても機能が重なると思いますし、観光で新しく訪れた方には一緒に見えるんじゃないかと思います。現に民間で、ものづくり体験施設が増えたことによって閉めざるを得なかった事業所もあります。  競合するようなものは、テクノドームに整備せず、むしろ県がものづくりを発信したいのだったら、現在取り組んでいる市や民間のものづくり体験施設をサポートしたほうがいいと思っていますが、テクノドーム別館に整備予定のものづくり体験施設に対する現時点での新田知事の考え方をお聞きします。 32 新田知事 高岡テクノドーム別館のものづくり体験施設については、検討会での議論を経て、県が策定した基本計画を踏まえて今進めているところです。  これまで県議会でも、高岡地域地場産業センター ZIBA(ジーバ)、あるいは民間の体験施設もあると、それと相乗効果が発揮できるように取り組んでいくという答弁をしてきたと私は把握しています。一方で、既存の施設との重複を避けるべきという御意見があるのも承知をしています。現在、高岡市や関係の団体と連携を密にしながら、情報交換や意見聴取を行っているところです。  今ほど商工労働部長から答弁したとおり、新年度は民間活力の導入可能性調査をできるだけ速やかに行っていく、その上で実施設計に移っていきたいと考えております。従来の整備スケジュールを見直すことができたことによりまして、より深く、広く関係者の皆さんから御意見を伺う時間もできたのも事実です。そういった御意見や、既存のものづくり体験施設の状況などにも留意しながら検討を進めていきたいと考えています。  なお、この場で委員個人と言われましたが、個人の意見というのがあるのかどうか分かりませんが、そのような慎重な御意見が多いようであれば、高岡テクノドーム別館に常設のものづくり体験施設を設けることなく、例えば全国規模のコンベンションや、とても大きなコンベンションがこの施設で開かれるようなときに、そして多くの来場者が見込まれる際などには、関係団体の協力も得て、伝統工芸を広く紹介、体験できるような催しをテクノドーム内の、例えば会議室などのスペースを使って臨時的に開催するということもあり得るのではないか、そのような見直しを図ることも含めて検討したいと考えています。 33 瀬川委員 どちらを選択するにせよ、いろんな御意見はあるかと思いますが、時間も少し延びたことですし、いろんな方と話をして、合意形成することによって、反対というか、違う意見の方も仲間になってくれる可能性もあると思いますので、ぜひ足しげくいろんな方とお話ししていただければと思っております。ありがとうございます。  最後に、城端線・氷見線のLRT化に関して2問質問します。  まず、来年度1,700万円を計上して城端線・氷見線LRT化調査事業を行います。事業費を調査するものです。ただし、最初に私がこれを聞いたときに少し混乱したというか、事業費調査って富山県がするものだっけという印象を持ちました。  城端線・氷見線は、現状間違いなくJRのもので、JRが行うのが普通の流れかと思っています。では、JRは事業費調査を行わないのかというと、そんなことはないと思うんですね。事業費調査はJR側も行うと思いますけれども、別途県が実施する理由を中谷観光・交通振興局長にお聞きします。 34 中谷観光・交通振興局長 城端線・氷見線のLRT化など新しい交通体系の検討につきましては、JR西日本からの提案を受けて、JR西日本、沿線4市、県が連携して検討しております。  今年度、LRT化した場合の需要予測調査を実施して、並行して、各市において、将来のまちづくりを見据えたLRT化による新駅の設置、駅周辺の整備開発、観光振興、こういったものとの連携の取組の検討を行っております。  新年度におきましては、こういったものの取組内容によって、需要がどれくらい増加するのかということを調査しますほか、また、LRT化、直通化等に要する事業費についても調査を実施すると、今、委員おっしゃられた形でやりたいと考えております。そういうことによりまして、将来にわたって持続可能な運行を実現するには、どういった課題を解決していかなきゃいけないのかということを検討していきたいと思っております。  そういう意味で、この事業費は、委員おっしゃいますように重要な事項の一つでございます。JR西日本には、これまで鉄道を運行してこられた実績、ノウハウに基づく役割を果たしていただけると考えております。  一方で、今度検討するのは軌道のLRT化になると、さらには各種のまちづくりなど──どういったことが出てくるかというのはこれからの話になりますが──に関する検討も踏まえた事業費を算定していくということになりますと、異なるノウハウ等が必要になるということも考えられます。新年度予算案には、県だけが調査するということではなくて、県と市が連携して予算を計上いたしまして、このような検討にも備えた事業費を盛り込んでいるところでございます。 35 瀬川委員 異なる知見を持ち寄ってということだと思いますが、JR側は、全く同じものじゃないですけれども、事業費調査をやって、重なる部分も出てくるのではないかと思っています。そして、必ず一緒にしてくださいと思っているわけではなくて、これから交渉事になるでしょうから、どちらも事業費調査するのは、ある意味仕方のない面があると思っています。  しかし、極論ですけど、例えば、城端線・氷見線が市町村などの行政の持ち物だったら、お互いに調査をするということはないと思うんです。同じ船に乗っていたら、協力し合って、どちらかがやると思っているわけです。しかし、民間と行政なので、必ずそういうきれいな話にはならないと思っています。同じ船ならぬ、同じ電車に乗って、普通というか現場で話したら多分できないと思いますけれども、一緒に調査を行ったり、ある程度の役割分担を話し合うトップ同士の会談があってもいいんじゃないかと思っています。  JRも私たちもコロナで、経営あるいは財政にダメージを受けている状況なので、今までできなかったことをやってもいいんじゃないかと思っています。  最後の質問ですけれども、JR城端線・氷見線のLRT化の検討を円滑に進めるために、また重複を避けるために、事業費調査にJRもしっかり関わってもらうべきと考えますが、知事に所見をお聞きします。 36 新田知事 城端線と氷見線のLRT化については、これまでもJR西日本さんと協力をして調査などを進めてきました。今年度、需要予測調査をしていますが、委託業者を選定する際の企画提案のプロポーザルの審査の段階から、JR西日本さんには審査委員として参加をいただいています。また、応募事業者から提案のあった推計の方法、あるいは業務の実績などについて、これは鉄道事業者さんとしての観点から審査にも参加をしていただいたところです。そして、委託契約締結後においても、地域住民のアンケート調査の対象地域をどうするのか、あるいは人数などはどうするのか、そのような調査方法についてもいろいろと助言をいただいてきました。  また、先進事例として、今後検討する場合に参考になると思いますが、福井の福井鉄道さんには、JR西日本の方と県の担当が一緒に訪問して、新型の低床車両の導入あるいは車両の運用、ダイヤの見直しなどの利便性向上策、また新型車両導入後の利用者の満足度、あるいは運行後の課題等も把握について、これも一緒に調査をさせていただいたところです。  今ほど観光・交通振興局長から答弁したとおり、LRT化や直通化等に要する事業費については、JR西日本にはこれまでの実績やノウハウを生かしていただくなど、協力や役割分担をしながらこれからも調査に取り組んでいきたいと考えています。 37 瀬川委員 私もなんですが、聞いている方もちょっと混乱するところがあると思いますので、前提をお話ししますと、今、事業の調査はJRと県が一緒にやることになっているんですけど、お金の面の調査は別にやるので、このような質問を2問させていただいたんですけれども、そのお金の調査にも重なるところがありますので、共通部分だけでもぜひ一緒にやっていただけないか、そしてそれは現場じゃ難しいと思いますので、ぜひトップ同士で話し合っていただけないかという思いで質問をさせていただきました。  最後にですけれども、知事が尊敬している、考えに共鳴されている渋沢栄一さんのドラマ──今、大河ドラマでやっていますけれども──前々回で、お代官の取立てに対して「恐れながらそれは百姓の銭にございます」と命がけで物申す一幕がありました。お預かりしている税金なので、可能な限り重複は、それは民間とであっても避けるべきだと思っていますので、一筋縄ではいかないことは承知しているんですけれども、なるべくよい方向になるように、期待も込めまして私の質問としたいと思います。  ありがとうございました。 38 武田委員長 瀬川委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午前10時59分休憩                     午前11時10分開議        井上学委員の質疑及び答弁 39 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井上委員。あなたの持ち時間は60分であります。 40 井上委員 おはようございます。  本日の2番バッターを務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。  3月、卒業のシーズンを迎えております。昨日は中学校の卒業式ということで、小学校は多分明日ぐらいが多いんじゃないかと思います。そして、今日は県立高校の合格発表ということで、関係者、受験生の皆さん、そして御家族の皆さんも本当にはらはらどきどきしながら、たしか12時半からだったと思いますけども、発表を待っていらっしゃるんじゃないかと思います。松川べりの桜はまだまだ先でございますけども、多くの受験生の皆さんに、今日いち早く桜が咲くことを願いながら、今日の質問に入っていきたいと思います。  今日は、まず最初に安全・安心・防災関連というテーマで質問をしたいと思います。たしか先月の末ぐらいだったと思いますが、富山県が日医工株式会社に対して行政処分を検討しているという第一報が入りました。その後、日医工が不適切な製造、そして品質管理も適切でないということで、県から約1か月の業務停止処分を命ぜられました。そのことは皆さんも御承知のとおりだと思います。  日医工という会社は、ジェネリック医薬品では国内最大手の一社であり、これまでも富山県内でも販売額がトップであります。また、くすりの富山をこれまで本当に強力に牽引してこられた会社であると思っております。その日医工が、このたびこのようなことをやっていたと、しかも長年にわたってやっていたということで、県民の皆さんの中には、本当に日医工の製品のみならず、ジェネリック医薬品そのもの、それから医薬品全体に対して不安感、そしてまた不信感が広がっているわけであります。  これまで伝統あるくすりの富山、そういう誇りを持って品質の良い医薬品を製造してこられた医薬品業界の皆さんにとっては、大変ショックだったと思います。このようなことは二度と起こしてはならないし、しっかりとその辺は県も注意していかなければならないと感じています。官民一体となって、くすりの富山、しっかりと信頼回復に努めていかなければいけないと思っております。  そこで、県として再発防止に向けて、そしてくすりの富山の信頼回復にどのように取り組んでいかれるのか、新田知事にお伺いをいたします。 41 新田知事 言うまでもなく、富山県の医薬品産業は、高い製造技術を有しておりまして、全国的にも薬の製造拠点として知られているところです。そうした県内医薬品産業の中でも大手の日医工株式会社が法違反をしていた事実が明らかになったことは誠に遺憾だと考えています。そして、本県医薬品産業への信頼も揺るがしかねない重大な事態と受け止めております。  今回の事態を踏まえて、第1のアクションとして、県内医薬品製造業者及び製造販売業者の各社に対して、改めて法令の遵守について通知をするとともに、管理体制の強化を求める説明会を今月の12日に開催したところです。  そして、さらに事態を重く見ており、全国的にもこれは例のない試みなんですが、今後の再発防止及び本県医薬品産業の信頼回復の方策を検討する目的で、県薬事審議会、これは常設の審議会でございますが、その審議会の下に、外部有識者を加えた医薬品製造・品質管理専門部会(仮称)を新たに設置して、早急に調査審議をする予定にしています。  日医工さんのことはそちらのほうでしっかりと検証していきたいと思いますが、結果的に10年間の長きにわたりこの問題を発見できなかったことについては、やはり県の調査の在り方についても問題があったのではないか検証するとともに、改善策についても検討するために、これも外部有識者による調査委員会の設置を予定しています。  県としては、こういった取組によって、二度と本県においてこのような事態が起こらないように対策を徹底するとともに、県内製造業者等に対する指導や支援を強化して、富山県の医薬品産業全体として品質の確保、そして信頼の回復、さらに向上に努めてまいります。 42 井上委員 一度落とした信頼を取り戻すのは本当に大変だと思いますけども、しっかりと信頼回復に向けて頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、近年多発しております土砂災害や水害におきまして、住民に対する避難勧告や防災情報等の十分な伝達ができていないという問題が全国でも指摘されています。先般の県内の大雪でもそういう指摘がございました。  昨年7月末に山形県の最上川などが氾濫した際に、浸水700棟でも死者はゼロという新聞記事がございました。行政と住民の素早い避難行動が功を奏したとありまして、最上川を管理する国土交通省の河川事務所からの情報提供が、外れる可能性もあるかもしれないけども避難の判断に役立ててほしいと、日頃3時間後の水位予測を発表しているところですが、6時間後の水位予測もメールで伝えたと聞いております。さらに、住民が個別に電話での避難の呼びかけを行ったということで、有識者によると、コミュニティーの日頃からのつながりが生きた例だということで評しておられます。  大規模な災害時に、住民に災害情報等を的確に伝達するためには、1つの手段に頼らないで複数の伝達手段を組み合わせること、そして、さらに一つ一つの伝達手段を強靱化することが必要であると考えます。  近年、災害が多発する中で人命を最優先に考えますと、地域の実情に応じた情報伝達手段の多重化、多様化の取組がなお一層必要と考えますが、県が果たすべき役割なども含めて、危機管理監の所見を伺います。 43 砂原危機管理監 災害時の広報は、住民が自らの命を守る行動を取るためのきっかけとなるものであり、大変重要でございます。このため各自治体では、委員もおっしゃいましたように、災害情報を住民等に広く確実に伝達するよう、可能な限り多様な情報伝達手段を組み合わせますとともに、情報伝達手段の強靱化を図ることが必要であります。  こうしたことを踏まえ、県では、地域防災計画等におきましてその旨を明記しまして、災害時には、県は広域的な情報発信を担う役割があることから、県、市町村等が災害情報を入力、共有します県総合防災情報システム及び国のシステムでありますLアラートを通じまして、各報道機関や、あるいは携帯電話会社の緊急速報メールに情報を一斉に配信しますとともに、富山防災WEBや県公式ツイッター、防災アプリなどを活用することとしています。  1月の大雪の結果も踏まえまして、新年度では行政や各防災機関が段階的に行動を取るタイムラインも検討することにしており、こういった自然災害ではタイムラインを通じまして、このような各種の媒体を用いて呼びかけてまいりたいと考えております。また、これらのシステムはクラウド化がなされておりまして、大規模災害時でも担当者がインターネットに接続して操作できるよう強靱化が図られています。  市町村や消防、警察等におきましても、これらのシステム、広報媒体に加えまして、防災行政無線や広報車等を活用し、地域住民に情報を伝達することとされています。さらに、地域によっては各町内会や自主防災組織へ電話連絡をされ、情報伝達の徹底を図っていらっしゃいます。  県といたしましては、今後とも市町村と連携し、災害情報が住民に迅速かつ的確に伝達され、適切な住民行動につながりますよう取り組んでまいります。 44 井上委員 しっかりと情報伝達には努めていただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、災害対応というのは、その規模や災害状況の推移によって、国や県、市町村、個人で役割分担がございます。  全国で発生しました集中豪雨によります家屋の浸水や倒壊などの被害からの復旧は、あくまでも個人の責任において行っているのが実際の姿であります。各自治体ではボランティアセンターを設置しまして、自主的な支援の活用に力を入れておられますが、私はこのボランティアによる復旧・復興の支援、協力体制は本当に高く評価します。しかしながら、それと比較して、国や自治体の公的機関による支援体制があまり明確ではないのではないかと感じています。  例えば、河川の氾濫による浸水など大規模な被災に対して、河川の改修等は公共工事で行います。しかしながら、その後の家屋に流れ込んだ土砂などの撤去作業は、ほぼ個人により解決せねばなりません。そして、ボランティアの応援が頼りであります。特に、昨年からのコロナ関連で、ボランティアの協力体制がなかなか制限されまして、被災後、それぞれの家族とか親戚の方々などで土砂の撤去作業を繰り返すことになって、本当に疲弊した姿がニュース等でも見られました。  家屋等に流入した土砂の撤去については、河川の氾濫によるものですから、当然ながら被災者に責任はないわけであります。疲れ切った被災者を支援するためにも、ボランティア頼みとはせず、河川管理者である県や市町村においてこの撤去作業を行うといった公的な支援が必要ではないかと考えますが、土木部長に所見をお伺いします。 45 江幡土木部長 近年、県内では大規模な河川氾濫による家屋の浸水被害は発生しておりませんけれども、全国的には、平成29年7月の九州北部豪雨、平成30年7月豪雨など、水害が激甚化、頻発化しておりまして、市街地の広範囲が浸水し、家屋等へ土砂が堆積する被害が発生しております。  洪水は大雨によって生じる自然現象でありまして、洪水によって家屋に流入した土砂の撤去などは、御指摘のように大変な作業には間違いありませんけれども、基本的にはその所有者が行うこととなっております。ただし、市町村長が公益上必要と認め、市町村自ら土砂を撤去した場合は、堆積土砂の総量などの規模要件、都市計画区域などの地域要件がありますけれども、国の堆積土砂排除事業により補助の対象となっております。  県としましては、市町村に対して本事業の周知を図るなど、連携協力して取り組むとともに、計画的な河川改修により浸水被害の発生防止に努めてまいります。 46 井上委員 市町村等がやれば補助があるという話でありました。初めて聞きました。また、そういう話を皆さんに周知していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。  次に、110番、119番の通報時に映像を送信してもらうというシステムについてお伺いいたします。  事件や事故、火災の現場に居合わせた人が110番通報する際、スマートフォンで撮影した映像も送ってもらうというシステムを、警察庁が来年度から全国の警察で導入するという報道がありました。言葉では説明が難しい多重事故などでも、現場の状況を視覚的に素早く把握し、初動対応に活用する狙いがあるということでございましたが、同様のシステムは兵庫県警が昨年の10月から先行して運用を始めておられるということでございます。  そこで、このシステムの概要と利点について伺うとともに、また本県への導入見込みや県民への周知について、どのように考えておられるのか、警察本部長にお伺いをいたします。 47 杉本警察本部長 ただいまの御質問にございましたシステムでございますけれども、スマートフォンの普及に伴いまして、現在警察庁が導入を予定しております110番映像通報システムでございます。  これは、110番通報を受理した通信指令の担当者が、現場での警察活動に映像が効果的であると判断した場合に、通報者に映像の送信を依頼しまして、その了承をいただいて、通報者のスマートフォン等からリアルタイムの映像を送信してもらうシステムでございます。送信していただいた映像は、警察署や本部担当課の端末のほか、警察官が身につけている携帯用端末で確認することが可能となる予定でございます。  このシステムの導入によりまして、音声による通報だけでは発生場所の特定でございますとか、あるいは現場の詳細な状況の把握が困難な場合などに、これらを速やかに把握する上で有効でございまして、迅速かつ的確な警察活動に資するものと期待しているところでございます。  警察庁においては、令和3年度末から全国の警察にシステムを導入する予定で準備を進めていると聞いておりまして、県警察におきましても警察庁と連携して、システムの配備に向けた準備と、それからこのシステムに関する県民の皆様方等への周知を着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。 48 井上委員 3年度末ぐらいという話でございましたね。分かりました。ありがとうございます。  また、全国では110番だけではなくて、消防の119番通報時にも映像送信を導入しているところもあるとお聞きします。愛知県、兵庫県の一部消防では既に本格的な運用が始まっているとお聞きしますけども、全国での実態はどうなっているんでしょうか。  また、110番と119番では映像に対する捉え方も違ってくるんじゃないかと思いますが、消防としてはどのような利点と課題があると考えられるのか、そして本県へのこのシステムの導入見込みについて、併せて危機管理監にお伺いいたします。 49 砂原危機管理監 この映像送信システムは、現在、神戸市消防局、岡崎市消防本部など7つの消防局、本部で正式に運用されており、東京消防庁、津市消防本部では実証実験が行われています。また、令和3年度には、愛知県の知多広域消防指令センターの管内6消防本部など、3つの県で9つの消防局、本部で新たに正式運用が開始されると承知しております。  このシステムの利点は、部隊の現場到着前に、音声だけでなく映像で患者の容体や、事故、火災の全貌を知ることができ、的確な応急手当ての指示や部隊の早期運用など、より適切な消防活動を可能にするという点にございます。  一方、このシステムを利用する中では、映像の送信が電波状況に左右され、通信速度が遅いと速やかに情報共有ができない場合がある、あるいはスマートフォンの機種やバージョンによってはこのシステムに対応できない場合がある、通報者がうまく操作できずに画像を送信できない場合がある、それから通報者が映像送信時の通信料を全額負担しないといけないといった点が課題としてあると聞いております。  県内の消防局、本部に確認をしてみましたが、現時点ではこのシステムの導入予定はないと聞いております。  県としましては、このシステムを運用されている他県の状況を引き続き情報収集しまして市町村にお伝えしますとともに、やはりこうしたICTを使った消防や防災というのは人の命に関わることで、非常に重要だと思っておりますので、国や他県の動向も含めてアンテナを高くして、よく市町村とともに研究してまいりたいと思っております。 50 井上委員 いつから導入するとか、その辺まではまだまだ検討が必要だと思います。確かにそうですね、動画を送信する通信料は通報した人が負担するわけですよね。分かりました。いろいろ課題があると思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。  次のテーマに移りたいと思います。  地域振興について取り上げたいと思います。  まず、テレワークについてちょっとお聞きしたいと思います。  働き方改革の推進によりまして徐々に広がりを見せていましたテレワークでございますけども、新型コロナウイルス感染症の影響で実施率が大幅に上がりました。東京商工会議所によりますと、昨年6月に会員企業を対象に行った調査では、全体で約7割の企業がテレワークを実施されていたそうであります。7割というのが一番高かったんじゃないかと思います。我が国の成長戦略からしても、この流れは止まることはないと考えます。  そこで、まず本県におけるテレワークやサテライトオフィスの現状について、総合政策局長にお伺いをいたします。
    51 柿沢総合政策局長 本県におけるテレワークの現状につきましてでございますけれども、今年度、県が8月から9月にかけて行いました調査では、テレワークを導入している企業の割合は約15%となっております。一方で、国が今年度、これは8月から10月にかけまして全国の企業を対象に実施いたしました調査では、テレワークを実施している企業の割合は約34%となっております。調査が異なりますので、単純に比較することはどうかという面もありますけれども、本県のテレワークの導入状況につきましては、全国と比べ、進んでいないのではないかと考えております。  また、サテライトオフィスにつきましては、総務省の調査によりますと、地方公共団体が誘致、関与した施設は、令和元年度末時点で全国654か所ということでございますけれども、うち本県は1か所のみという状況にございました。  このため県では、今年度から誘致プロジェクトを強化して取り組んでおりまして、今年度に入りましてから4社のオフィスが県内に進出したところでございます。そのうち建物の改修が必要でありました2社に対しましては、所在地の市町村とともにオフィス整備費に対して補助を行っているところでございます。  また、テレワーカー等が共同で利用するワークスペースとして利用いたしますコワーキングスペースにつきましても、県内自治体や民間事業者により整備が進められておりまして、県内では現在10か所が設置されているという状況にございます。 52 井上委員 ありがとうございます。本県のテレワークは15%ということで、新型コロナの感染の状況にも影響しているのかと思いますが、ますますこれから進んでいくと思いますので、また対応のほうよろしくお願いいたします。  次に行きます。  例えば、自宅の近くのサテライトオフィスで仕事ができる、そういう形になれば、地方はどう変わっていくんでしょうか。例えば、育児のため復職できない女性や介護のために就業できない方、また移動が困難な障害をお持ちの方々の就業につながることが予想されます。極端な話かもしれませんが、地方にいながら働けることで、兼業農業も可能になって中山間地域の農地を守ることにもつながるかもしれません。  つまり、テレワークは多様な働き方が可能となりまして、人々の働き方が劇的に変わることによって、様々な面で地方創生に寄与するのではないかと考えます。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策になるだけではなくて、地域の活性化にも大きく寄与すると考えられるこのテレワークですが、県として県民や県内外の企業のテレワークを推進するために、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いをいたします。 53 新田知事 テレワークは、コロナ禍における感染防止対策や事業継続性の確保だけではなく、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が可能になることから、副業や兼業、また優秀な人材の確保、女性や障害のある人の活躍の場を拡大するというようなことを通じて地域の活性化に大きく寄与するものと捉えています。  新年度からは、県でも県庁内にテクノロジーを活用した働き方改革ラボを幾つかの部、課などで立ち上げます。県の取組に成果が出れば、これを中小企業さんなど横展開も図っていきたいと考えております。県民や県内企業のデジタル人材育成のためのセミナー、またワークショップも開催をいたします。さらに、県内企業のテレワーク環境のハード整備につきましては、3月10日から募集を開始しています中小企業リバイバル補助金を大いに活用いただければと思います。  また、県内企業やその社員の県内でのテレワークを促進するため、新年度において、国の地方創生テレワーク交付金を活用して、市町村が実施するサテライトオフィスやコワーキングスペースの整備を支援します。市町村や民間企業と連携したサテライトオフィスの誘致、テレワーカーを対象としたお試し移住、あるいはワーケーションの推進にも取り組みます。  今後、あの手この手で県内外の企業のテレワークの一層の導入推進に取り組んでいきます。 54 井上委員 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次の話題に入ります。  中山間地域における持続可能な地域づくりについてお伺いをいたします。  中山間地域における人口減少が仮にこのまま進めば、比較的人口規模の大きな地域でも日常生活に欠かせない商店の閉鎖や、バス、鉄道等の交通路線の廃止が進んで、過疎化に一層の拍車がかかることが心配されます。農林業の従事者の不足から田畑や森林が管理放棄されて荒廃して、上流域での雨量によっては下流部の都市部への大規模な水害が発生することも懸念されるわけであります。  本県では、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に向けて、昨年2月に富山県中山間地域創生総合戦略を策定し、各種施策を展開されていると思っています。  実際に中山間地域を回ってみますと、住民から、数か月前まで近くにあったお店やガソリンスタンドなどがなくなって本当に不便になったと言われることが本当によくあります。昨今、高齢者による自動車事故が大変多く発生しておりますけども、免許証を返納したくても返納できない、そういった現状を思い知らされるわけであります。  こういう買物や病院にも行けない、あるいは高齢化で地域の組織の運営が難しいといった課題の解決には、住民に最も近い自治体であります市町村がいくら頑張っても、資金的にも人的にも難しい面があると思います。やはり国や県との連携による力強い支援が必要かと思われます。  生活条件が不利な中山間地域で安心して暮らし続けられる地域づくりへの取組について、新年度予算ではどのような特徴的な施策を考えておられるのか、知事にお伺いいたしたいと思います。 55 新田知事 中山間地域の振興については、県は広域の自治体として市町村に対して必要な支援を行う、また地域の実情をより把握しておられる市町村と連携して取組を進めることが基本だと思っています。  こういった基本的な考えの下、新年度の予算案についてですが、特徴的な施策として列挙しますと、喫緊の課題であります人口減少下での地域づくりについては、地域コンシェルジュを1名から4名に増員、市町村と一緒になって意欲のある地域を掘り起こし、地域の課題、将来像についての話合いを支援します。また、市町村等が行う地域の特色、強みを生かしたまちづくりに対する支援、令和新時代まちづくり推進事業のほか、鳥獣による農作物被害を軽減するため、ICT等の新技術を活用した捕獲機材の導入などにも取り組みます。  中長期的な対策としては、デジタル技術を活用し、県による実証実験の先行実施や、市町村等への補助を行うこととしております。まず、中山間地域での日常生活品、食料などの配送に向け、ドローンの活用可能性について実証実験を行います。また、民間の提案を生かした買物サービスの実証実験のほか、個人所有の車両を活用した住民参加型のモデル的な輸送サービスへの支援、例えば朝日町で始まっているノッカルあさひまちへの支援を含みます。また、遠隔医療の実施に要する機器等への整備への支援にも取り組みます。  今後も、中山間地域振興条例や総合戦略に基づきまして、市町村への支援、連携を一層強化して、中山間地域の皆さんが安心して暮らし続けられる地域づくりに向け取り組んでまいります。 56 井上委員 ありがとうございます。中山間地域対策というのは、何回も言いますけど、特効薬も即効薬もないんですね。もうあらゆる施策を機関銃のように撃ち続けて、そのうち効くものがあれば、それを広げていくというような、そういったことが必要だと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  次に、地域おこし協力隊についての話に入りたいと思います。  中山間地域のコミュニティーを支える人材としまして注目されておりますのが地域おこし協力隊でございます。都市部の住民が二、三年にわたって地方に移住して、地域住民の生活支援や地域の活性化などに取り組む制度でございます。その経費は国が特別交付税措置をしている事業であります。  総務省の発表によりますと、令和元年で約5,500名もの隊員が全国で活動しておられるということであります。本県には39人が現在活動していると、先日の答弁でありました。さらに国では、この隊員数を令和6年度には8,000人まで増やすという目標を掲げておられます。全国的に言いますと、隊員の約7割が20代から30代の若い隊員であります。そして、全体の4割を女性が占めておりまして、特に若い女性が入った地域には大きな刺激を与えているということでございます。  地域おこしには、昔から「よそ者、若者、ばか者」が大事とよく言われます。そのよそ者と若者を派遣してくれるこの制度は、地方にとって大変ありがたい制度だと思います。  しかし、自治体の担当者や地域住民とのコミュニケーションがうまく取れず、こんなはずじゃなかったということで、任期途中で帰ってしまうケースもあるとお聞きします。そうならないためにも、受入れ自治体、住民、民間団体など、地域全体が連携して隊員を支えることが大事だと考えます。  過去の県議会の質疑によりますと、協力隊の現役やOB、OGが中心となって、自主的に県内での隊員同士のネットワーク組織が発足して、自主的に活動されているとのことでありました。予算も少ないネットワークであると想像しますが、市町村の事業とはいえ、そんな県全域を対象とした活動であれば、やはりここは県が支援の手を差し伸べてあげるべきではないかと考えます。  今後の県内で活動をされる地域おこし協力隊に対する県の支援について、総合政策局長にお伺いをいたします。 57 柿沢総合政策局長 地域おこし協力隊の本県における全県的な自主活動組織でございますけれども、令和元年度に現役会員やOB、OGによりLike!とやまという組織が発足しておりまして、現在のところ約25名が参加いたしております。  この組織の具体的な活動を簡単に申し上げますと、現役隊員の任期中の不安解消のためのサポートでございますとか、任期終了後のなりわいなど定住するために必要なノウハウの共有、またフリーマーケットなど県内外のイベントへの参加などでございまして、市町村の枠を超えた活動を行っておられるところでございます。例えば、明日19日でございますけれども、Like!とやまとして地域おこし協力隊の全国的なオンラインのイベントがございます。こうしたところに参加いたしまして、富山県をPRされるということでございます。  地域おこし協力隊員につきましては、一般的には特定市町村の非常勤職員として市町村の中で活動をされておりますが、このようなネットワーク組織による取組の効果といたしまして、全県的に活動することで隊員自身の活動の輪が広がること、また隊員同士の人的ネットワークが強化され、隊員の市町村での活動自身、そこでの地域づくりに効果というものが出てくると考えております。  このため、県ではこれまでも、隊員向けの研修会を実施いたしておりまして、隊員同士のネットワークの強化、また現役隊員の方々にLike!とやまの周知などを行っております。  今後、県が実施いたしますこうした研修会などにおきまして、隊員からこのネットワーク組織、Like!とやまに対する支援のニーズにつきまして意見を伺っていきたいと考えておりまして、県としてその意見を踏まえまして、どのような支援ができるか、必ずしも財政的な面のみならずということであると思っておりますけれども、いろいろと検討してまいりたいと考えております。 58 井上委員 ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。  この項目最後に、労働者協同組合法という法律についてお聞きします。  働く人が自ら出資して運営に携わる協同労働という新しい働き方を実現する労働者協同組合法というのが昨年末に成立いたしました。2年以内に施行される予定であります。やりがいを感じられる仕事を自らつくって、主体的に働くことを後押しするという仕組みだそうであります。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業の経営難や雇用不安が広がる中、雇用の受皿となることも期待されているということでございます。  2月8日の衆議院予算委員会で、菅総理は、介護や子育てなど幅広い事業を行えることが考えられ、多様な就労の機会を創出すると認識を示されて、地域の様々な需要に応じて事業を行うことで、地域の問題を地域の皆さんで助け合いながら解決していくことを大いに期待したいと話されました。加藤官房長官も協同労働の仕組みを生かした地域活性化に向け、自治体と連携する考えを示されたということであります。  そこで、本県において今後どのようにこの協同労働を推進して、またこの法律によってどのような課題が解決されると考えられるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 59 布野商工労働部長 今ほど委員から御紹介がありましたが、昨年12月に持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的とするということで、労働者協同組合法が成立いたしました。今ほどお話のとおり、2年以内に施行されるということでございますが、現在国におきまして、政省令、そして組合の適正な運営のための指針というものを検討、作成しております。来月中旬には都道府県に対して、法律や概要、今後のスケジュールなどを示す説明会の開催が予定されております。  県といたしましては、国からの説明を踏まえまして、まずは労働者協同組合制度の詳細な理解とその周知に努めますとともに、制度が円滑に運用されますよう、必要な検討を進めてまいります。  これまで我が国では、農協あるいは生協など、個別分野ごとに事業主や消費者のための協同組合制度が整備されてきましたが、労働者協同組合制度は、労働者のための協同組合として、組合員が出資して、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、自ら従事することを基本原理としております。こうしたことから、新しい働き方の選択肢として期待できると考えております。  労働者協同組合法は、行政の認可等を不要としておりまして、法律に定めます一定の要件を満たせば法人格が付与され、簡便に設立ができるということから、例えば訪問介護等の介護福祉関連、そして学童保育等の子育て関連、農産物加工品直売所等の拠点整備などの地域づくりの関係、そして若者、困窮者の自立支援など、幅広く地域における多様な需要に応じた事業の速やかな実施ということが可能となるのでないかという考えてございます。 60 井上委員 分かりました。詳細は今詰めている最中だということで、またよろしくお願いいたします。ありがとうございます。  次のテーマに入ります。  岐阜県との連携についてお伺いしたいと思います。  先日の安達議員の質問でもありましたが、7月5日は「富山・岐阜交流の日」ということで、これまでこの日を中心としまして両県で様々な行事や活動が行われてきたと思います。  そこで、この交流事業の主な成果と今後の課題について、どのように捉えていらっしゃるのか、総合政策局長にお伺いします。 61 柿沢総合政策局長 富山県と岐阜県とは、東海北陸自動車道が全線開通いたしました7月5日を「富山・岐阜交流の日」と定めまして、両県が連携し、交通インフラの整備促進に向けました国への要望活動でございますとか、飛騨高山地域などとの広域周遊観光に向けました両県内や大都市圏等へのPRなど、様々な分野で取組を進めてきたところでございます。  これまでの主な成果ということでございますけれども、まず東海北陸自動車道につきまして、令和元年9月、国が策定しました計画におきまして、今後10年から15年程度で4車線化を目指す優先整備区間に選定され、整備が進められております。また、広域周遊観光の推進ということにつきましては、高速道路の定額乗り放題プランを造成し、PRいたしておりまして、今年度までの6年間で延べ約8,500件の利用実績があったところでございます。さらに、交流の日記念事業ということで、毎年、両県の観光スポットを紹介いたします広報番組の放送や両県で県民会館や県庁を使いましたPRコーナーの設置、また県民を対象とした交流のバスツアーなど、交流促進の取組を両県がお互いに実施をしてきたところでございます。  こうした事業によりまして、例えば富山と高山を結ぶ高速バスの利用者でございますけれども、今年度はコロナのため除きますと、昨年度まで順調に増加してきていると聞いておりまして、両県同士の交流が進んでいると考えております。  今後の課題ということでございますけれども、東海北陸自動車道の早期全線4車線化に向けまして、国等へ働きかけるということはもとより広域観光の面ということで申しますと、両県連携により一層の周遊促進に向けた取組などがあると考えております。  今後、こうした課題につきまして、岐阜県との連携を一層強化し、取り組んでまいりたいと考えております。 62 井上委員 ありがとうございます。  コロナ禍の前までは年間450万人を超える観光客の皆さんが高山市を訪れていらっしゃったということであります。コロナで恐らく激減していると思いますが、本県にとっては、この450万人というのは大変な魅力のあるお客さんであります。過去の質疑でも言ったんですが、JR高山駅に行ってみたら、富山県の観光PRが駅の中にも、駅に併設している観光案内所にもないんですよね。JR東海でありますので、名古屋方面への観光PRはたくさんあるんですけども、富山方面のものは残念ながらありませんでした。  富山─高山間は特急ひだで行きますと1時間半で来ることができます。そして、日本地図を広げてみますと、富山─高山間というのは本当に近くなんですよね。ですから、何としても本県の観光客誘致には、この高山観光客を呼び込むことが何より有効であると考えます。  新たに、大都市圏において、これまであまり旅行に興味のなかった皆さんに富山へ来ていただくように一生懸命エネルギーとお金を使うより、ビジネスではなくて観光客として遊びに来ておられる皆さんがすぐそこに450万人もいらっしゃるということを考えると、圧倒的にそっちのほうが効率的であり、効果的であるということはもう誰でも分かると思うんです。  大都市圏のPRも大事でございますが、本県にとっては高山市の観光客をターゲットにした観光PRをもっと積極的に進めるべきだと思いますが、これは知事の所見をお伺いしたいと思います。 63 新田知事 私が政策で掲げております北陸の十字路構想は近隣県との連携により新たな経済圏あるいは文化圏をつくり出していこう、その中の中心に富山県がいる、そんなことを目指しています。これには北陸3県をはじめ、地理的にも歴史的にも密接に交わってきた岐阜県をはじめ、近隣県との連携をさらに強化していくことが必要です。  観光面においては、先ほど総合政策局からも答弁しましたが、NEXCO中日本と共同で高速道路の定額乗り放題プランを造成し、周遊の促進を図っているほか、両県で連携してインバウンド向けのプロモーションなども行ってきたところです。  井上委員御指摘のとおり、高山市に本当にたくさんの方が国内外から訪れておられます。地理的に近い本県への周遊を促していくことは大変いい着目点だと考えています。  このため、今御指摘もいただきましたが、遅ればせながら新年度では新たに、JR高山駅に本県の観光ポスターを掲示させていただく、また駅前の観光案内所に本県のパンフレットを置かせていただくということ、そしてまた違った側面ですが、富山空港の運営の在り方調査を行いますが、この中で高山市を訪れる観光客による利用促進の方策も検討します。  さらに、今月、県内のある観光業事業者さんが高山市内に広域観光案内施設を開設される準備をされております。ここと協力しまして、この施設に本県の観光PR動画の放映、あるいはスマホで読み取ることで本県の観光資源を多言語で御覧いただけるカードを置かせていただくというような協力を進めてまいります。  今後も、ウイズコロナにおける感染拡大防止に努める一方で、観光需要の回復に努めてまいります。  なお、7月頃に懇談会を開催することで、古田岐阜県知事とも合意をしたところでございます。岐阜県をはじめ、近隣県との連携を一層強化していきたいと考えております。 64 井上委員 ありがとうございます。しっかりと頑張っていただきたいと思います。  次に、富山高山連絡道路に関してお伺いしたいと思います。  昨年の4月に、富山市片掛地内において国道41号線の道路法面崩落が発生しまして、富山高山連絡道路の猪谷─楡原区間の橋梁工事が現在もストップしております。国交省では、国道41号片掛地区法面崩落対策検討委員会を設置して対策を検討していると聞いています。  この富山高山連絡道路は、幹線道路としてだけではなくて、富山県の医薬品業界からも早期の整備が求められております。  これについて説明しますと、東海北陸自動車道に、富山県と岐阜県の境に飛騨トンネルという10.7キロのトンネルがあります。富山県側には南砺市に袴腰トンネルという5.9キロのトンネルがあります。ガソリンや石油、薬品を積んだタンクローリーなどの危険物積載車両は高速道路の長いトンネルは通れないということになっていまして、名古屋港に入った薬の原料を積んだタンクローリーは、飛騨清見のインターで下りて、それから富山のほうへ入ってきているということを、長年ずっとこうして来ておりますけれども、国道41号線は雨がたくさん降るとストップしちゃうんですよ。今、細入地内で橋梁工事を行っていますけど、その橋梁工事のところが連続雨量120ミリになると通行止めになってしまい、タンクローリーは止まらざるを得ないんですね。そうすると、富山の製薬会社の皆さんは、原料が早く欲しいけれども、雨が上がるのをやきもきしながら待つという、そういうことが長年続いてきたわけであります。そのために、医薬品業界からも早く富山高山連絡道路の整備が求められているわけであります。  そこで、国交省の法面崩落検討委員会での現在までの検討状況について、また今後の猪谷─楡原区間の橋梁工事の計画の見通しと事業全体の推進について、土木部長の所見をお伺いいたします。 65 江幡土木部長 富山高山連絡道路のうち猪谷楡原道路では、御紹介いただきましたけれども、国において昨年4月に国道41号片掛地区法面崩落対策検討委員会が設置されまして、崩落した法面や工事中の新橋への対応について検討されてまいりました。  その結果、法面対策としては、鋼管抑止杭工及び法枠鉄筋挿入工により法面の安定化を図ることとし、隣接する橋梁工事については、当初予定していた位置を見直しまして、崩落した法面を避けて新たな位置に橋台を構築することが基本方針とされております。  これを受けて、現在、法面対策として、現道の国道41号の構造を確保しながら、法面中腹部に鋼管ぐいを設置する工事が進められており、今後水抜きボーリングや道路法肩部への鋼管ぐいの設置などが進められることとなっております。また、橋梁工事については、現在、設計が行われておりまして、この法面対策工事完了後、着手する予定と聞いております。  また、大沢野富山南道路では、現在、事業区間北側の惣在寺地区や岩木新地区において用地買収が進められており、同地区では市道等との交差部で横断ボックスの工事も併せて進められているところでございます。  富山高山連絡道路は、富山、岐阜両県の産業、経済の活性化、広域観光の振興などに大きく寄与する道路であります。御指摘いただきましたように、岐阜県内にはまだ雨量規制のかかる区間で事業化されてない区間もございますので、今後、岐阜県とも連携して早期整備を国に対して働きかけてまいります。 66 井上委員 早期整備、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  今日の最後のテーマに入ります。  高齢者の就農と農福連携についてお伺いをいたします。  我が国は、先進国の中でも急速に少子高齢化が進んでおります。農業においても高齢化、それから後継者不足で、担い手不足、そして労働力不足になっております。農業に携わる人口が年々減っておりまして、1995年には414万人いらっしゃったんですが、2019年には半分以下の168万人まで減少いたしました。さらに、それに追い打ちをかけるように高齢化も進んで、耕作放棄地の面積は全国的には大幅な増加傾向にあるわけであります。  日本の65歳以上の人口は、2019年に3,588万人と過去最多を更新しました。総人口の約3割を占めているわけであります。今、日本各地で退職をきっかけに農業を始めたり、健康づくり、生きがいづくり、あるいはレクリエーションとして高齢者が農業に参画する動きが出てきております。全国の都市における退職者の皆様が、国内でも安全・安心な県土であります富山県の農業に目を向けてくれたら、都市から地方分散の流れが出てくるかもしれないわけであります。ぜひ本県でも、高齢者の就農施策や高齢者福祉の視点からの農福連携を推進していただきたいと思うところであります。  そこで、定年等で退職された農業に関心のある元気な高齢者を、人手不足の農家の労働力不足の解消の一つとして農業に呼び込むことはできないでしょうか、農林水産部長にお伺いいたします。 67 堀口農林水産部長 高齢者の就農につきましては、重い資材の運搬や大型農機の運転など、危険を伴う困難な作業があるものの、委員御指摘のように、元気な高齢者の方々が知識や経験などを生かし、また関心を持っていただいて新たに農業に取り組むケースもあります。こうした人材を県外から呼び込むことは、労働力確保の点でも大切であると考えております。  県ではこれまで、都市部の方に農作業などの田舎暮らし体験をしていただき、移住・定住につなげるとやま帰農塾を毎年実施しておりまして、60歳以上の参加者も受け入れているということでございます。  また、今年2月から新たにオンライン就農相談を開始いたしまして、県外の方が自宅にいながら気軽に相談できる体制を整えますとともに、今月末には本県の就農の魅力を発信するPR動画を公開するなど、県内外の幅広い方々の新規就農につなげる取組を強化しているところでございます。  新型コロナウイルスの影響が続く中、都市から地方への関心が高まっていることをチャンスと捉え、今後とも元気な高齢者をはじめ、できるだけ多くの方々に本県農業の魅力を感じていただき、新たに農業に従事していただけるよう、市町村やJA等の関係団体と連携しながら、しっかり取り組んでまいります。 68 井上委員 ありがとうございます。今は65歳以上でも元気ですからね、皆さんね。本当に期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  本日最後の質問になります。  これまで障害者が中心だった農福連携ですけども、高齢者や生活困窮者らの参画の動きが出てまいりました。多様な担い手として位置づけ、農業を通じて健康になったり、就労したりすることが、本人はもとより、地域にもたらす効果も大きいと思われます。誰にでも活躍の場を提供できる農業の価値の向上にもつながると感じるものであります。  政府が2019年にまとめました農福連携等推進ビジョンでも、福祉側の主体を広げようと、高齢者や生活困窮者、ひきこもりの状態にある人等の就労、社会参画の機会確保に向けた支援の必要性が示されています。厚生労働省はモデル支援事業を昨年から開始されて、全国で2か所のモデル地区に本県の、私の地元であります大沢野地域にありますNPO法人北陸青少年自立援助センター「Peaceful Houseはぐれ雲」さんが選ばれております。実際に自治体の窓口に問合せがあった方が入所され、現在活動されています。  内閣府の調査では、40歳から64歳までのひきこもり状態にある人が全国に61万3,000人、15歳から39歳までの人で54万1,000人、合わせて実に115万人がひきこもりの状態にあるということであります。若い世代よりもむしろ中高年世代に多いということが明らかになりました。  8050問題がクローズアップされる中で、ひきこもりなどの生きづらさを抱えている方々の中には、生活困窮に直面している方々や御家族も多く、その方々にとっては安心できる居場所での就労機会というのは、待ったなしの社会復帰へのチャンスでもあると考えます。  そこで、生活困窮者やひきこもりの方々への農福連携における支援施策や、それを支援する団体やNPO等への支援策について、どのように考えておられるのか、厚生部長にお伺いします。 69 石黒厚生部長 自立相談支援機関におきましては、生活に困窮している方を対象に自立支援プランを策定し、就労などの支援を行っております。これまでもハローワークの求人や知人の紹介で農園の畑作業を体験し、農業法人への就職につながるなどの実績もあるところでございます。  また、ひきこもりや離職期間が長く、直ちに就業することが困難な方に対しましては、就労準備支援事業を実施しております。具体的に申しますと、本人の状況に合わせまして、生活指導や、あるいは他者との適切なコミュニケーションを図る社会参加能力の形成、改善、清掃やリネン交換、畑作業などの就労体験の場の提供などを行っております。こうした体験につきましては、やはり本人の御意向や適性を考慮して受入先を選定しているところでございまして、今年度の実績は5件あるところでございます。  また、委員からお話がありましたとおり、生活困窮者を対象とした農福連携につきましては、今年度、県内のNPO法人が国の委託を受けて広域連携モデル事業を実施したところでございます。この事業につきましては、自立支援窓口で就労支援を受けております方を対象とした合宿型の就労体験、訓練プログラムでありまして、10日間の体験コースと2か月間の農作業等の研修コースの2つがございます。県内の自立相談支援機関に周知を図ったところ、今回は10日間の体験コースに2名の参加があったところでございます。  今後も、本人の意向や適性を踏まえた就労体験や自立支援につながりますよう、関係機関と情報共有を図るなど、連携しながら取り組んでまいります。
    70 井上委員 NPO等、皆さん、期待していらっしゃいますので、また、そういう支援する方への支援もしっかりと対応していただきたいと思います。  以上で終わります。 71 武田委員長 井上委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時10分に開会いたします。                     午後0時10分休憩                     午後1時10分開議        大門良輔委員の質疑及び答弁 72 平木副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  大門委員。あなたの持ち時間は60分であります。 73 大門委員 お疲れさまです。自民党議員会の大門良輔です。  3月に入りまして、滑川市ではホタルイカ漁がスタートし、港では活気があふれております。県の水産研究所が発表しました今年のホタルイカの水揚げ予報では1,700トンと、昨年並みの漁獲が出るという報告が出ておりまして、大変豊漁が期待をできるわけであります。  しかし、今新型コロナウイルスの影響で、ホタルイカは本来であれば県外に出荷をするはずが、県外への出荷は鈍いような状況であります。今、スーパーでは手頃なホタルイカが並んでおりますので、知事はじめ当局の皆様、そして議員の皆様、県民の皆様にはホタルイカをおいしく食べていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。  今日は、ホタルイカのネクタイと青年会議所の富山ブロック協議会が作りましたホタルイカのSDGsバッジをつけて質問いたしますので、きらりと光る回答が出ますことを御期待申し上げ、質問に入らせていただきます。  まずは、カーボンニュートラルの推進についてお伺いをします。  先日、新田知事は小泉環境大臣とリモートをつなぎ意見交換をしたそうですが、自民党青年局でも2月24日に小泉大臣とリモートをつなぎ、環境省におけるSDGs達成についての勉強会を開催いたしました。そこで環境省のカーボンニュートラル社会に向けてのビジョンや取組、世界の動向などを教えていただきました。  大切なのは、我々が行動を一つ一つ見直すこと、また技術革新など、経済界と共に歩み、進めていかなければ、カーボンニュートラルの社会は実現できません。  富山県においてもゼロカーボン推進宣言をし、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの社会をつくるという宣言をしておりますので、これから温室効果ガス削減の取組を加速していく必要があります。  そんな中、来年度、組織改編が行われ、知事政策局に部局横断的な対応が必要として、カーボンニュートラル推進課が発足されることは意義深いものだと思っております。  そこで、新田知事にお伺いいたしますが、新田知事はエネルギー分野の経営者として、また経済界を長年にわたり牽引してこられたわけですが、カーボンニュートラルの意義をどのように感じておられるのか、またどのようなカーボンニュートラルの世界を目指そうとしているのか、ビジョンをお伺いいたします。 74 新田知事 経済界を牽引してきたというのは、ちょっと私には重た過ぎる表現ですが、経済界の一角から考えてきたことも踏まえてお答えしたいと思います。  本県では、今、委員がおっしゃったように、国より早くゼロカーボン宣言をやっており、──カーボンニュートラルとゼロカーボンは全く同じ意味です──カーボンニュートラルを目指す、ここにおいてもできればトップランナーになっていきたいと考えています。  カーボンニュートラルというのは、決して生半可でできるものではないことだと思います。従来の延長線のことは、これはきっちりとより磨いてやっていくとともに、何らかのイノベーションが起きないとなかなか達成は難しいと思います。でも、このイノベーションのきっかけにして、そしてそこから、それを新たなチャンスと捉えて新産業の創出に結びつけていくことが大切だと思っています。  新年度予算案では、これまでの省エネルギーや再生可能エネルギーの導入促進をしっかりと進めていくとともに、グリーン分野での産学官連携の技術開発の促進においてイノベーションを生み出せればと思います。また、企業の競争力強化に資する新たな事業を盛り込んでいます。  そして、今、委員からもお話しいただいたように、知事政策局に新しくカーボンニュートラル推進課を設けました。これまで、現在4つの部局に分散している業務をここに集約して、この全庁的な取組を、言わば牽引していく、そのようなセクションにしていきたいと考えています。  そしてまた、カーボンニュートラルが達成できたとしたら世の中はどうなるのかという御質問だったと思いますが、国のほうでは、いろいろ探しましたが、特にそのような社会のありようについての言及は今のところないと思います。あくまでカーボンニュートラルは手段であって、その結果どんな日本社会が、あるいは富山県が生まれるのかということですけども、私は今回、成長戦略会議の特別委員でもお迎えしていますヤフー株式会社のチーフストラテジーオフィサーの安宅和人さんは、富山県御出身でいらっしゃいますが、この方が風の谷を創ることを提唱されています。これは未来創生の構想の一つでございます。  テクノロジーを最大限に活用する、でも自然と共存する人間らしい豊かな暮らしをする。映画「風の谷のナウシカ」がありますが、その風の谷をイメージされているのだと思います。たくさんの人が読まれた著書「シン・ニホン」の中にもそのようなことが書いてあります。私もこれに共感をしております。カーボンニュートラルが達成された富山県の1つのイメージとしては、まさにこのような姿ではないかと、今のところ考えております。  この風の谷のように、新たな地域社会、そして産業、経済、これがうまくミックスされて共生できるような社会を目指していきたいと考えています。 75 大門委員 ありがとうございます。  最近では本当に環境に対する意識が高まっているのかなと思っております。一昔前では、経済界と環境の分野、どちらかというとアクセルとブレーキという部分があったのかと思いますが、今グリーン戦略ということで成長分野、両方がアクセルを踏み、クリーンな社会に向けて進んでいるのかと思っております。  今、知事が言われましたテクノロジーと自然環境を融合させるという部分もあると思います。そういったイメージに対して、一つ一つこれから富山県の政策が出てくるかと思いますので、またよろしくお願いしたいと思っております。  そういった中で、富山県のCO2の排出量の部門別の割合を見てみますと、工場など産業分野が37.9%、オフィスなど民生部門が13.6%、家庭部門が19.7%、運輸部門が20.9%となっております。数年前と比べますと産業部門の割合は落ちてきていますが、どちらかというと富山県はものづくりの県ということで、工場など産業分野の割合は他県と比べて大きくなっております。もちろん、家庭から出すCO2削減も大切ではありますが、富山県において産業界のCO2削減が大きな鍵ではないかなと感じております。  今後、産業分野のグリーン化に向けどのように取り組んでいかれるのか、また、ESG投資の活性化についてどのように進んでいかれるのか、布野商工労働部長にお伺いをいたします。 76 布野商工労働部長 委員御指摘のとおり、本県の温室効果ガスの排出量のうち産業部門の占める割合は、2017年度で先ほどお話しのありました37.9%、これは全国が31.7%でありますので、それに比べると高くなっております。また、そのうち製造業に占める割合は94.8%であることから、本県において排出される温室効果ガスの35.9%は製造業から排出されているということになります。  このため本県におきましては、温室効果ガスの削減を図るためには、産業部門、とりわけ製造業における取組が重要であると認識しております。  お話のあったESG投資は従来の財務状況だけではなくて、環境や社会、企業統治の要素も考慮した投資ということでございますが、近年、自然災害や異常気象が増加している中、世界的にESG投資が増加しており、我が国におきましてもその重要性が高まっていると承知しております。  製造業における温室効果ガスを削減するためには、省エネ効果が高い機器や設備の導入、あるいは生産工程の脱炭素化等に取り組む必要がありますことから、県では制度融資や国の助成金、投資促進税制等により資金面での支援を行っております。  また、新世紀産業機構の専門家派遣事業を通じまして、企業のISO14001、これは環境マネジメントシステムに関する国際規格でありますが、その取得支援、そしてESG投資の理解促進に取り組んでおります。  今後とも、資金面の支援のみならず、ISOの取得支援、さらにはESG投資の重要性を啓発することにより、製造業をはじめとする本県企業における温室効果ガス排出削減の取組を積極的に支援してまいります。 77 大門委員 ありがとうございます。  やはり企業の技術革新というものは本当に重要かなと思っております。企業が挑戦しやすいときに背中を押していただけるような、そういった政策をまた引き続きお願いしたいなと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  使う側もそうですが、エネルギーを供給する側も再生可能エネルギーのような自然エネルギーの比率を高めていかなければいけないと思っております。先日、小泉環境大臣が言っておられましたが、環境省が調査したところ、日本の自然エネルギーのポテンシャルは現在の日本の総電力の2.2倍あると言われています。エネルギー資源が乏しい日本にとって、毎年17兆円かけて海外から資源を輸入している中において、自国でのエネルギー調達は大変大きな課題でもあると思っております。  そんな中、再生可能エネルギーの需要を高めるために、環境省では、電力会社から再生可能エネルギーのようなグリーンな電力を供給してもらい、2030年までに省内の施設の電力を再生可能エネルギーの電力だけで賄うという目標を立て、計画的に切り替えていっており、もう既に幾つかの施設は再生可能エネルギーだけで電力を賄っているようです。  再生可能エネルギーはどうしてもコストがかかることや、供給が不安定であるという認識が根強くあります。まずはその認識を崩すためにも、自ら再生可能エネルギーを活用し、需要を高め、コストダウンや安定供給ができる土壌をつくる狙いがあるとのことです。そして、実際に幾つかの施設を再生可能エネルギーに電力を切り替えたそうですが、価格はほとんど変わらなかったという結果も出ているようです。この取組は大変興味深いものだと思っております。  そこで、まずお伺いしますが、現在県有施設で使用している電力のうち、再生可能エネルギーの占める割合をどの程度把握しておられるのか、竹野生活環境文化部長にお伺いをしたいと思います。 78 竹野生活環境文化部長 令和元年度の県有施設の電気使用量は、ほとんど電力会社等から供給を受けているものを使っておりまして、全体で1億1,223万キロワットアワーでございます。このうち、99.3%が北陸電力から供給を受けておりまして、また北陸電力以外から、少なくとも約4万キロワットアワー、約0.04%でございますが、これが再エネルギー由来の電力の供給を受けております。  同年度における北陸電力の電源構成を見ますと、火力発電が59%、水力、太陽光、風力等の再エネ発電が34%、その他が7%であり、同社及び同社以外のものも合わせまして、県有施設全体で再エネ由来の電気の使用割合は約34%程度となります。 79 大門委員 ありがとうございます。  今答弁のあったとおり、再生可能エネルギーの電力、0.04%という、全然少ないということも分かりますし、実際に電力を供給している中で、水力発電であったり風力発電であったり、自然由来の電力、グリーンなものの割合が34%ということでしたので、自ら再生可能エネルギー、グリーンなものを選んで供給を受けていないということが分かりました。  そこで提案ですけれども、富山県の県有施設においても、自然由来の再生可能エネルギーに計画的に切り替えていって、将来的には全ての電力をクリーンなものにするという目標を立て、需要拡大に取り組んでみてはと考えます。もちろん、需要拡大によるコストダウンや安定供給の狙いもありますが、ゼロカーボン推進宣言をしておられます富山県が率先をして、自然エネルギー由来の電気を使うことによって、県民に対しても企業に対しても、自然エネルギーに対する機運を高めることにつながるのではないかと感じております。  そして、需要が高まれば、エネルギー産業に参入してくれる企業も出てくる可能性もあるのかと思っておりますが、竹野生活環境文化部長に御所見をお伺いいたします。 80 竹野生活環境文化部長 県では、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画(事務事業編)として策定しました新県庁エコプランにおきまして、二酸化炭素排出量や上水使用量、紙使用量の削減に関する目標値を設定しまして、出先機関、学校、警察及び指定管理者制度導入施設も含めた県庁全体で省エネ等に取り組んでおります。  本年3月に改定しました第5期となる同計画では、計画期間を2030年度までの10年間としまして、二酸化炭素排出量につきましては、2030年度までに基準年度──これは2014年としておりますが、基準年度比で41.7%以上削減する数値目標を設定いたしました。  目標達成のために3つの柱を立てまして、1つはエコオフィス活動の継続・徹底、2つ目は施設・設備等の省エネルギー化の推進、3つ目に、今ほど委員からお話しもありました再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組むこととしておりまして、委員御提案の再生可能エネルギー由来の電気への切替えにつきましても、電力会社が提供する電気料金プランの導入に向けて、課題の整理と研究を進めていくこととしております。  県といたしましても、ゼロカーボン推進宣言を行っておりますので、二酸化炭素排出量削減を強力に進めていくことが必要であると考えております。今回のプランの改定を機に、プランの推進組織であります富山県環境行政推進会議の会長であります副知事名で、施設単位でのエネルギー調達の在り方など、身近に対応できる項目からまず見直しを行い、可能なものは速やかに取り組むように全職員に対して通知を行ったところでございます。  第5期計画の目標達成に向けまして、オール県庁で取り組んでまいりたいと考えております。 81 大門委員 ありがとうございます。そういった自然、再生可能エネルギーへの切替えは大変重要なことだと思っております。  また、北陸電力さんに確認をしましたが1キロワット当たり大体2.2円上がるということも言っておられました。1つの家にしますと、1か月当たり大体600円ほど上がるというような計算になるそうです。県庁になりますと大変大きな施設になりますので、コスト面もかなりかかるといった部分も検討課題の一つだと思っております。コストのバランスも考えながらグリーンエネルギーに切り替えていっていただき、CO2削減を2030年までに41.7%削減、大変大きな目標だと思いますが、一つ一つの政策を詰めていっていただけたらなと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。  それでは、福祉の増進についてお伺いをします。  まずは、ワクチンについて3問をお伺いしたいと思います。  ワクチンについては、県民の方々も大変興味のある分野ではないかと思っておりますが、まだまだ情報が下りてきていない部分も大いにあると思っておりますので、お伺いをしていきたいと思います。  4月から65歳以上のワクチン接種がスタートしていきます。当初、1本のワクチンから特殊な注射器を使えば6回分の接種が可能と言っておりましたが、注射器の供給が間に合わず、通常の注射器で接種を進めるところも多いと聞いております。私の地元、厚生連滑川病院でも、なかなかこういった特殊な注射器が入手できず、通常の注射器で進めていこうという計画で進んでおります。  富山県には65歳以上の方が約33.5万人います。当初の6本で割り当てていきますと、単純計算で5万5,800本のワクチンが必要となっております。しかし、5本しか取れない通常の注射器でいきますと、6万7,000本のワクチンが必要となります。単純計算で申し訳ないんですけれども、1万本以上の差が出てくる状況となっております。  先日報道で、高齢者のワクチンを確保したと政府で発表があったようですが、このような注射器の状況に応じても、富山県として高齢者のワクチンが確保されているのか、石黒厚生部長にお伺いをいたします。 82 石黒厚生部長 接種の際に必要となります注射器等におきましては、国において調達、確保することとされております。来月から始まる高齢者向け接種の注射器等につきましては、国では、まずは5回接種でスタートし、6回接種のものがまとまった量を調達できたところで一斉に切り替えるという説明がございました。  一方、ワクチンにおきましては、報道によりますと、6回接種換算で6月末までにおよそ1億回分が供給され、医療従事者や高齢者向け、高齢者向けは全国で約4,000万人分ありますけれども、このワクチン供給にはめどがついたとされているところでございます。仮にこれが全て5回接種の注射器となった場合におきましても、全国で言いますと約8,300万回分となりまして、これは医療従事者や高齢者向けのワクチンの量としては確保されている計算になっているところでございます。  県におきましては、これまでもワクチンの供給量やスケジュールなどを早めに示すこと、6回接種可能な注射器等を早期に確保することなどを国に要望してきておりますが、引き続き接種が円滑かつ迅速に実施できますよう、全国知事会とも連携して、国に対して働きかけてまいります。 83 大門委員 ありがとうございます。まずは富山県としても、ワクチン5回分でも確保されていることが分かりました。本当によかったと思います。  今後、接種がスタートしていきまして、各自が予約をし、集団接種やかかりつけの病院でワクチン接種を受ける流れになってくると思っております。病院自体、接種の計画を立てていますが、1日当たりのワクチンを接種する人数にばらつきがあれば、キャンセルも出てくるのかなと予想されます。  そうなると、やはりどうしてもワクチンロスが発生すると感じています。貴重なワクチンですから、できるだけワクチンロスを減らすことは非常に大事だと思っておりますし、そういったためにも情報共有は、まずは市町村内でしっかりと行っていただき、必要に応じて医療圏など広域的な取組も必要ではないかと感じております。  そこで、県内において、ワクチンロスやワクチン接種の状況の情報共有についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 84 石黒厚生部長 現在、日本国内で使用されておりますファイザー製のワクチンにつきましては超低温の冷凍庫、ディープフリーザーと申しておりますが、これから取り出して、冷蔵保管で5日以内、また生理食塩液で希釈後、室温で6時間以内に接種することが必要とされております。  医療機関や市町村におきましては、1バイアル当たりの接種回数を有効に活用できますよう、計画的に接種日ごとに接種人数を調整することで、ワクチンを無駄なく効率的に接種していただきたいと考えておるところでございます。  ただ、委員お話しのありましたとおり、当日キャンセル等によりましてワクチンの余剰が発生した場合の対応が、本当に市町村等の現場におきましても大きく懸念していることの一つでございます。  国からは、例えば市町村のコールセンターや医療機関で予約を受ける際に、予約日以外で来訪可能な日をあらかじめ聴取しておき、キャンセルが出たタイミングで、電話で来訪を呼びかけるなどの対応例が例示されておりますし、また一方、広域的なワクチンのやり取り──いわゆる市町村や接種機関の間での広域的なワクチンのやり取りについては、国のワクチン接種円滑化システム、V-SYSと呼んでおりますが、このシステムにおいて配分量が厳密に管理されており、接種医療機関の間での接種状況を共有し、余ったワクチンを融通し合うことは難しいと国では示されておるわけであります。  県といたしましては、先ほども言いましたように、これは現場での非常に大きな懸念の一つでもありますから、市町村や医療機関等におきまして、ワクチンを無駄にすることなく接種ができますよう、システムや運用などにおいて、弾力的な対応が可能になるよう国に対して求めるとともに、広域的な課題の調整や関係機関への協力依頼など、県民への接種が円滑にされますよう市町村と協力しながら取り組んでまいりたいと思っております。 85 大門委員 これは接種がスタートをしてみて、運用してみないと分からない部分もたくさんあると思っております。いろんな課題が出てくると思いますが、そういった課題を精査しながら高齢者接種、それが一般の方々にも移っていくわけなんですけれども、うまく運用できるように、また御協力をお願いしたいと思っております。  それで、ワクチンを接種した人に対しまして証明書が必要となってくると思います。これからワクチンの接種が進めば、人の移動も活発化され、海外渡航など証明書の提示が必要になってくるケースも出てくると感じております。そのワクチン接種の証明書はどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。 86 石黒厚生部長 今回の新型コロナワクチンの接種につきましては、予防接種を行った者が予防接種を受けた者に対して予防接種済証を交付することとされております。具体的に申しますと、あらかじめ住民の方へ発送しております接種券に医療機関がワクチンのメーカーやロット番号、接種の場所、接種者氏名等を接種する回ごとに記載することで予定されております。  お話のありました、海外でも海外渡航を念頭に、ワクチンを接種した者に証明書を発行するという動きがございます。ただ、国では、接種はあくまでも努力義務であること、アレルギーなどで接種を見合わせる人が一定程度いると想定されること、新たに差別につながりかねないことなどから、予防接種済証を公的に活用することについては、現在は考えていないとされています。一方で、世界の状況を踏まえた上で、海外で日本人が不利益を被ることがないよう、対応についても検討していくとされておりまして、これの問題につきましては、やはり引き続き国の動きを注視するしかないと思っております。 87 大門委員 分かりました。そういった公的な証明書、接種が自由であるからこそ強制力を持つこともできないですし、平等に、公的にやることはできないことは大変よく分かりました。そういった運用など、国と連携しながらまた進めていただけたらなと思いますので、どうかお願いをいたします。  それでは、次の質問に移ります。  次は、医療的ケア児について2問お伺いをしたいと思います。  医療的ケア児につきましては、少しずつ関心が高まっていると思っております。今回の議会の一般質問でも、種部議員からも質問がありましたし、各市町村の議会でも医療的ケア児の議論が増えてきました。また、新聞やテレビなどでも取り上げていただき、実情を知っていただく機会も増えてきたと感じております。  また、県でも、医療的ケア児等コーディネーターを増やす取組や、その家族をフォローする取組などを行い、感謝をしております。  しかし、医療的ケア児については、令和元年度に実施しました調査結果を見ますと、やはり現状はまだまだ厳しいことが分かります。一番の困り事は、「子供たちを保育園に預けることができない」が6割を占め、県内でも地域格差があると感じております。  国のほうでは、医療的ケア児保育支援モデル事業を行い、保育園や学校に対して、看護師の配置や喀たん吸引ができる保育士の配置について、金銭的な補助の支援をしております。  今回、県が新たに実施をします医療的ケア児等訪問看護体制整備事業がうまくいけば、保育園の看護師の確保にもつながると感じております。まず、その狙いと、保育園に対して喀たん吸引等が可能な保育士の配置に向けた支援についてどのように考えておられるのか、石黒厚生部長にお伺いをしたいと思います。 88 石黒厚生部長 医療的ケア児等訪問看護体制整備事業につきましては、医療的ケア児の対応に慣れた看護師が、地域の訪問看護ステーションに対しまして個別の技術指導等の研修を行いまして、地域における医療的ケア児の看護人材を養成することによりまして、医療的ケア児が身近な地域で支援を受けやすくなりますように体制整備を行うものであります。これによりまして、家族のレスパイトや、あるいは将来的には看護ステーションから保育所等へ看護師を派遣することなどによりまして、保育所等での受入れ体制の整備につながるものと期待しているところでございます。  また、県内の保育所における医療的ケア児の受入れにつきましては、市町村におきまして集団保育の可否の検討や、職員の配置等の受入れ体制の整備をした上で、今年度は2施設で2人を受け入れているところでございます。  県では今年度から、保育士が喀たん吸引等の医療的ケアを行うに当たりまして、必要となります研修の受講費用を助成しております。また、お話もありましたように、国の医療的ケア児保育支援モデル事業におきましては、来年度から医療的ケアを行う職員の配置に対する補助を、これまでは市町村単位だったものを施設単位とすることによりまして、補助総額の実質的な拡大を行うこと、また、研修を受講した際の保育士を医療的ケア児保育支援者として配置する場合には加算するなどによりまして、さらなる拡充が図られているところでございます。  県といたしましては、今後とも医療的ケアができる看護師や保育士等の人材の養成に取り組むとともに、拡充される国の制度も市町村や関係機関に対して周知を図りまして、保育所等における医療的ケア児の受入れに対して支援をしてまいるところであります。 89 大門委員 ありがとうございます。  今、部長の答弁にありましたとおり、県内ではまだ2人しか保育園に預けることができていない状況にあるという、大変ショッキングな実情だと思っております。  国のほうでは、先ほどもありましたが、医療的ケア児について、もっと支援をしなければいけないということで、本国会で法案の提出もあると聞いておりまして、先ほど答弁もありましたが、保育士や看護師の保育園への配置について、金銭的な補助の割増しが検討されると聞いております。  他県の状況を見ますと、保育園や小学校もそうですけれども、結構医療的ケア児を受け入れている実情がありますが、まだまだ本県に関しましては厳しい状況だと認識をしております。  そういった中で、この4月から滑川市では、ある保育園で医療的ケア児を受入れようという動きが実はございまして、看護師さんと保育士さんが、喀たん吸引できるように研修を受けて受け入れようという流れがあります。そこの保育園は、受入れのために施設の改修もしますし、また看護師さんの時給を2,500円、本当に高く設定をしまして、やっと看護師さんが見つかって受入れ可能となったという状況にもございます。
     今、医療的ケア児を保育園に入れようと思ったら、これだけハードルが高い現状があります。その保育園はどうして受け入れることができたかといいますと、やはりそこの保育士、保育園さんの情熱があったからこそ、子供たちを受け入れなければいけないという思いがあったからこそできたこと、それに対して保育園側は負担を負わなければいけないけども、それよりも子供のためにという思いで受入れを進めております。  まだまだ県内には厳しい現状があるのかなと思っておりますので、受入れのための整備や、後押しをするための整備をしっかりと検討していただきまして、進めていっていただきたいと思っております。  そういった中で、新田知事にお伺いをしたいと思っております。新田知事におかれまして、医療的ケア児やその家族に対しての認識と課題、どのようにお考えになっておられるのか、そして、どのようにこの課題に対して取り組んでいかれるのか、御所見をお願いいたします。 90 新田知事 先般も中央病院で総合周産期母子医療センターを見てまいりました。本当に小さく生まれたお子さんがおられ、それはそれで大変にうれしいこと、これからまたその子を育んでいく、そんな体制も必要だなと思って見ておりました。  昨年度、県で実態調査をしておりますが、医療的ケア児の御家族は、受け入れてくださる保育所や事業所が少ないため、働きたくても働けない方が多くおられ、常時医療的ケアに追われ、そして休息もできないなど、医療的ケア児を持つ御家族を取り巻く環境は大変厳しいという認識は持っています。  県ではこれまでも、事業所の受入れ体制の整備、県リハビリテーション病院・こども支援センターでの相談支援や短期入所の受入れ、様々な支援を総合調整する医療的ケア児等コーディネーターの養成、医療的ケア児支援を行う児童発達支援センターへの助成などに取り組んでまいりました。  新年度からは、先ほど石黒さんからもお答えしましたが、新たに地域の訪問看護ステーションに対する研修を実施して、地域や医療的ケアができる看護人材をさらに養成することを通じて、少しでも御家族が休息できる環境をつくり出していきたいと考えています。  また、住民に身近な保育所で受入れ体制の整備が図れるように、市町村に対して、県の支援制度や国の補助制度の周知に加えて、受入れ実績のある市町の事例の共有などを図ってまいります。  医療的ケア児に係る課題は、今を生きる子供たちにとって喫緊の課題です。国の動向なども踏まえ、市町村や支援を行う関係機関と連携協力をして、医療的ケア児やその御家族に対する支援体制の充実強化に取り組んでまいります。 91 大門委員 ありがとうございます。まさしく今、知事がおっしゃられたとおり、今を生きる子供たちに対して、医療的ケア児の課題は喫緊の課題だと思っております。  本当にそのお母さんたち、家族は子供を愛し、本当に苦しみながら子育てをしているような状況でもあります。そういった意味でも、行政として手を差し伸べられる部分はたくさんあるかと思っておりますので、ぜひとも手を差し伸べて、そういった環境をよくしていっていただきたいと思っておりますし、知事も大変お忙しい方だと思いますが、もしよければ医療的ケア児の実情をまた見ていただけたらなと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。  これで医療的ケア児については終わりたいと思います。ありがとうございます。  それでは、続きまして、起業支援について6問お伺いをします。  新田知事は、令和3年度組織の見直しにおいて、成長戦略室に創業・ベンチャー課を創設し、日本一の起業の県にするんだと力強い目標を掲げ、起業を夢見る方々に対しての支援や後押しをする気概が感じられます。これは、経済界の最前線を走ってこられた新田知事らしい目標だと感じています。  しかし、その一方で、起業未来塾が令和2年度で一定の区切りをつけ、令和4年度に新たなスクールを開講するという発表もございました。起業未来塾は、平成7年に開講して16年間、400名近い方々が受講され、高い確率で起業し、自らの夢の一歩を踏み出しておられます。こちらにおられます平木柳太郎副委員長もそのお一人だと思っております。  卒塾生に聞いても、「起業する上で基礎を学び、自分の事業のプランを磨き上げる機会になった」や、「起業家の仲間ができ事業の幅が広がった」など、前向きな評価が聞こえております。  改めて、起業未来塾の成果についてどのように捉えておられるのか、新田知事にお伺いをいたします。 92 新田知事 とやま起業未来塾は、夢、情熱、志を持った起業家の育成支援を掲げて、県内外の経済人や、ベンチャーキャピタルの経営者、中小企業診断士など30名の人たちを講師陣に迎えて指導を行ってきたところです。私も平成17年の開講当初から起業アドバイザーとして相談に応じたり、交流会等の場では受講生や卒塾生を激励したりするなど、応援をしてきたところです。  今年度の第16期までに406名が修了しています。起業ではなく地域活性化を目指す地域づくりリーダー養成コースもありますが、こちらを除きますと368名、そのうち創業や新分野に進出された方は260名でありまして、粗い計算ですが、起業の割合は70.7%に達しています。  本県の開業率、これは国の経済センサス調査による平成28年から令和元年の平均ですが、4.4%が本県の開業率の一つのデータです。全国では7.1%になっていますが、これに比較すると、起業未来塾における対象者の70.7%の起業の割合は大変に大きいと思います。  また、修了生への調査では、売上高が数億円に上っている人もおられます。また、数十人を雇用する人もおられます。これから起業しようとする方にとっては1つのロールモデルとなる人たちも輩出したところです。  さらに、起業家の成功には人と人とのつながり、これも不可欠ですけれども、修了生で構成された学士会という同窓会のようなものがありますが、ここにおいて、引き続き学びや交流が活発に継続されていて、後輩を塾に紹介されるなど、県内経済界にこの講座を核とする1つのネットワークが形成されたという副次的な効果もありました。  とやま起業未来塾は、その実績や、また県内市町村や商工会議所等で実施される同様のスモールビジネス向けの創業スクールとの相乗効果によって一定の成果を上げ、本県経済、産業の発展に寄与してきたと考えています。  私の評価をお聞きになられたので、そのように捉えております。  なお、16年間にわたり塾頭としてこの塾を引っ張っていただいた一柳良雄さんは、私も前から知っている方でございますが、1つの区切りをつけさせていただくことでお礼状を書きましたところ、大変に長い間お世話になりましたと、引き続き富山県でそのような起業を志す人たちの火を絶やさないように御努力をお願いしたいという、そんな返信をいただいていることを付言させていただきます。 93 大門委員 ありがとうございます。  そういった成果も出ていた中で、富山県において開業率が非常に低かったといいますか、そういった課題を感じておられたからこそ、新しい起業未来塾といいますか、新たなスクールを目指されるというふうに私は認識をしておりますが、しかし、私としてはですが、令和3年に起業未来塾のようなスタートアップを支援するようなスクールがないことは、すごくもったいないのかなと感じております。  現在、新型コロナウイルスにより経済は大変厳しい状況にありますが、その反面、チャンスも大きいと思っております。例えば、コロナで、2年かかると言われておりましたDXが2か月で一気に進んだと言われるように、デジタル社会は一気に加速をいたしました。  富山県を見てみますと、光ファイバー網の100%の整備や、教育現場では1人1台のタブレット端末の整備、周りを見渡しただけで、少し前では考えられないほど、社会は一気に変化をしたと思っております。それは本当に今後も待ったなしで進みまして、1年後にはまた違った世界が待っていることだと私は思っております。  だからこそ、今こそ新しいビジネスが生まれるチャンスではないのかなと感じています。今こそアイデアのある若者を集め、起業を促進する講座を実施すべきだったと感じますが、私は予定どおりに令和4年度から新しいスクールを開講するにしても、令和3年度は現行の起業未来塾を走らせながら、新しいスクールの構想を練ることもできたのではないかなとも感じておりますし、スピードを重視する新田知事なら、令和3年度からすぐに新たなスクールも開講できたのではないかなと感じておりますが、そこで、令和3年度、こういった起業未来塾のようなスクールを休講した理由について、新田知事にお伺いをしたいと思います。 94 新田知事 先ほどの質問でもお答えしましたが、起業未来塾は大きな成果があったと考えております。  一方で、本県の開業率は、全国と比べますと、47都道府県中35位と低迷をしているのも事実で、特に大きく成長していく、いわゆるスケールするベンチャー企業や、また大学発のベンチャーが生まれにくいという点が本県の言わば課題だと考えています。  このため、今月末に開催する第2回の成長戦略会議においても、ベンチャー創業支援を主要なテーマに議論していただくことになっております。私は、成功したベンチャーの創出が次のベンチャーの創出につながっていく、そんなベンチャーの好循環といいますか、エコシステムを富山に構築していくことが重要だと考えています。  そのエコシステムに必要なのは、ベンチャー支援のノウハウとネットワークであり、その中心として、とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)を県内外の産学官金の代表者や市町村にも参画いただいて、今年中に設立をしたいと考えています。  新型コロナの影響を受けて非常に厳しい経済情勢にある今こそ、これも委員と全く認識は一緒ですが、今こそ次の時代の成長の種をまき、新しく、力強く、ワクワクする稼げる産業、あるいは雇用が生まれるよう、起業数の伸び日本一を目指す覚悟で進めてまいりたいと思います。そのためには、起業家人材を育成する事業も、これまでより、より目線を上げたものにしていきたいと考えています。  新年度予算の編成に当たり、御指摘のように、新しい施策を検討しながら起業未来塾を継続することも検討しましたが、やはり予算や職員数にも限りがあるというのも現実であります。県内市町村による創業支援や民間事業者のインキュベーション施設の広がりも出てきています。起業未来塾は一旦ここで立ち止まり、これまでの成果は十分に認識した上で、休講はやむを得ないという判断をしたところです。 95 大門委員 ありがとうございます。新田知事のそういったベンチャーや起業に対する熱い思いは大変よく分かりました。  こういった時代背景だからこそ、今チャンスがあると言われたとおり、私自身は令和3年度もそういったスクールを開講すべきでなかったのかなと強く感じておりますが、しかし、令和4年度、とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)で新たに検討していただいて、グレードアップして帰ってくることをしっかりと期待をしたいと思っておりますが、新たなこの塾に関しまして、どのようなイメージで進めていかれるのか、新田知事にお伺いをしたいと思います。 96 新田知事 実際には、新年度、新しい組織の下でじっくりと練っていくことになりますが、新しいスクールでは、社会的なインパクトを持って、言わばシリコンバレーのように大きく急成長するようなベンチャー企業、そして最終的にはIPOも果たしたり、あるいは企業の売却などを通じてまた新たなベンチャー投資に向かうようなエコシステムが生まれるようにしていきたいと考えております。令和4年度にスタートできるように体制の整備をしてまいります。  ベンチャービジネスとは、もちろんリスクが存在するわけでありまして、創業時の資金調達は、銀行の融資はなかなか受けられません。出資が中心です。収益計画も、創業直後は研究開発費や、あるいは広報費など先行投資が出ますので、多くのベンチャーでは一定期間は赤字が続きます。ただ、その後に急速に市場を獲得し成長することで、いわゆるJカーブを描くなど、事業計画のつくり方が毎年の収益やキャッシュフローを重視するスモールビジネスとは根本的に異なります。  県でも、東京圏在住で本県での起業を目指す若者を対象に、東京で、とやまスタートアッププログラムin東京を実施しております。講師である熊野正樹神戸大学教授の指導は、まさにベンチャー育成型であります。そういう意味では、一柳先生とは基本的な理念が少し違っていたのかもしれません。どちらがいい悪いではなくて、そういう違いはあったと認識をしています。  新たなスクールの設置は、とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)での主要な検討項目に掲げてまいりますが、協議会の構成員には、金融機関やベンチャーキャピタルからも参画していただくつもりであります。専門的な見地からの意見を積極的に反映していきます。  今後、関係機関と連携し、新しいスクールが先ほど言ったベンチャー型に対応した実践的なものにできるように取り組んでまいります。  また、新年度、これも今予算でお願いをしておるところですが、オレゴン州に友好訪問団を派遣する予定でいます。オレゴン州ポートランドという一番大きな町は、起業家のまちとも呼ばれています。ここでベンチャー支援策などについても視察や意見交換を行い、アイデア、ノウハウを吸収してくることができればと考えています。 97 大門委員 ありがとうございます。  そういったベンチャー支援をした上で、富山県から、本県からも大きなベンチャー企業が輩出されることを大変期待をしておりますが、小さな会社かもしれないですけれども、そういった夢を形にしたい人たちもしっかりと受け入れるようなスクールになることをまた期待をしたいなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、富山市の蓮町に創業支援施設・UIJターン等向けの住居拠点が令和4年度春に向けて整備が進められております。これまでも整備が進められ、今回も9億円の予算が盛り込まれるなど、大規模な事業なので期待と注目が集まると思っていますし、移住者や起業家の拠点として、ここからいろんな可能性が広がることを期待したいと思っております。  そこで、来年の完成予定の創業支援施設・UIJターン住居はどのような施設になるのか、全貌を布野商工労働部長にお伺いをしたいと思います。 98 布野商工労働部長 富山市蓮町の旧県職員住宅を利用して、今ほどありました富山工業の高校生のプランを基に整備中の創業支援施設及びUIJターン者等向け住居(仮称)は全国でも先駆的な衣食住一体の施設として、新年度は本体改修工事などを進めてまいります。  まず、創業支援施設のほうでは、起業に不可欠なDX化に対応いたしました通信設備などを備えまして、コワーキング、シェアオフィスなど、起業家の創業形態、そして規模、成長段階に対応した多様なオフィス空間を備えます。  加えて、創作活動、そしてワークショップなどに利用できますアトリエやラボのほか、独立間もない方が挑戦できる短期契約の店舗、チャレンジショップということで、これは地元の要望にもありましたカフェなどを想定しておりますけれども、これを設置したいと考えております。  住居部分については、世帯用のほか、個人用のもの、また数人で共同生活するシェアハウス、外部の人を交え、集えるようなラウンジなど、入居者の様々な幅広いニーズに応える豊富な間取りを用意して、最大80名が居住する一大住宅地となる予定でございます。  利用者といたしましては、UIJターンや東京での起業講座、今ほどのとやまスタートアッププログラムの修了生をはじめとしました県内外の起業家等を想定しております。  さらに、コロナ禍を受けて需要が高まりますサテライトオフィスの設置ですとか、国の政策に呼応しましたテレワーク、ワーケーションなどの需要も取り込みまして、富山における創業や移住の新たなハブということで機能させることを予定しております。  富山が好きだという若者、今、県外で活躍中の皆さんが県内で夢を持って起業できますように、着実に整備を進めてまいります。 99 大門委員 ありがとうございます。そういった移住者や起業者のハブとなるような施設とお伺いしました。  そういったハードが完成をしまして、今後どのように運営していくのかが非常に重要だと思っております。私はこの施設が起業家や移住者だけでとどまることなく、地元の企業や投資家との接点が生まれるような流れが必要だと思っております。  日本一ベンチャー企業に優しいまちを目指す北九州市の事例ですが、スタートアップの施設に民間のDX化をサポートする施設を併設させまして、スタートアップの企業と地元企業がうまく接点を持ち、ビジネスマッチングが生まれたという事例がございます。  ぜひこの施設だけで完結するのではなくて、地元企業やベンチャーキャピタルが入ってこられるような仕組みをつくることが必要と感じます。  そこで、この創業支援施設をどのように運営していくのか、お伺いをいたします。 100 布野商工労働部長 先ほど知事からも答弁がありましたが、起業家の成功の秘訣の一つが人と企業とのつながりということで、今、委員もおっしゃられましたとおり、仲間の存在のネットワークということでございます。  このため、この創業支援施設は、ハード整備はもとより、企業間のネットワークづくりを支援するための仕掛けの面でも充実を図り、市町村や民間のインキュベーションやコワーキング等の施設と連携して、また協働した上でその中核的な役割を果たす拠点としたいと考えております。  今ほど北九州市の例もお話しいただきましたけれども、創業支援施設が持つ機能を他県の例から見てみますと、相談窓口の設置ですとかセミナー、創業支援プログラム、ビジネスパートナーとなる経営者とのミーティングイベント、さらには資金調達を視野に入れたビジネスプランの発表会の実施などがございます。  これらのうち、相談体制については、施設内にアドバイザーを常駐させまして、新世紀産業機構とも連携し、起業を志す方が、適時ワンストップで的確な助言を受けられる体制を整えたいと考えております。  このほか、この施設については7月頃から募集を開始いたします施設管理者の候補事業者からの提案もお聞きした上で、全国の事例も参考に、県内の関係団体も参加いたしますとやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)の場で、専門家の意見も踏まえ議論して、利用者目線で実効性のある取組を実施してまいります。  委員御指摘のとおり、この創業支援施設の取組に、地元企業、これは活発に関与することで多くのマッチングを生み出して、投資、人材、技術のシーズの発掘につなげ、起業家と地元企業の双方がウィン・ウィンの関係となることで、地域への波及効果も高い施設の実現に向けて努力してまいります。 101 大門委員 この施設は本当に大変期待の持てる施設かなと思っておりますので、起業する方々の支援、そうした地元の方の連携を持ちながら、また新たな流れが生まれるように取り組んでいただけたらなというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に移りたいと思います。  地元からベンチャー企業を生み出すのも大切ですが、県外から、また東京から、富山県へベンチャー企業の進出に力を入れていただきたいと考えております。  これも北九州市の話で申し訳ないのですが、数年をかけてベンチャー企業の進出に力を入れております。そこの担当者と電話で話をしましたら、進出したベンチャー企業が北九州市で大変雇用を生んでくれているようです。先日も70人規模の企業が進出することが決まったと言っておられました。  また、北九州市には多くの大学がありますが、大学を卒業してからの人口の流出が著しいという問題もあったようですが、ベンチャー企業の進出が増えてから大学卒業後の流出が減ってきているというような結果も出てきています。  そして、IT関係のベンチャーですと、ネット環境があれば自宅でも仕事ができるということで、女性の雇用も多く生んでくれます。まさしく富山県は女性の流出が激しい課題がありますので、ベンチャー企業の進出が進めば、女性の流出の抑制、またUIJターンにもつながることができるのではないかと考えております。  ですので、大手企業の本社機能の進出やものづくり企業の進出と並行して、こういったベンチャー企業の誘致にも力を入れていただきたいと考えますが、新田知事の御所見をお願いいたします。 102 新田知事 委員のおっしゃるように、本当に本県に社会的にもインパクトのあるベンチャー企業が進出してくれれば、若者や女性、UIJターンされる方などの新たな雇用の受皿にもなる、そしてまた、県のイメージアップにもなりますし、またそのベンチャー企業の事業そのもの、提供するサービスや商品が本県の社会課題の解決にもつながっていく、様々なメリットがもたらされる可能性があります。  そんなことを目指すために、新年度から企業立地助成制度を拡充することにしています。なかなか福岡県あるいは福岡市あるいは北九州市に追いつくのは容易ではないと重々承知しておりますが、でも何もやらなければ、今までと一緒のことをやっているだけでは絶対に追いつけません。少しでも追いつき、そしてできれば追い抜いていくためにいろんな制度をつくっております。  まず、IT関係の小規模なベンチャー企業をはじめ、ソフトウエア業あるいはデザイン業など非製造業の立地を促すため、これまでは助成に投資額の要件がありました。やはりものづくり産業ですと、設備投資がありますから投資額も大きくなりがちであります。しかし、こういうソフト、デザイン、そのような業種は、そう投資額がかさまないということがあるので、この要件を大幅に緩和しました。現行の5億円以上を5,000万円以上まで緩和します。  そして、ベンチャー企業をはじめ、県外企業の本社機能の本県への移転を促進するために、とやまホンシャ引っ越し応援特別枠も創設します。助成対象の経費には、事業所の移転費のみならず、従業員の転居費、また社員寮の設置費なども追加しています。  そして、新年度には、先ほど来申し上げておりますし、布野さんからもありました、とやまベンチャービジネス支援協議会(仮称)によるベンチャーの支援体制、そして組織で新設しますが、官民連携・規制緩和推進課で必要な規制緩和を含めた取組、本県がベンチャー企業の成長環境としてもアドバンテージを持ち得るなどのような環境を整備してまいります。  あわせて、先般も本席で話題になりましたが、災害の少なさ、そして住宅環境や教育水準の高さ、北陸新幹線をはじめとする整った交通基盤、産学官金の連携による支援体制などなど、従来からの本県の強みに加え、ベンチャー企業を歓迎し、そして育む、そんな風土が富山県にはありますよと、こういうことを大いにアピールをして、委員がおっしゃるベンチャー企業の誘致に取り組んでまいります。 103 平木副委員長 大門委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時10分休憩                     午後2時20分開議        井加田まり委員の質疑及び答弁 104 平木副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 105 井加田委員 立憲民主党・県民の会の井加田でございます。予特最終日の質問も、残すところ、私を含めて2名となりました。  この定例会の議会討論を振り返りながら、また、コロナ禍のこの1年間を振り返りながら、県民の命と暮らしを守るために奮闘されておられる方々の顔を思い浮かべながら、1つには、新型コロナ対策と体制整備について、2点目に、組織改編とジェンダー平等の視点について、集中して質問いたします。  まず初めに、新型コロナ対策についてお伺いいたします。  3月4日に令和2年度補正予算の減額提案がされました。新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金関連事業について、27億円近くの減額となっております。この減額補正額が大きい理由について、まず伺いたいと思います。  令和2年度の新型コロナ対策に係る補正予算は、医療従事者等に対する慰労金の支給や感染症患者を受け入れるための病床確保・病棟全体の陰圧化等の施設整備を中心に執行されたものと認識しておりますが、これまでの支援が適正かつ十分に行き届いていたのか。また、令和2年度補正予算総額と各事業における執行率はどうだったのか、大きな減額となった理由を含めて、石黒厚生部長にお伺いいたします。 106 石黒厚生部長 県では、これまで新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用いたしまして、入院病床の確保、医療機関等における感染症への支援、医療従事者への慰労金等の交付、介護・障害・児童福祉施設における感染症対策への支援、介護・障害福祉従事者への慰労金の交付など、医療と介護の提供体制を確保、継続、そして支援するために多くの事業を行ってきたところでございます。  こうした事業を確実に行うため、今回、この新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金関連事業といたしまして、本当に巨額の事業費でございますけれども、315億円を県として計上し、十分な予算の確保に努めたところでございます。  また、事業の実施に当たりましては、例えば、慰労金交付事業では、対象となる全ての医療機関、福祉施設等に対して、事業案内の郵送や未申請の機関への電話連絡等により周知に努めるなど、遺漏のない執行について努めてきたところでございます。  この事業によりまして、例えば、慰労金交付事業では、おおむね全ての医療機関、福祉施設等に対して交付を行うとともに、病床確保につきましても、対象19機関全てに対しまして空床確保料の支援を行うなど、適正かつ確実な執行に努めてきたところでございますが、このたびそれぞれの実績に応じまして、現計予算の8%に当たります26億8,000万円余りの減額を提案させていただいたところでございます。  申し訳ありませんが、それぞれの事業ごとの執行率については、ちょっと今回準備をしておりませんでしたので、全体の8%ということでございます。
     コロナ対策につきましては、本当に今年度で終わるものではございません。来年度におきましても本交付金を活用し、引き続き感染拡大防止や、医療や介護の提供体制の確保に努めてまいります。 107 井加田委員 8%の減額が適当であったかどうかというのは、確保された予算の関係等もございますので細かくはお聞きしませんけれども、ありがとうございました。  次に、コロナ対策の体制整備について、具体的な内容について8問お伺いいたします。  まず最初の質問は、医療従事者への差別や偏見、誹謗中傷などの実態と、医療現場の職員が安心して働ける環境づくりについて、知事にお伺いするものであります。  感染防止対策の基本は、適切な検査と早期の入院加療、そして、コロナ対策において、今、ワクチン接種など未知の事業も始まっているさなかではございますけれども、昨年来、この1年間、コロナ対応の最前線で働いている医療現場の職員は、緊張と疲労が続いている状況にあることが推察されるところでございます。  現在の感染状況は、県内では比較的落ち着いてはいるものの、この間、長期化し、まだまだ収束が見えてこないコロナ禍の中で、医療現場は相当疲弊し、あるいは医療崩壊しかねない状況が続いていると言えます。  県内のコロナ感染症患者のこれまでの入院・治療の中心は公立・公的病院が担ってきております。医療現場の窮状について、自治体病院で働く医療従事者の皆さん方が、2月ですか、署名を添えて知事に対する要請書を提出されたということもお聞きしているところでございます。  そうした中にあって、医療現場の実態を知事はどのように把握しておられるのか。また、誹謗中傷の防止や、長期化するコロナ対策で疲弊している医療従事者に対する心のケアも大変重要でございます。不安な思いで働いている医療従事者の皆さんに対して、安心して働ける環境づくりにどのように取り組んでいくのか、医療従事者へのメッセージと併せて、新田知事にお伺いいたします。 108 新田知事 新型コロナウイルス感染症について、第一線で懸命に治療に当たっていただいています医療従事者の皆様へのいわれのない差別、心ない偏見が伝えられているところですが、そのようなことは決してあってはならないということ、これはもうまず最初に申し上げなければなりません。  県では、昨年、クラスターが発生した病院がありましたが、その病院の職員のお子さんたちの登園自粛要請というものがあったという事実が報道されました。その際には、早速、当該病院の看護職員にアンケートをとりまして、そのような事実があったのか調べましたところ、やはり不適切な対応が認められた施設があったということなので、その施設を所管する自治体にはこのような情報提供をするとともに、保護者が医療職であることを理由に登園拒否をすることを求めることは絶対にないようにということを、全市町村に通知をしました。  また、県内の公的病院の看護責任者が集まる会議があります。ここで、風評被害の状況や院内のサポート体制について情報交換の場を設け、臨床心理士によるカウンセリングの実施、また、精神科医をメンバーに含めた相談チームの設置などの先行事例を紹介し、情報共有をして、できれば横展開もするように促したところです。加えて、産業医などによる相談の助言、職員の定期的な配置換えなど、メンタルヘルスケアに配慮した対応も各病院にお願いをしたところです。  県では、差別、偏見などを防ぐため、県民に対して、新型コロナに関する正しい知識の普及と併せて、患者、感染者や医療従事者に対する人権の尊重について、新聞広報やテレビ、ラジオ、広告、県のホームページやツイッターなど、多様な媒体を通じて呼びかけているところです。  また、全国知事会を通じて国にも対策を要望してきたところ、この2月に新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正され、新たに差別的取扱いの防止に関する規定が設けられました。  県としても、今後もこうした啓発等の取組を継続して実施し、医療の最前線で奮闘する医療従事者の皆さんがモチベーションを維持して、引き続き医療業務に当たっていただけるよう努力をしてまいります。 109 井加田委員 メッセージの部分は少し読み取れたかなとは思いますけれども、引き続き医療従事に関わっている皆さんが、やっぱり安心してというか、モチベーションを持ってしっかり仕事に取り組める姿勢というのは非常に大事なことだと思っておりますので、引き続いて、細やかな支援について心を砕いていただきたいと、このように思っております。  昨日、1都3県の緊急事態宣言について、再延長期限の21日を基準にして解除する政府方針が示されております。今朝も報道されております。一方で、新規感染者の数が依然として報告が続いている中で、今後、地方への影響について大変心配もされます。また、新型コロナ感染症の再拡大、あるいは今、新たに21都道府県に拡大していると思いますけれども、新型コロナウイルスは大変感染力が強いとも言われておりまして、変異株についての感染拡大も大変懸念されるところにあると思っております。  さらには、アフターコロナ、いわゆるコロナが一定の収束を見た以降も、これは新たな感染症発生にも備えるといいますか、新興感染症に対応できるような医療提供体制について、やっぱり強化して備えておくということは非常に大事と思っております。  そうした観点から、具体的に体制整備について、順次、石黒厚生部長にお伺いするわけですけど、まず、疫学的調査、そして研究の拠点でありました県の衛生研究所の体制の現状と今後の体制強化に向けた新年度以降の人員配置の考え方について伺いたいと思います。 110 石黒厚生部長 地方衛生研究所につきましては、県民の生命と健康を守り、暮らしの安全の確保を図る、科学的・技術的中核機関でございます。  本県におきましては、研究企画部、ウイルス部、細菌部、化学部の4つの部門に獣医師、薬剤師、臨床検査技師など29名の研究職員を配置し、試験検査や調査研究などの業務を行っているところでございます。  今般の新型コロナウイルスの感染拡大に際しましては、昨年4月に検査に携わる職員を臨時的に増員するとともに、7月には国立感染症研究所の勤務経験もあります富山大学の准教授をウイルス部長として採用したほか、PCR検査機器等の増設によりまして、検査・分析体制の強化を図ってきたところでございます。  また、来年度には、国立感染症研究所が実施する実地疫学専門家養成コースの研修に研究員1名を派遣し、感染症の流行・集団発生時においては、実態把握及び原因究明を迅速・的確に行い、平常時には質の高い感染症サーベイランス、調査研究のことでございまして、平常時には質の高い感染症の調査監視が実施できますよう、職員の専門性を高めることとしております。  衛生研究所の今後の体制につきましては、今般の新型コロナの経験等も十分に踏まえつつ、引き続きその強化の在り方について検討してまいります。 111 井加田委員 しっかりと専門的知見に基づいた対応ができるように、機能強化に努めていただきたいと思っております。  厚生センターについてもお伺いいたします。  4月から増員というのは7人ということで予算計上もされていますけれども、やはり当初の厚生センターは本当に限られた方が夜も携帯電話を持って備えているような、大変逼迫した状況というのがあったと記憶しております。ぜひスピード感を持って適切な対応ができるように、正規職員をもって人員体制確保を図っていくべきと考えるものであります。  増員対象の職種と配置の考え方について伺います。来年度以降も人員体制継続に向けた予算措置も必要だと思っております。 112 石黒厚生部長 国におきましては、保健所で感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な人員体制を強化するため、令和3年度から2年間で現行の1.5倍に増員するために必要な地方財政措置が講じられることとされております。  これを踏まえまして、本県におきましては、最前線で新型コロナ対応に当たっております各厚生センターの保健師の定数を来年度に合計7名増員いたしまして、体制を強化することとしております。定員が増えた分につきましては、正規職員で補充できますよう、保健師の確保などに努力してまいりたいと考えております。  また、この増員と併せまして、新型コロナへの対応といたしまして、大規模な集団感染が発生した際には、まず、厚生センター相互に人的支援を行い、必要に応じて、本庁も含めて全庁的に人員を融通するほか、県のみでの対応が困難となった場合に備えまして、県内市町村から保健師など専門職の応援派遣を受けることができるよう、去る1月19日に協定を締結したところでございます。  加えて、国では、都道府県間の保健師等の応援派遣制度や保健所支援に協力が可能な専門職を臨時的に活用する新型コロナウイルス感染症対応人材バンクが運用されているところでございます。増員分の保健師確保はもとより、感染が再拡大した場合に備えまして、新型コロナへの対応能力を十分に整え、県民の健康を守る厚生センターとしての役割をしっかり担ってまいるために取り組んでまいります。 113 井加田委員 確認なんですけれど、4月当初から7名の保健師増員ということで、正規職員の確保に努力をするという内容だったと思いますけれども、4月当初からちゃんと人員がそろうような状況になっているんでしょうか。4月から欠員というのはあってはならないと思いますけれども。確認でございます。 114 石黒厚生部長 今、御答弁申したとおり、定数として7名増員いたします。その定員を正規職員で全部補充できるかどうかは、すいません、今も含めたそういう取組の努力の最中でございます。ですから、これにつきましては、採用の動向や退職者の動向、あるいは会計年度任用職員の採用などいろんなことを含めまして、対応してまいりたいと考えております。 115 井加田委員 しっかり早い段階で正規職員でそろうということを、要望しておきたいと思います。  次に、新年度県予算にコロナ病床確保の継続、そして医療機関等への設備整備への支援など、引き続いてコロナ対策費が大幅に盛り込まれております。医療機関等に対する十分な財源確保と人員体制の強化は依然として求められていると思いますけれども、医療体制確保に向けて、令和2年度の状況を踏まえて、新年度予算案に継続して盛り込まれた施策、そして今後検討すべき課題について、部長にお伺いいたします。 116 石黒厚生部長 医療提供体制の確保につきましては、新年度におきましても、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等を活用いたしまして、これは今年度からの継続ということにもありますが、約430のかかりつけ医等の身近な医療機関で診察、検査を行う体制を継続すること。そして、入院につきましては、病床確保計画に基づき、平時で73床、患者の増加において最大500床を確保すること。コロナ患者受入れ医療機関等における人工呼吸器などの設備整備を促進すること。さらに、軽症者等の宿泊療養施設については、100人から200人を収容できる施設を確保することなど、これは今年度も言いましたとおり行っておりますが、引き続き継続して行い、万全を期してまいりたいと考えております。  一方、全国的には、医師や看護師の処遇改善や医療機関の経営安定化、医療従事者などエッセンシャルワーカーの家族の保育や介護の確保など、様々な課題があると考えられておりまして、こうした点は全国知事会の緊急提言にも盛り込んでいただき、国に対して働きかけを行っているところでございます。  また、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金は、今ほども申しました、活用期間が一応本年9月までとされておるところでございます。10月以降の対応につきましては、今後の感染状況等を踏まえて検討するとされていることから、これまでの各種施策の在り方や財源確保について、国の動きも注視しながら検討する必要があると考えているところでございます。  今後とも、医療提供体制の確保に向けまして、必要な対策の実施や、あるいは財源の十分な確保などにつきましても、全国知事会との連携をはじめ、あらゆる機会を通じて国に対して要請をしてまいります。 117 井加田委員 今後の感染動向も見てということだと理解をいたしました。  医療提供体制の確保と併せて、やっぱり必要な職員の確保というのは非常に大事だと思います。安心して働ける環境づくりということを申し上げておりますけれども、感染症対策で必要となった職員、この方たちの雇用継続も含めて、医師や看護師、医療技術職の大幅増員が必要となっている状況があるのではないでしょうか。そうした意味も含めて、体制強化について、部長の答弁を求めます。 118 石黒厚生部長 まず、医療機関の第一線の現場におきまして、新型コナウイルス感染症対応のために、感染対策を行いながら業務を行っておられます医療従事者の皆様には、本当に大変な御苦労をおかけしているところでございまして、これに対して深く感謝を申し上げているところでございます。  県といたしましては、こういう医療従事者の方々の皆さんの負担に報いるため、患者と接する医療従事者等に対する1人20万円の慰労金の支給、あるいは、自宅に帰れない医療従事者に対する宿泊地の支援、自宅に帰らず宿泊された医療従事者に対する激励金の支給などのいろんな支援に取り組んできたところでございます。  また、医療機関に対しましては、富山県医療勤務環境改善支援センターによるアドバイザーの派遣や研修会の開催、アンケートの実施などによりまして、医療従事者の皆さんが健康管理など、安心して働ける環境づくりを支援しているところでございます。  お話にありました医師や看護師を直ちに大きく増加させることは非常に難しいことでございますけれども、やはり県といたしましても、富山大学や金沢大学医学部における特別枠の設定や、あるいは医学生や看護学生の皆さんへの修学資金の貸与、あるいは、一旦離職された方、離職して免許を保持されている方への再任用の支援などに引き続き取り組みまして、総合的な医師、看護師の確保対策に取り組むこととしております。  県といたしましては、医療提供体制を支えるために必要な医療従事者が十分に確保されますよう、これは本当に大学や公的・公立病院、医師会、看護協会など、いろんな関係機関と連携しながら一生懸命取り組んでまいります。 119 井加田委員 同じく、急に増やせと言われても出てこないわけでありまして、やっぱり日頃の状況から必要な人員をしっかり養成確保していくという、こういう考え方が非常に大事だと認識しております。  続いて、先ほどの病床確保の話でございますけど、県立中央病院についてお伺いします。  御存じのように、県立中央病院は、高度医療、そして専門医療を提供する本県の中心的な病院でございます。コロナ禍においては、一方で富山医療圏における感染症患者の受入れもこれまた中心的に担ってこられました。  感染症患者の受入れ体制確保の考え方について、この間の議会答弁でも、県の病床確保計画においては、重点医療機関に県内の7病院が指定されていますけれども、フェーズ1の段階では73床、うち重症12床でございます。そして、それから入院患者数が20名を超えたときにフェーズ2へ移行し、数字上は134床、重症病床は変わらずとなっています。そしてまた、さらに入院患者数が40名以上となったときにフェーズ3ということで、数字上は340床で重症病床は36床確保という計画になっています。そして、500床規模確保が必要なときに、重点医療機関以外の協力医療機関で合わせて160床確保する、こういう計画になっていると認識しています。  病床確保事業によりまして、県内の19の協力医療機関を対象に、1日当たり平均、数字上は282床ということで、確保されていることになっているわけですけど、実際には、フェーズ3の段階までは、県が指定する重点医療機関である7つの病院で282床規模の確保計画が最大確保数になっていると認識しております。  とりわけ、感染症の発生が集中しました富山医療圏の高度・専門医療を担っている重点医療機関に入院患者が非常に集中して、医療スタッフへの負担も集中していたのではないかということも推察されます。  コロナ対応によって、県立中央病院の入院・外来患者数、手術件数、救急受入れ件数などは、全て前年度を下回っております。第1波、第2波、第3波ともにであります。特に、第1波は下回っていたと思います。必要な医療を受けられなかった方々もいらっしゃいます。  コロナ禍の影響を受けた県立中央病院の医療機能の現状について、まずお聞きしたいわけですけれども、コロナ感染症受入れ病床については、協力医療機関全体で機能分担をする。そして、感染症患者受入れの負担を分散することも必要ではなかったかと考えるわけですけど、厚生部長にお伺いいたします。 120 石黒厚生部長 まず、県立中央病院の状況について、お答えいたします。  新型コロナの感染が拡大した昨年の4月以降でございますけれども、県立中央病院におきましては、外科等の学会の指針に基づき、一部の急を要しない手術を抑制したほか、他の医療機関からの紹介患者の減少、あるいは患者の受診控え等による入院・外来患者の減少などの影響がございました。これは今もずっと続いておりまして、前年に比べて、いろいろ診療科や手術によって差がありますが、やっぱり1割前後は減少しているところと考えております。  これにつきましては、やはり重点医療機関として、コロナ患者を受け入れておられます他の病院についても、状況はおおむね同様のものと認識しております。  委員からお話がありました、昨年7月に策定いたしました病床確保計画では、やはり医療資源を集約化することにより、効果的な治療の実施の観点も考えまして、新型コロナウイルスの感染者は、原則として、感染症指定医療機関であります県立中央病院等の重点医療機関で入院治療を行うこととしたところでございます。その他の協力医療機関につきましては、重点医療機関の病床が不足した場合に入院を受け入れていただくこととしておりまして、それまでは各医療圏における、やはりそれぞれが地域医療の拠点でございますので、コロナ患者以外の患者に対する診療体制を維持していただくことが適切と考えたところでございます。  現時点におきましては、軽症者や無症状者のための宿泊療養施設等を積極的に活用していることもございまして、こうした病床運用については、適切に機能しているものと考えているところでございます。  引き続き、これにつきましては、県内の医療機関それぞれが、適切な役割分担、機能分担を行いながら連携し、新型コロナ患者の療養に必要な医療提供体制の維持継続に努めてまいります。 121 井加田委員 コロナ重点ということ以外にも、医療全体の水準をどう保っていくかということも非常に大事な視点であるということも申し添えておきたいと思います。  入院加療の拠点となっています、公立・公的病院の病床確保の考え方は、今ほどの重点医療機関ですよね。よく部長の答弁では、いつも平時73床とおっしゃっています。何回かおっしゃっています。この平時というのはどのようなときなのか、73床確保の理由も含めてお聞きいたします。 122 石黒厚生部長 昨年7月に病床確保計画の策定を行いましたけれども、この策定に際して、感染者がほとんど確認されない平時の段階においても、クラスターの発生等により突発的な患者の増加が起こり得るかということも想定いたしまして、各医療圏の重点医療機関に対して、いつでも新型コロナ患者を受入れ可能な病床数を一定数確保することについて要請を行ったところでございます。これに対して、7つの病院で合計73床、これは確保していただけるという回答を得たところでありまして、平時73床という体制をつくったものでございます。  その他の協力医療機関を含む関係医療機関につきましては、先ほどお答えしたとおりなんですけれども、新型コロナの患者数が少ない段階では、必要以上に多くのコロナ用の病床は確保しない、他の疾病に対する医療のために病床を使用していただく一方で、新型コロナの患者が増加した場合には、段階的に最大500床までのコロナ用の病床を確保していただくということにより、宿泊療養施設の活用と併せまして、新型コロナに対する医療提供体制の整備を行うものと考えております。  先ほどもお答えしたとおりですが、今後もやはり患者数の増減、あるいは感染症の発生状況等に応じまして、医療機関と緊密に連携して病床の確保を図り、適切な受入れ体制を今後も構築してまいります。 123 井加田委員 都度都度こういった考え方は確認をしてまいりましたので、私どもは理解をさせていただいておりまして、確保していただいているという思いですけれども、一般県民の方たちは、やっぱりなかなかその辺のところはどこで対応されているのかというのが分かる機会が本当はないんじゃないかなと思っております。こういう機会にしっかりPRといいますか、体制は万全であるということも発信していただければと思っております。  併せて、引き続き、今回のコロナ禍における経験を踏まえて、地域医療の核となる公立・公的病院が今後も十分な役割を果たせるように、県として継続した体制強化も必要と考えております。どのように取り組まれるのか、しつこいようですが、部長にお伺いします。 124 石黒厚生部長 県におきましては、来年度、健康課を拡充改組して、新たに50人規模の健康対策室を設置いたしまして、医療機関との入院調整なども含めまして、新型コロナ対策の体制を強化することとしております。  また、新型コロナ患者を受け入れる医療機関に対しましては、引き続き、人工呼吸器や簡易陰圧装置などの整備費用や空床確保料を支援するとともに、軽症者の宿泊施設につきましても、引き続き確保することとしております。  また、医療機関の医療用物資につきましても、定期的にそれぞれにおきます配備状況を把握するとともに、万が一の事態に備えまして、現在も行っておりますが、マスクや防護服などの備蓄──これは県のほうにおいて約2か月分備蓄を持っております──についても継続することとしております。  加えて、医師や看護師を対象に、院内感染の専門家によります研修会を開催し、それぞれの医療機関において感染防止対策の中心的な役割を果たす人材の養成を進めますとともに、重症患者の診療や医師が感染した場合の応援医師や、クラスター発生時の災害派遣医療チームの派遣支援など、引き続き医療人材の育成確保に取り組むこととしております。  今後とも、地域医療の核となります公立・公的病院が、コロナ禍においても十分にその地域医療を支える役割が果たせますよう、引き続き医療提供体制の確保に努めてまいります。 125 井加田委員 ありがとうございました。医療提供体制の確保と、県において50人規模の対策室ということで、一体となって進められるということですので、ぜひワンチームでそれこそ対応いただきたいということをお願いしておきたいと思います。  振り返ってみますと、1年前の2月定例会、私は一般質問で感染予防・蔓延防止のためのPCR検査の体制拡充とか、医療・福祉施設などの従事者への安全確保の支援について取り上げさせていただきました。以来、6月定例会の予算特別委員会では、今度は第2波、第3波に備えた検査・医療体制の強化の必要性についても触れさせていただきました。それ以降も、9月定例会の一般質問、厚生環境委員会でも度々コロナ対策を中心に、石黒厚生部長には本当にしつこくしつこく質問させていただいて、最も多く答弁に立っていただいたと思っております。部長をはじめ担当課の皆様の御奮闘に感謝の意を表明しながら、今後の御活躍に期待をいたして、次の質問に入りたいと思っております。ありがとうございました。  では、大きな質問、組織改編とジェンダー平等の視点について5問、質問を準備しております。  まず、1問目と2問目は知事にお伺いしようと思っております。  まず初めに、副知事を複数体制とする意図、目的について改めてお伺いしたいと思います。  方針の中にも、多様化する県政課題にスピード感を持って柔軟に対応する。そして、各方面とのパイプをより強固にする。県内企業における女性管理職登用に取り組む。知事の権限の一部移譲などの考えは示されているところで、議会答弁でも度々示されました。  私は、女性副知事が誕生することの意義は大変大きいと思っておりますけれども、なぜ中央官庁なのでしょうかという素朴な疑問を持っております。女性を含めて、県職員として経験を積まれた幹部職員がたくさんいらっしゃる中で、行政課題に精通している県庁幹部からの適任者を選ぶということは、知事はお考えにならなかったのでしょうか。  初の副知事が女性であるということの意義は大きいわけですけど、今ほどの素朴な疑問に、まずお答えいただければと思います。新田知事、よろしくお願いします。 126 新田知事 御指摘の点を申し上げると、女性の副知事について、現に県職員の方々も含めて登用を検討しました。私としては、現時点の考え方として、県政のマネジメントや政府などとの折衝において、私自身が民間の出身ですから、支えていただく副知事には、県庁と国政、それぞれにおいて豊かな行政経験を有する方を登用したいと考えました。  そのようなことで、今のところ、農林水産省から御推薦のある女性をお1人起用する、そしてもう1人は県庁のプロパーの方を起用する、そのような2人体制を考えているところです。改めて、今定例会において候補者を提案させていただきますので、何とぞ御理解をよろしくお願いいたします。 127 井加田委員 私は今ほども申し上げましたけれども、初の副知事が女性であることの意義は大きいですけれども、複数配置と女性の活躍とは、これはまた次元がちょっと違うんじゃないかなと思っております。その後、11日に、固有名詞は避けますが、初の女性教育長の登用も報道されておりますけれども、責任ある立場への女性の登用を進めることも大事だという認識は持っております。  併せて、県職員の女性管理職員比率についてなんですけど、女性副知事が女性活躍のシンボル的存在ではなくて、副知事としての活躍を私は大いに期待したいと思っておりますけれど、今ほどもちょっと触れられましたけど、一方で、幹部職員、管理職への女性職員の登用は、積極的に図っていくということは大変重要であります。  富山県の20代女性の県外への転出傾向は依然として高く推移しております。身近なところの私の周りでも、若い女性が、この富山は男性優位の社会慣行が根強くて、女性に対してはちょっとおりにくいところだという感覚を大変持っていると非常に感じております。富山県では女性が評価されにくいと思い込んで、県外の学校や就職先を目指す女性たちの声も少なくないなと日頃感じております。  こうした富山県の女性管理職比率を近い将来において半分程度に引き上げるために、責任ある立場の幹部職員への女性職員の登用を積極的に進めていくべきと考えるものであります。  県が積極的に女性登用に取り組むことで、力を発揮しようと考えている女性職員が研さんを積んで責任ある立場を引き受ける、そのことの自信にもつながっていくとも考えております。  また、富山県が女性登用に非常に積極的に取り組んでいるという姿勢が内外に知れれば、地元で頑張る女性、そして県外へ進学してもUターンしてくる女性たちが増えることにもつながらないでしょうか。新田知事の御所見をお伺いいたします。 128 新田知事 男女共同参画基本計画をつくる段階で、有識者の会議がありました。その場でも、有識者から、地方ではやはり男性と女性の扱い方にまだまだ差があるようであると。ですから、富山県がとりわけ悪いとは思いませんが、地方ではまだそういった傾向が残っていることは、政府の審議会でも指摘をされているところです。これはやっぱり変えていかなければならない。  令和2年4月時点の知事部局における女性の管理職は67名で、全管理職に占める割合は15.2%。これは全国で第7位と高い水準になっています。今後、人口減少時代において多様化する県政の課題にスピード感を持って対応していくためには、男性、女性を問わずですが、職員一人一人の活躍がますます重要になるという観点で、女性職員も積極的に登用することが適切だと考えています。  このため、新たに女性管理職の割合を、令和7年4月までの5年間で25%以上とする目標を設定したいと考えます。井加田委員からは半数にという御意見でしたが、母数となる職員の女性の割合が34%であることを踏まえて、まずは25%を目指すということで御理解いただければと思います。  その上で、目標達成に向けて柔軟な働き方ができる勤務環境を整備する。また、男性職員の育児参加の促進をする。県庁内保育所の整備に加えて、行政のデジタル化による業務効率化などに取り組み、男女ともに魅力的で働きやすい職場環境をつくり、意欲と能力のある男性、そして女性が今まで以上に育成、登用されるように努力してまいります。  また、県庁が率先して女性が活躍できる職場づくりを推進することは、県内民間企業の取組にも必ずや波及していくと信じています。富山県内で働きたいという女性が増えるということにつながっていけばと思います。  今後とも、積極的な富山県庁での女性職員の登用をはじめ、女性活躍を推進してまいります。 129 井加田委員 今ほど、令和7年4月までの5年間で、思い切って25%達成という目標を掲げていくという表明だったと思っております。母数となる職員の比率に近づけるという意味での将来的には半数という言い方をしたので、その辺はちょっと受け止めていただきたいと思っております。引き続き、女性を支援する、そうした体制といいますか、考え方についてはしっかり基本に置いていただきたいなと思っております。  それから、次に、組織改編で新設される働き方改革・女性活躍推進室についての質問でございます。  新年度からの組織改編が進められていますけれども、総合政策局知事政策局となります。その中に、5つの室と課ということで、成長戦略室はよく出てきますが、34人体制です。デジタル化推進室は34人体制、働き方改革・女性活躍推進室は15名体制ということで再編をされております。  知事の重点政策の中に掲げておられる政策では、女性活躍の推進・子育て環境の充実に向けては、今ほどの女性管理職割合の引き上げ、それから、男性の家事・育児参加促進キャンペーン実施なども掲げられているところであります。働き方改革ラボという、ちょっと私には目的がよく理解できない、そうした設置もされるようでございますけれども、これまでの体制では一体何が課題であったのかなということを素朴に思っております。  一言で女性活躍といっても、今ほどのように管理職比率を上げるだけでも大変な作業です。それから、その上に、これもまたなかなか見えてこない働き方改革でも実績を上げなければいけない。少子化対策もここに入っておりますよね。少子化対策も大変必要な中で、以前の体制よりも若干減らしての15人体制と認識しておるんですけど、こうした新しい体制にどんなことを期待されているのかなということもまた素朴に感じております。  少子化対策も大変容易ではない中で、ジェンダー平等の視点も弱くて、何か理念だけがちょっと先走っているんじゃないかなとも見えてくるわけでありますけれども、何が課題であり、新しい組織に何を期待しておられるのか。滝経営管理部長に質問させていただいております。よろしくお願いします。
    130 滝経営管理部長 今ほど委員から御指摘がございましたとおり、今回の組織改編では、働き方改革や女性活躍等の推進に関しまして、知事政策局に働き方改革・女性活躍推進室を新設して、少子化対策・働き方改革推進課と女性活躍推進課の2つの課の体制で取り組むということにしたところでございます。  現行の体制におきましては、少子化対策・県民活躍課というところで、例えば、子育ての支援でありますとか、NPO等のいわゆる県民活躍といいましょうか、そういった分野まで幅広く1つの課で所管しておりました。ただ、やはり今般のこの働き方改革、女性活躍を強力に推進していこうという観点を踏まえまして、現行の少子化対策・県民活躍課で担当していました子育て支援やNPO等の施策につきましては、例えば、生活環境文化部などの関連する部局に移管をして、働き方改革や女性活躍等に今まで以上に集中して取り組める体制を整備したところでございます。  新たに設置いたします少子化対策・働き方改革推進課におきましては、少子化対策の総合調整を行いますとともに、県庁が率先して様々なテクノロジーを活用した働き方改革を実施する。その実施の仕方につきましては、まさに働き方改革ラボということで、いろんなことを実験的に行いながら、一番よいといいましょうか、それぞれの組織、あるいはそこで働く方々にとって望ましい働き方というのをいろいろ試行してみて、よい事例があれば、それを民間、あるいは県内の自治体にも波及させて、県全体として働き方改革を後押ししていこうという狙いでございます。  また、女性活躍推進課におきましては、富山版のえるぼし認定制度をはじめといたします官民連携による女性活躍や、社会全体における男女共同参画の推進などに取り組むこととしているところでございます。  県の行政では、いずれにしましても部局横断的な取組というのは大事になってございますけれども、特に、この働き方改革、女性活躍推進につきましては、新年度、部局横断的な推進体制を強化する必要があるということで、この知事政策局の下にこの2つの課を設置したところでございまして、ジェンダー平等の視点も踏まえまして、少子化対策や働き方改革、男女共同参画の推進に向けた取組につきまして、民間企業等の取組にもつなげていけるように努力してまいりたいと考えております。 131 井加田委員 午前中の瀬川委員への答弁では、知事の答弁で業務の平準化といった言葉もちょっと出てきておったわけですけども、業務の平準化というよりは、いわゆる各部局横断的に取り組む体制へ強化されているということの御説明と理解してよろしいんでしょうかね。「うん」と言っておられますので。それでは、ありがとうございました。  次の質問は、審議会の関係でございます。県の審議会における女性委員比率の現状と目標、そして課題について伺うものであります。総合政策局長にお伺いいたします。  県の審議会等の設置及び運営に関する要綱を見たんですけれども、構成人数は原則25人以内、女性を積極的に活用し、富山県の男女共同参画計画における女性登用目標比率を達成するように努め、新設または改選の前に関係部課長に協議をする、このようにありました。  また、同一の者が多数の審議会等の委員を兼職することがないよう、就任年数は原則10年以内、幅広い年齢層から選任をする、いわゆる50代以下の委員が全体の2割程度と記載してございました。  そしてまた、公募は全ての審議会で行っている状況にはございませんけれども、公募を行う場合は広く県民に周知すること、このような記載がございました。  まず、女性の登用について伺いますが、令和2年4月時点で、これはホームページ上でも掲載されておりますけど、132の県の審議会が設置されております。今回、女性比率がどうなっているのかなということをちょっと調べさせていただきました。  まず、審議会には、条例による設置と要綱による設置と2種類あるようであります。前者、条例による設置については、女性割合は全体で35.6%でございました。要綱設置の審議会については、女性割合が18%です。合わせれば全体で30.4%の女性比率となっているということであります。でも、これは去年の4月の数字で、たしか2年前はもう少し女性比率が高かったように思います。ですから、女性比率は後退しているなというのが実感であります。  先ほど職員の半数を目指すと申し上げたんですけど、審議会においても、基本的には、女性比率については半数を目指すべきと考えているわけですけれども、実際には、先ほども言いました比率にもありますけど、女性が1人も入っていない審議会というのも一定程度見受けられます。なぜ女性が入っていないのかなと、ちょっとこれも素朴に疑問を持ちました。  一方で、これは男性、女性という言い方は避けますけれども、同一の方が長期にわたって幾つも委員を兼職している、そうした実態も見受けられます。幅広い年齢層からの登用という点でもちょっと問題があるのかなとお見受けいたしました。  女性比率を高める委員構成については、公募枠によって幅広く女性が参加できるように、例えば、希望する人が有給をとって参加できるような環境整備も、また必要ではないかなと思うわけですけれども、新年度から県の組織機構が大幅に見直されることもありまして、この県の審議会の在り方についても、女性比率の引上げも含めて、前段で説明いたしました設置要綱に照らし合わせた見直しも必要になっているのではないかなと思いもいたします。柿沢総合政策局長の所見をお伺いいたします。 132 柿沢総合政策局長 県の審議会等における女性委員の割合ということでございます。本県の男女共同参画計画におきまして、女性委員につきましては半数を目指すという観点から、2021年度末の目標というものを定めておりまして、40%以上、60%以下という目標にしております。この考え方と申しますのは、男女のいずれか一方が4割を下回らないという考え方で目標を設定していることから考えますと、男女ともにその半数を目指しているという考え方になってくるかと思います。  それで、これに対しましてその現状ということでございますけれども、今ほど委員のほうから御紹介がございましたその率と、私どもが把握しておる率が若干違うんですけれども、私どものほうで整理いたしております数字のほうを申し上げますと、令和2年6月1日現在ということで、審議会の数は107審議会で、委員が1,477名、女性委員が575名で、女性割合は38.9%を現状の数字として理解をいたしております。  この目標につきましては、今ほど御紹介で申し上げましたとおり、目標とするその40%以上、60%以下という目標には達していないという状況でございます。  これについての課題ということも考えておりまして、その原因といたしましては、関係の団体によりましては、会長、副会長などの役員の中に女性がいない団体もあるということ。また、医療、防災、土木、法律などの分野におきましては、女性が少ないということ。こうしたことなどが課題となりまして、結果として目標に達していないという状況になっているということがあります。  このため、県でのこれまでの対応でございますが、委員の選任につきましては、男女共同参画担当課へ、事前に協議を行うということにしております。また、関係団体に対する女性人材の掘り起こしを、各担当課を通じましてお願いをさせていただいておるということなどを行ってきております。  さらに、今年度から目標の達成が困難な審議会などに対しましてはヒアリングを実施するということで、それぞれの所管課への働きかけを強化する取組を実施しているところであります。  その結果ということですけれども、先ほどちょっと御紹介申し上げましたその比率、今年度、2020年は38.9%であったんですけれども、5年前ということを振り返ってみますと、2015年が37.3%、昨年、2019年は38.8%、今年が38.9%ということで、少しずつ女性委員の数は増加してきているということでございます。これが1つであります。  それから、審議会の要件がいろいろ定められていて、在り方であるとか必要性を考えるべきではないかという御質問もいただいております。こちらにつきましては、その要綱を基にしまして、審議会等の設置を、委員の選定も行っておるところでございますけれども、それにつきましても、各部局におきまして、随時その在り方や必要性につきまして十分検討しまして、設置、廃止等を行ってきているところであります。  先ほどから説明させていただいております審議会等での女性委員の割合というところでは、特に意を配しておりまして、今後、庁内各部局に対しまして、これまでにも増しまして粘り強く女性委員の登用を働きかけまして、目標値の達成に努めてまいりたいと考えております。 133 井加田委員 ありがとうございました。引き続いて、設置要綱に照らし合わせて運営を図っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  最後の質問でございます。知事にお伺いします。  昨年11月、富山県議会において、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書の批准及び国内法制の整備を求める意見書」について、全会一致で採択をさせていただきました。県内でも、こうした採択をきっかけに、男女共同参画計画づくりに向けた議論が活発化をいたしております。前進への期待も広がりつつあります。  昨日、同性婚を認めないのは憲法違反だという画期的な、札幌地裁での判決も示されて、マスコミをにぎわしておられますけれども、本当にジェンダー平等というのは、男性も女性も多様な性を持つ人も、その人の人権が尊重され、平等に能力を発揮できるようにするということでございます。2030年度までに達成すべきSDGsの17の持続可能な開発目標の一つにも掲げられているところでございます。  先進国の中でもジェンダーギャップ指数が最下位の日本において、このジェンダーギャップの解消というのも大きな課題となっています。  選択的夫婦別姓制度をめぐっては、最近、50人の国会議員の連名で地方議会に別姓導入を求める意見書を採択しないようにしてほしいとする文書が42の道府県議長宛てに送付されたということが明らかとなりまして、丸川男女共同参画担当相が50名の有志に加わったことも不適切だと国会内で波紋が広がりました。これは地方議会への圧力ともとられかねず、採択しないように強制することでもないということは明確でございます。  別姓導入に反対する理由について、家族の絆が損なわれ、子供に悪影響が及ぶというものでありますけれども、昨今の家族の形が多様化している中で、結婚後の改姓がキャリアの断絶や自己喪失感につながり、社会進出と活躍を目指す多くの女性の足かせとなっていることをいかに解決するかということが問われていると思っております。  これは誤解のないように申し上げると、結婚したら夫婦は同じ姓を名のるという現在の制度に、女性が合わせるというのが圧倒的に多いわけですけれども、それに加えて、希望する御夫婦には、結婚後にそれぞれの姓を名のることを認めましょうという内容であります。それが選択的夫婦別姓制度であって、先進国の中でも日本以外に夫婦同姓を義務としている国はないわけであります。旧姓使用では通称使用というのもありますけれども、限界もございます。世論も圧倒的に多くは別姓導入を支持している世論となっているわけであります。 134 平木副委員長 井加田委員、持ち時間が少なくなっております。 135 井加田委員 はい。  昨年2月定例会で、火爪議員が選択的夫婦別姓の法制化について知事の見解を求められたんですけど、その際の答弁は、婚姻制度や家族の在り方と関係する、世論調査などを実施しながら、国民の幅広い理解の下に進められるべきと素っ気ないものでした。  新田知事には、当たり障りのない素っ気ない答弁ではなくて、時代の変化を読み取った、それこそワクワクするような答弁を期待して質問といたします。知事、よろしくお願いします。 136 新田知事 少し復習から必要かと思いますが、選択的夫婦別姓については、平成8年に国の法制審議会において、その導入についての民法改正の答申がなされました。その後、国では、平成8年、22年に改正法案を準備されましたが、国民各層の意見がまとまらず、現在まで法案の国会提出には至っていないという流れです。  国の平成13年の世論調査では賛成が42.1%と、反対の29.9%を上回りました。その後、平成18年、24年の調査では賛否が拮抗、29年の調査では13年と同じ結果になるなど、今ほど委員は、もう賛成多数とおっしゃいましたが、必ずしもそういう状況ではなく、世論の動向は必ずしも定まっていないと見るのが自然ではないかと思います。  昨年12月に閣議決定された男女共同参画基本計画において、夫婦の氏の在り方については、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進めるとされたところであります。  選択的夫婦別姓制度の導入については、婚姻制度や家族の在り方と関係する重要な問題であることから、国において引き続き世論調査なども実施しながら、国民の幅広い理解の下に進められるべきと考えており、ワクワクしないかもしれませんが、この話題はワクワクすることではないんじゃないかと私は思います。文字どおり、婚姻制度や家族の在り方と関係することなので、私は政治イシューにすべきではなく、もちろんこういう地方議会の場で大いに議論することも大切、また、夫婦そのもので話し合う、あるいは御家庭内で子供を交えて話し合う、さらに、企業の中でも話し合う、本当に国民の各界各層、いろんな場において議論を深めていって、そこでだんだんと収束させていく、それぐらいやっぱり大きな問題ではないかと思っています。  なお、旧姓の使用ということについては、住民基本台帳法施行令などが改正され、令和元年11月から住民票とマイナンバーカードに旧姓が併記できることになりました。各種の契約や銀行口座の名義に旧姓が使われている場合の証明に使うこともできる、就職などの場合に旧姓で本人確認ができるようになったということ、さらに、男女共同参画基本計画において、旧姓の通称使用の拡大や周知に取り組むともされています。こうやってだんだんと機運が高まっている状況にはあると思います。  今後、県としての対応としては、こういう情報収集にも努めて、県民の皆さんに適時適切に情報も提供して、県民の中でも議論していければと考えております。 137 平木副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時22分休憩                     午後3時34分開議        米原蕃委員の質疑及び答弁 138 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  米原委員。あなたの持ち時間は60分であります。 139 米原委員 それでは、今日のラストバッターというか、一般質問、予算特別委員会の最後の質問者ということになるわけですけれども、今日はコロナ後の富山県の未来像について、知事をはじめ皆さんと一緒に考えてみたいと思っております。  3月11日、東日本大震災から1週間ほど経過いたしましたけれども、早いものでもう10年の歳月が流れてまいりました。2万2,000人を超える方々がお亡くなりになったということ、いまだに行方不明の方もいらっしゃるということでありますけれども、改めて皆様に御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、現地の皆さんも大変な思いをされていらっしゃると思いますが、心からお見舞いを申し上げたいと思います。  元富山県の総務部長をされておられた岡本全勝さん、御存じの方もたくさんいらっしゃると思うんですが、先般、3月のこの東日本大震災の日に新聞に、北日本新聞だったと思いますが、大きく報道されておりました。復興庁の事務次官をお務めになって、指揮を執っておられたわけでありますけども、そういったことも報道されておりましたので、私、久しぶりに岡本さんにお電話をいたしました。息子さんの結婚式にも出られなかったというような話もされておられましたけれども、大変な思いをされておられたと思います。改めて今日までの御労苦に敬意を表したいと、そんな思いを持たせていただきました。  また、NHKでもこの報道が示されておりましたので、大変この中身は、10年たったけども、決して忘れてはならないし、これからも末永くこの現実と向き合っていかねばならんと、こういうことであろうかと思います。  本県の橘慶一郎代議士でありますけども、復興副大臣を2回就任されました。大変な大役を果されたと思います。  そしてまた、今日滝部長さんの後ろに座っていらっしゃる財政課長の滑川さんも、この間新聞に報道されておりましたけども、たくさんの方々が被災地に赴いて、いろいろな大変な御苦労をされたことを新聞報道で知りました。その後も今日まで、現地の皆さんと親しく交流を続けておられるということも出ておりましたので、皆さんそれぞれ本当に大変な御苦労をしてこられたんだなと思います。  私どもも現地へ何度も赴いて聞きに参ったのでありますけども、まだまだこれからも皆さんとしっかりと連携をしていかなければならんということを改めて感じた次第です。  さて、質問の本題でありますけども、昨年の11月に県議会定例会におきまして新田八朗知事が就任をされまして、富山県は新たな時代に移ったのではないかと思います。元知事の高辻武邦氏が仕事をされたこの県庁の建物でありますけれども、お孫さんの新田八朗氏に引き継がれて、令和3年度の予算編成と新たな組織再編によって今回定例会に臨まれたと思います。  歴代知事の時代は、決して順風満帆な時代ではなかったと思います。現在よりも最も厳しい時代を乗り越えてこられた時代ではなかったかと思います。  昨年から、世界中がコロナウイルス感染症によって、日本の経済もずるずると悪化をし始めました。倒産の多発、失業者の急増、そして最近、自殺者も急増し、富山県は残念ながらワースト3といいますか、昨年より大幅に増えているというニュースも入っておりまして、戦後最悪の経済情勢に陥るのではないかと懸念をされているわけであります。  このコロナによる大恐慌を何としても回避しなければならないと、いう思いが世界中にあると思うのであります。  新田知事は大変な時期に知事になられたなと、こんなふうに思うんです。コロナ感染、そしてまた35年ぶりの豪雪、雪は解けてしまいましたけれども、大変なパニックも起きました。そして地すべりもありました。鳥インフルエンザもありました。次々と災難が襲いかかってくる。我が県の経済において、近年、人口減少化の中で増加を続けていた雇用・税制にも陰りが出始めてきている、こういう状況にあろうかと思います。  しかし、世の中には「災い転じて福となす」という言葉もございます。今年は大きな転機として受け止めて、後で振り返ったときに、富山県は令和3年が転機の年であったと、新田知事のあなたのあのときの決断が富山県を変えたんだと言われるように、政策を思い切って実現してほしいと思うのであります。  この難局は大変よい経験をされていると思います。後々語り草になるように活躍を期待したいと思います。  さて、新田知事におかれましては、来年度の県予算でありますけども、6,335億円余となっております。政府はコロナ対策、経済対策にしっかりと対応していると私は受け止めますし、また皆さんもそう受け止めていらっしゃると思います。  したがいまして、コロナ対策、景気対策、大幅な増加によりまして、対前年比624億円の増となって、前年度の2月補正を365億円、14か月予算として6,700億円余の一般会計と、こういうことであります。特別会計を入れますと9,000億を超えて1兆円近い予算ということであり、過去最大の規模になったと思います。  コロナ感染、県内経済への支援、国土強靱化、コロナについては対策の成果が一日も早く出るように期待をするものでありますけれども、同時に知事がおっしゃるところのワクワク、そしてドキドキするような、県民から感じ取れるようさらに尽力をいただきたい、そんなふうに思います。  そこで、知事に伺いたいのでありますけども、富山県の発展、そして県民の幸せのために、知事はどのような心構えで県政運営に臨んでいらっしゃるのかまず伺っておきたいと思います。 140 新田知事 昨年の11月9日に就任をしてから、就任2日目でしたか、北陸新幹線の敦賀までの工事が大幅に遅れるというニュースが入ってきました。また、新型コロナウイルス感染の再拡大、そして、年明けの記録的な大雪、そして、委員の御地元でもある砺波での井栗谷での地すべり、さらに小矢部での高病原性鳥インフルエンザなどなど、県民の命あるいは暮らし、そして健康に関わる重大な事態が続いて起きてまいりました。これらの事案に対しまして、県知事として正面から向き合い、私としては適時適切に全力を挙げて取り組んできたというふうに考えておりますが、改めて県知事という職の責任の重さを痛感したところです。  しかし、これらの困難を乗り越えて、経験を踏まえて、県民の皆様の命と財産、そして暮らし、これらを守り、そして県民が豊かで安心して暮らせる社会の実現に取り組んでいく、その先頭に立って頑張ろう、そういう決意を改めてしたところでございます。  こうしたことから、当初予算案は県民の暮らしと命を守ることを最優先にしました。  一方で、ビヨンドコロナを見据えて、富山県の発展、そして県民の幸せに向けて種をまいていくことも大切な仕事だと認識をしております。その上で、富山八策、そして八十八の具体策、これに予算計上できるものは全てさせていただきました。この富山八策、そして八十八の具体策を一つずつ着実に進めていくことが、ワクワクする富山県づくりにつながっていくと信じてこれからも進んでまいりたいと思います。  さらに、先般立ち上げました富山県成長戦略会議は、今月も続けて開催をしますが、ここでは委員の皆様から、今後の富山県に向けた、突き抜けた議論を期待しているところでございます。そんなことを通じて、県民の皆さんの意見ももちろん聞きながら、ワクワクする富山県のために働いていきます。こういった決意をしているところでございます。 141 米原委員 いろいろと夢がたくさんあって、これからも八十八策を一つ一つ実現するというと大変でしょうけども、しっかりと取り組んで頑張っていただきたいと思います。  次の質問でありますけども、新型コロナ禍によって首都圏の本社機能、人口集中型の首都圏でありますけども、テレワークとかリモート会談、デジタルシステム化が大きく取り入れられているということであります。  首都圏の集中型から本社機能や人材は、首都圏に集中しなくてもよいのではないか、こういう意見が、私も県内いろんな方々にお尋ねをするんですが、もう東京に集中する必要はないと。新幹線もできたことだし、これからやっぱり富山を中心に考えるのも一つの考え方だということをおっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけであります。  したがいまして、徐々にこういうふうにこれから変わっていくのではないかというふうに実は思っているわけでございますが、首都圏から企業移転について、コロナのいろんな変化など、今日の動きもありましょうけれども、今後どのような本県の強みをアピールしながらこの移転につなげていくのかということについて、布野商工労働部長に所見を伺っておきたいと思います。 142 布野商工労働部長 首都圏からの本社機能の移転につきましては、地方拠点強化税制が設けられました平成27年度以降、昨年度までに4件の施設整備計画を認定しております。  今年度は、現時点で首都圏からの企業移転につながった事例はございません。しかし、新型コロナの感染拡大、それに伴うテレワークなどデジタル技術の活用が加速する中、首都圏等から、幾つかの企業からは、本社機能の移転等に関する御相談をいただいておる状況でございます。  お話にありましたけれども、日本経済団体連合会も、昨年11月に公表しております東京に本社を有する企業への本社機能移転等に関するアンケートをされておりますが、その結果では、東京からの移転を「実施」「検討中」「今後、検討の可能性あり」と回答した企業の割合が22.6%ということであります。コロナ禍前の2015年実施の同様のアンケートの結果では7.5%となっておりまして、比較して15.1ポイント増加しておるということであります。おっしゃるとおり、感染拡大を契機に、東京圏からの本社機能移転を検討する企業が増加している状況であります。  こうした動きを本県に取り込み、他県との誘致競争に勝ち抜くということで、新年度、とやまホンシャ引っ越し応援特別枠を創設させていただきたいと考えております。これは、企業立地助成の対象経費に、事業所の移転費のみならず、従業員の転居費、社員寮の設置費を追加して本社機能の移転を促進するものであります。  また、首都圏本部と緊密に連携いたしまして、首都圏企業への訪問活動の強化、そして企業立地セミナーの開催によりまして、県や国の支援措置を積極的にPRしてまいります。  お話がありました本社に進出された企業からは、災害の少なさ、そして日本海側屈指の工業集積、医薬品の周辺産業、公設試験研究所の充実など、本県の立地環境に加えまして、教育水準の高さですとか、勤勉で進取の気性に富んだ優秀な人材というふうに高い評価をいただいております。  こうした声、こうした本県の強みも積極的にアピールして、首都圏からの企業移転を一層促進してまいりたいと考えております。 143 米原委員 東京にそもそもこれだけの人が集中をするというのは、これは異常ですよ。人も物も金も東京に集中しているなんてことをずっとやっているから、コロナもなかなか終息しないんです。なぜそういうことをもっとしっかりと政府も、こういった問題をしっかり取り組まないのかなということを本当につくづく思います。皆さんも分かっていらっしゃる。だけど、どうも、今おっしゃる教育であるとか災害も少ない、こんな便利といいますか、恵まれたところはない、新幹線に2時間も乗れば東京へ行けると。こんなすばらしい地域は僕はないと思いますので、ぜひひとつもっともっとしっかりと中央のほうに向けて、首都圏へ向けてPRに取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、今、産業状況は、輸出産業が非常に改善傾向にあるようでございますが、サービス産業は大変厳しいということだと思います。  ビジット・ジャパン・キャンペーン、これに取り組んで観光立国を目指してきたのでありますけども、2020年までに大体4,000万人の方がインバウンドで海外から日本に入ってきて、迎え入れることができたと。そして、東京オリンピック・パラリンピックの誘致が決定した。これから、順調にこの目標に向けて推移して、日本は世界に冠たる観光立国になるのではないか、こんなふうに期待をしていた、見えたわけでありますけれども、ところが、昨年の2020年の訪日外国人は何と前年比87%も減少しており、411万人、これは極めて大変な状況になってしまった。  この数値を考えたときに、そんな簡単に、この4,000万人というものが400万人にまでも落ち込んで、そんな簡単に1年や2年で私は回復するとは思えない。やはり相当な時間を要するのではないかなというふうに実は心配をするわけであります。  本県におきましても、この新型コロナによるサービス産業、特に観光や宿泊の影響、タクシーやバスや飲食業、県はそれぞれの支援を一生懸命取り組んできておりますけれども、大変厳しい。施設の廃業、倒産、先般の報道にも出ておりましたように、もう店はこれ以上続けるのは限界だと、こうおっしゃっておられる情報もどんどん入ってきています。報道にも出ています。  県もいろんなことに支援をしてきたつもりでありますが、今後、この雇用の状況も併せて、どんなふうに今、富山県の現状を捉えていらっしゃるのか、中谷観光・交通振興局長の所見を伺っておきたいと思います。 144 中谷観光・交通振興局長 新型コロナの影響によりまして、昨年──令和2年1月から12月になりますが──の本県の延べ宿泊者数につきましては、令和元年に比べまして約45%の減、特に外国人については、今委員からもお話しありましたように約85%の減となっておりまして、観光宿泊事業者においては厳しい状況にございます。  それから、調査会社によりますと、昨年4月からこれまで、旅館業を営む施設について倒産は見られないとされておりますが、廃業した施設につきましては、令和元年度の22施設に対して、昨年の4月から本年の2月までにつきましては34施設と増加をいたしております。  また、県内の雇用情勢につきましては、全体として有効求人倍率、現在、少し上昇傾向にはございますが、求人の動きには弱さが見られるなど注意を要する状況にあるとされております。  今、委員からお話がありましたとおり、当面、訪日の外国人による観光需要というのは見込めないということでございます。  ただ、国内の方も外国へ行けないということがございまして、やはり国内の観光需要を確保していくということが大事なのではないかと思っております。  しかし、現在、国のGo Toトラベルの再開時期も不透明という状況になっておりますので、まずは居住地、近隣への観光──いわゆるマイクロツーリズムと言っておりますが──を推進するということで、現在、県民の皆さんを対象に宿泊割引を実施しているところであります。  先ほど災いを転じて福となすというお話がありましたが、この機会にぜひ県民の皆様には本県の地元のすばらしさを知っていただいて、この後一緒になって本県をPRしていくということにつなげていきたいと思っております。
     新年度予算におきましても、県民を対象にいたしまして、県内の魅力を体感していただける観光商品を割引価格で販売する、それから貸切りバスを利用したバスツアーへの支援を通じまして県内収容を促す事業を盛り込んでおります。  さらに、Go Toトラベル終了後を想定して、今度は北陸3県が連携して近隣県民向けの宿泊割引を実施したいと考えております。北陸3県が一体となりまして、それからまた地元観光を体験していただいた県民の皆さんと共に、各県の強みである観光商品や観光素材を相互にPRすることで北陸周遊観光を促進してまいりたいと考えております。  加えまして、県内宿泊者に対します本県ならではの特産品等のプレゼントを継続いたしますほか、アフターコロナ、ビヨンドコロナという話も昨日ありましたが、それも踏まえて、本県ならではの観光資源を生かした新たな旅行商品の開発、それから旅行者の受入れ環境整備に対する支援などによりまして、県内観光地の高付加価値化に取り組みまして、将来に向けた誘客、観光消費の拡大を図ってまいりたいと考えております。 145 米原委員 既に御承知かと思いますが、失業者がもう200万人に迫っているというようなことも実は報道されているわけですが、学生さんも、それからこの方々というのはやっぱりアルバイトをして学費をあるいは食事等々、働いて勉学にいそしむといいますか、こういう人たちもたくさんいらっしゃるわけですが、なかなか働く場がないと。主婦の方々も、アルバイトをしたり、パートなどの収入が生活のやはり必要な収入源になっている。こういった本当に困っておられる方もたくさんおられるわけで、最近、何か生活保護の申請が増えているなんてというようなことも実はニュースに出ております。  いずれにしましても、こうした状況をしっかり見届けて、こうした作業が着実に成長できるように支えていくことも大きな課題ではないかなと思いますので、ぜひまたしっかりと対応していただきたいと思います。ありがとうございました。  次の質問に入りますが、今回、新田知事が石川県の知事と懇談されたことは、大変多くの同僚議員も高い評価をしておられます。私も大変意義深い交流であったと受け止めています。この際、石川県の知事、さらには福井県の杉本知事と3県でしっかりと連携してやっていくこと、新幹線だけではなくて、もっと幅広く交流していくことが私は北陸3県の私はプラスになると思います。  さらに、今日、同僚の井上議員からもお話がありました岐阜県ですね、この白川、高山、飛騨地域、飛越能といいますか昇龍道といいますか、こういった地域について、先ほども新田知事は岐阜県の関係をこれからも進めていくと、古田知事との関係もお話しされましたけども、極めて重要なことであり、しっかり取り組んでいただきたい。  もう一つは、安達議員が先般、一般質問で富山空港の名称を、富山きときと空港と言っていましたが、私が以前に、この際に富山高山空港にでもしたらどうかということを言った話です。私はそうではなくて、飛騨というものが1つの考えとしてあるので、富山飛騨空港にするとか。残念ながら、今、きときとじゃないですね。しかし、全日空は一生懸命努力していますよ。頑張って1便でも2便でも飛ばして何とかせないかんと思っています。この空港はローカル空港の中では非常にいい空港だと思う。将来はビジネスジェットやヘリコプターといったこともありますので、使い方はいろいろあると思う。こうしたこともやっぱり、富山だけではなくて、この周辺の北陸3県、あるいは岐阜も長野も新潟も入れた状況で進めていくということが極めて富山県にとって大事ではないかなと思うんですよ。  知事もいろいろと考えていらっしゃると思うんですけれども、私はもう1ついつも思うのは、行政というのは縦割りなんですね。どうしても自分ところの県のことは皆さんPRされるけども、横の何がないんですよ。後ほどまたパネルで御紹介しますけど、横の何がない。みんな縦割り。それじゃなかなか、県外の方が見られてもその地域しか見えない。首都圏の方が見て、あっ、ここなのかということがぱっと見えるような、なぜそういう知恵が出てこないのかなと思って、私は大変残念に今日まで思ってきたわけでございますが、そうしたこともぜひ知事におかれましては、これからのコロナ禍でしっかりとそういった点につきましても取り組んでいただきたいと思いますが、所見を伺っておきたいと思います。 146 新田知事 先月、石川県の谷本知事と懇談をする機会がありました。北陸は1つという共通認識に立って、北陸新幹線のこと、また広域観光のこと、そして県際道路のこと、いずれも今米原委員おっしゃったように、県境を越える話ばっかりでございました。こういったことについて具体的に取組を進めていくこととしました。そしてまた、このような懇談会を今後も継続的に実施していこうということでも合意をしました。お互い知事同士、膝を突き合わせて、会って具体的なテーマに基づいてお話をし合う、それぞれ有意義な機会であったという評価で一致をしたところでございます。  今回、谷本知事との間で合意した取組のうち、特に観光面では、令和5年度末の北陸新幹線敦賀開業を見据えて、北陸3県に加え、岐阜と長野にも参画を呼びかけて、新たに広域観光のガイドブックをつくるということを具体的に進めていこうということになりました。そしてそれを首都圏に向けてアピールをしていきたいと考えております。  今後、私が提唱しております北陸の十字路には北陸3県のみならず、岐阜、長野、さらには今委員もおっしゃった新潟などの隣接する県との間で、できればこのような知事同士の懇談会を実施することによって、県を超えた県際の課題についてトップ同士から進めることによって、事務方も交えて推進力を持ってやっていければと考えております。  また、広域観光ガイドブックの首都圏でのPRのように、知事同士の懇談会で合意したことは、やっぱりスピード感を持って実際に進めていくことが大切、実を上げていくということが大切だと思い、そのように進めてまいります。 147 米原委員 知事は中尾哲雄さんと大変親しくされておられますし、私も大変いろいろと御指導いただいているんですが、県際の際、「際(きわ)」といいますか、この関係をうまく詰めないと地域の繁栄はあり得ないということをいろんなところでおっしゃっていらっしゃるわけで、私は競争と連携というのは大切だと思います。競争というのは、その中で連携をしながら、またお互いに魅力を出していくということが極めて重要でございますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次の課題について質問させていただきます。富山県農業政策についてお伺いしたいと思います。  近年、大企業が先端技術を活用した農業支援分野に本格参入するといった報道がなされております。ここにも記事がございますが、高齢化や担い手不足など話題が多い農業分野を新たな商機として捉えています。あのトヨタグループが農業の商機として捉えている。食料問題に取り組みたい、3年前ほど前だったでしょうか、トヨタの方々から話を聞いて、ああ、なるほどと。トヨタ自動車は、車を造っている会社だけども、農業の支援に本格参入するということがはっきりとうたわれております。  そういうことからしても、私はどちらかというと、あまり農業に縁のない男でありますけども、富山県におりますと農業を避けて通るわけにいかないと思います。いつも農業の話が話題になります。特に農地の整備などは、この土地改良であるとか水田農業、ずっと今日まで皆さん本当に一生懸命努力をされてこられましたので、こうした要望をもうひっきりなしに皆さんからたくさん頂戴をするわけで、こうしたことを含めて日頃からお付き合いを深めているわけでございますが、しかし、富山県はずっと兼業農家という歴史があるわけですね。  したがって、言われたことは真面目に皆さんされますけれども、何か新しいものに取り組むという考え方が、私は十分ではなかったのではないかと実は感じるわけです。  したがいまして、農地の整備の状況だとかそういうものは進んでいるけれども、担い手や集落、あるいは営農とかスマート農業であるとか6次産業化、これも一時随分6次産業化と言ったけども、最近ほとんどこういった話は聞かれません。そして、今現在、輸出の話も出てまいりました。一体全体、富山の農業を取り巻く環境というのはどういう認識で取り組んでいらっしゃるのかというのは、ちょっと私は見えにくいところがあるような気がしてなりません。どういう認識を持っていらっしゃるのか堀口農林水産部長の考え方をお聞きしたいと思います。 148 堀口農林水産部長 県ではこれまで、富山県農業・農村振興計画に基づきまして、将来にわたり発展する競争力の高い農業を基本目標の一つに掲げ、各種施策に取り組んでまいりました。  令和元年度まで、圃場整備率は84.7%、農業法人数は745法人と、10年前の2倍となっております。集落営農組織は6割強の446組織が法人化をしております。担い手への農地集積率は65%となるなど、全国水準を上回る実績を上げております。  また、園芸振興では、JAとなみ野のタマネギをはじめとして、1億円産地づくり戦略品目の販売額が13億円を超え、取組前の約2.8倍となっているほか、6次産業化による年間販売額が平成30年で120億円に増加。砺波市の例で言いますと、蔵蕃のそば、あるいは農工房長者の桃、ブルーベリーパフェが大変人気だと聞いております。  さらに輸出では、輸出用米の生産量が平成27年比で約4倍となるなど、一定の成果も見られております。  一方で、国内の人口減少に伴うマーケットの縮小、例えば主食用米の需要が毎年10万トンずつ減っているということがございます。  また、所得向上のための経営効率化への対応、後継者不足等による就業人口の減少、特に中山間地域では、高齢化や耕作放棄地の増加などの課題があるものと認識をいたしております。  本県農業が持続的に発展していくためには、農地のさらなる大区画化、汎用化や、スマート農業による生産性の向上、若い世代への経営継承、園芸作物の導入による経営の複合化や6次産業化、輸出促進等による新市場開拓や販路拡大など、ハード・ソフト両面のさらなる支援に努めていく必要があると考えております。 149 米原委員 整備率が高いことは私も十分分かっているんですが、数の問題じゃない。問題はやはり、いかに農業の皆さんが新しいものにチャレンジするかというところがちょっと私は見えないというふうに思います。  昨今、農林水産省は、食品の輸出拡大を拡張しなければならない、輸出産業に対して集中的に支援をするというようなことも発表されておられます。  富山県の農業の政策について、今おっしゃった担い手、たくさんいろんな法人だとか、745の法人だとか、いろいろと努力しているということでありますけど、まだまだ私はこうした状況が見えにくいところもありますので、経営全体の施策というものを何かもう少し指導されて、推進するための協議会といいますか、組織をつくればいいというものじゃないでしょうけども、今、近年、非常に農業経営の法人化であるとか意欲のある若者の就業が増加をしてきているように私は感じます。女性も物すごく増えてきておられます。未来カレッジの皆さんも一生懸命努力しておられる。  そういう方々が、しっかりとこのビジョンを持って成長できるように、マーケティングの施策を連携させて、そして充実をさせていくというような考え方が私はやや欠けているのではないか、そんなふうに実は思えてならないわけです。もっともっと新しい施策を取り入れることが重要ではないか。ワクワク、そしてドキドキするような富山県の農業を新しいビジネスとして、これはビジネスなんですよ。農業はビジネスにしなきゃならんわけですよ。その挑戦をどうやっていくかということ私は心から願っているんです。ずっとそのことを考え続けているわけです。そういうことをぜひ部長、考えていただけませんか。 150 堀口農林水産部長 県ではこれまで、経営体の育成のため、経営規模拡大あるいは高収益作物の導入等により所得向上を目指すとやま型農業経営モデルを示すとともに、関係団体と連携しながら、技術や経営に関する指導、必要な機械等の整備などの支援に努めてまいりました。  また、農業者に加え、行政や農業団体で構成いたします担い手育成総合支援協議会を県段階あるいは地域段階に設置いたしまして、経営発展に向けた研修会の開催のほか、法人化や経営継承等の様々な経営課題に専門家派遣などを支援しております。  今後さらに担い手の皆さんが農業経営を取り巻く様々な課題を克服して、経営発展に向けチャレンジしていただくためには、委員御指摘のとおり、経営体の育成状況あるいは支援ニーズ、女性の方、高齢者の方、若い方も一生懸命やっておられます。そういった方々に対する幅広いサポート体制が必要だと思っております。  このため、各分野の推進組織としてこれまで活動してきました担い手育成総合支援協議会をはじめ、とやま型スマート農業推進コンソーシアム、6次産業化推進協議会、農林水産物等輸出促進協議会などがさらに連携いたしまして、意欲ある農業者が成長していくため、マーケティングを含めた必要な施策が総合的に届けられるよう努力していきたいと思っております。  また、経営指導や技術支援を行う各農林振興センターの普及指導員のスキルアップはもちろんのことでありますけれども、農林水産総合技術センターの各研究所におけるニーズに応じた試験研究や新設するスマート農業普及センター(仮称)の活用など、農林水産部の総力を挙げて、本県農業の次代を担う農業経営体の育成、稼げる農業の実現に向け、しっかり取り組んでまいります。 151 米原委員 今日も井上委員から、高齢者、65歳の方が3,000万人もいらっしゃるという方々のどうやっぱり雇用を農業に少し向けられることもあるのではないかというお話もありました。私、全く同感だと思いますので、ぜひそういったいろんなことも考えて農業、ぜひひとつしっかりと取り組んでいけるような富山県の役割を果たしていただきたい、そのことを期待しておきますので、しっかりまた取り組んでいただきたいと思います。  次に、中山間地のことについて少しお尋ねをしたいと思うんですが、柿沢総合政策局長の先般のお答え、皆さん質問の中で、県土70%を占める中山間地対策、しっかりと取り組んでいかねばならんということを御答弁されておられます。  私はやっぱり中山間地に大変興味がありまして、議員の方々とも随分県外の視察をいたしました。そして、いろんなところの先進地を見てまいりました。そういうことが相まって、今度の富山県の県条例にも生かせていただいて、しっかり取り組んでいこうではないか、こういう形ができたのではないかと思っていますが、これはまだ道半ばでありまして、総合政策局の中にも中山間地がある、農林水産部の中にも中山間地がある、いろんな部局で皆さん取り組んでおいでになるわけでありますが、なかなかこれも、70%の県土ですから、なかなかそう簡単にすぐこうだということはできませんが、私はやっぱり中山間地の方々には、所得の拡大、それから雇用の創出に、どううまく取り組んでいくのかということが私は重要ではないかなと思います。  そこで、ちょっと私の考えを申し上げますと、中山間地に結構空き家が増えてきたのではないか、どこでもそうでありますけど、砺波の土木センターに長谷川さんという所長がいますが、彼は一生懸命今、空き家をお世話して、PFIの関係でいろんなことでお世話しています。それが功を奏して、非常に努力しているやに聞いております。  いずれにいたしましても、たくさんの空き家がある。これを利活用して、試験研究機関であるとか、あるいは商品開発のそういうような分野であるとか、あるいは高品質化であるとか、販路の拡大であるとか、こういったことを一貫して取り組めるようなところをこの中山間地の中に幾つかモデルとしてできないものだろうかと。その中から雇用だとか所得だとかということを増やしていくような仕組みをつくっていくということが、ただばらまきで何とかやってくださいと言ったって、なるわけないですよ。そういうものを皆さんと一緒になって取り組んでいくというところが私は欠けているような気がしてなりません。  昨今、雪も少なくなった。今年の雪は多かったですけども、山手のほうは雪が少なくて、スキー場も大変厳しいと、経営的に。最近はスノーピークというアウトドアのそういったものに取り組んでいるところも出てきたように思います。こうしたことも私は、通年型でグランピングのこの遊休土地を宿泊とかテントとか展示場だとか、いろんな使い方があるのではないか。そういうところに私はやっぱりワクワクとかということが出てくるわけであって、そういうものが富山県なら私、できるのではないかと思うんですが、どうですか、柿沢局長、そういったところをひとつお答えいただけませんか。 152 柿沢総合政策局長 中山間地域の振興に向けましては、地域資源を生かして、今日もイチゴを頂きましたけれども、あのような大きくて甘い、どこにもない、付加価値の高いものを出していくということが大事であると思っておりまして、市場ニーズに沿った付加価値の高い商品を開発、販売することによりまして雇用を生み出し、地域住民の所得の増大につなげていく。そういうことを目指していくということが大事なのではないかなと考えております。  このため、新年度におきましては、まず空き家や遊休地を活用しました地域づくりということから申し上げますと、1つは、前から申し上げていますとおり、地域の話合いが大事であるということを申しております。その地域の話合いを3回も4回も5回も繰り返しまして、その中で地域ごとにアクションプランをつくっていただく。そのアクションプランをつくった地域に対して、3年間にわたってチャレンジ支援ということで補助金を出します。その際には、例えば空き家であるとか、事例のあるもので申し上げますと、廃園となった幼稚園を活用いたしましてコミュニティカフェとを開設する。そうした試行的な取組に対しても支援を3年間にわたって実施しております。  そのほかに、実際の話として、移住者が空き家を活用する、外から来た人が使うというのは結構地域によっては刺激になるということもあると思っておりますので、そうしたことで、その空き家を使って業を起こす、起業するということに対しまして支援を行っている。具体的には、南砺市の井波地域でもそういう支援を行っております。  それから、市町村が一緒に集落があって取り組む取組として、例えば遊休地をキャンプ場などに活用できないかということを考えていく。その場合、地域づくりということで、エリアとして、このスポットだけじゃなくて、エリア全体でどういう地域づくりをやっていくかということに対する支援制度というものも用意しておりますので、集落と市町村と県も一緒になって御相談していきたいなということも1つ思っております。  それから、農業分野につきましては、中山間地域の特色を生かして所得向上を目指すモデル的な農業者の方に対しまして、例えばドローン等の導入によります機械化、ICT化であるとか新規作物の栽培実証、あるいは販路開拓、ハードとソフト等両面にわたって支援していく。それから、試験研究機関と連携するということも必要になってくるので、試験研究機関によっては高品質化に向けた農産品の成分分析でありますとか、あるいは、例えば果物の柿がありますけれども、そうしたものの長期保存方法の確立などについて研究、分析していただく。それから、農林振興センターでは、白ネギなど高収益作物のブランド化をしていくと。そして、その販売強化、地域資源を活用した新商品開発などを支援していくということが大事になってくると思っています。  今後、そうした取組をするに当たって一番大事なのは、まず地域の実情を把握するために現場に出向くことが大事になってくると思っておりまして、その上で農協など各種団体や意欲ある地域づくりの実践者と話をする。そうするとともに、県庁の中にも関係部局がありますので、庁内の関係部局とも連携しまして、例えばモデル的な事業者への一貫的な支援、その際には、御紹介もいただきました空き家が活用できる場合は空き家も活用することによって、成果を一つ一つ出していくことが、付加価値の高い商品の開発、販売につながっていくのではないかと考えておりまして、そうしたことなどによりまして中山間地域の所得増大、雇用創出につなげていければと考えております。 153 米原委員 中山間地はやっぱり日当たりがよくないんですね。先日、地すべりがあったのも、日当たりがよくないからみんな山が腐っているんですよ。だから、水抜きはやっぱり暗渠の整備をするとか、そこに今のおっしゃるスマート農業をやるとか、ドローンを使ってやるとか、やっぱりその場で使うことがいろいろあるんですよ。そういったことも調査をしてやれば、まだまだいろんなことができるはずです。だから、これはもうここだけで議論するのではなく、もっともっと時間をかけて私は議論したいんです。  そういうこともあるということもひとつよく理解をした上で、この中山間地域の整備にもぜひしっかりと取り組んでいただきたいことをお願いしておきます。  次に、野上先生が官房副長官を務められて大変大きな役割をしてこられました。このたび待望していた大臣に、それも農林水産大臣に就任されました。松村謙三先生以来の快挙でありまして、大変期待をしたいと思っていらっしゃる方が多いと思います。  野上先生は、大臣になってから2030年までに輸出額を5兆円にしたいという目標設定をされて、今日は氷見の定置網が国の遺産に認定されましたけれども、まだまだやることがたくさんあるなと、こんなふうに思います。  何年前だったでしょうか、新田知事が同じ経済同友会で、羽田からちょうど北京に行くときだったですね、そこへ野上さんがちょこちょこっと入ってきたもんだから、どこ行くのですかと聞いたら、北京だとおっしゃるから、いや、私達も北京に行くと。なぜと聞いたら、いや、こんな話だという話。行くところもたまたま一緒だったですね。私は総理大臣の代理で行くとおっしゃいました。行ってみたら、ちょうどそこへ中国の大使の横井さんが来られて、その横井さんも富山県出身。総理の代理も富山県出身、我々も富山県の経済同友会の代表、ミッション、みんな富山県。その晩、大使館で皆さんと一緒に飯食ったときに、ともかく盛り上がってね。そこへ富山県人会の方も来られて、すごい盛り上がった。このときもやっぱり輸出の話が随分出ました。農業の話が出ました。横井さんは退任されましたけど、私はやっぱり本当にまだまだたくさんのそういったことというのはもっともっと楽しい話がたくさんある。産地間競争とは、そういうことだと思うんですよ。今日たまたま皆さんに紅ほっぺを味わってもらいましたけれども、米も今度残念ながらAでした。ええって私、言っているんですよ。  それから、漬物だって、京都へ皆さん行ったときに、知事もよく買ってこられたと思うんだけど、大安の大根ちゃ、婦中から行っているんでしょ? 西利の大根も富山県の材料なんでしょう? そして、私達は買ってきてうまいうまいって食べているんですよ。とてもやっぱり富山県というのは、皆さんは、魚もおいしい、あれもおいしい、みんなあるんだけども、付加価値をつけることが非常に弱い。里芋もおいしい。みんな喜ばれます。県外へ送ったら本当に皆さん喜ばれる。私は、八つ橋うまいと思ったことないわ。だけども、やっぱり漬物はうまい。これは富山県。そういったことを考えたらね、まだまだたくさんのことができるということですよ。これ、本当は知事にいろいろとお聞きしたい。ちょっと時間がないので、これ、しっかり今の件を受け止めて今度の政策の中に取り入れてください。こんなたくさんあるんですよ。これを生かさない手はないですよ。これを生かされたらもっと私、いろんなことができると思います。いろんな知恵を出していただきたいと思います。  その次の質問に入ります。  そこで、今回、同僚の議員からも武道館と高岡テクノドームの話が結構ありまして、PFIの話もございました。  そこで、私は何を言いたいかというと、そもそもこの話は、全天候型の話から新幹線が開業した後の富山県はどうあるべきかということからこの話が出てきた。そして、新令和会の中川議員が、当時やっぱり武道館の話を主張されました。私は高岡テクノドームのことを言った。何でかというと、富山にはテクノホールがあるけど、高岡になかった。だから、当時造ってくださいということで、石川県は3号館、4号館と進んでいた。富山県は1つしかなかった。だから、私、高岡に造ってくださいと言ってあのドームができたんですよ。ところが、相当古びた。そこで、何とかしてくださいと言って、元の親戚じゃないけど、新田一郎さんに何かうまい方法はないかと言ったら、バーチャルリアリティーとか、あるいは5Gの関係の時代の中でこういうものを造ったらどうかという話になって、この話がだんだん大きくなっていったんですよ。  だけど、まだそれは形だけの話ですけど、何を言いたいかというと、箱物を造ることが目的じゃないんです。どう運営するかということが目標なんです。蔵堀政策監さんによく話ししました。武道館だけじゃなくて多目的に使うことを考えてほしいということを言いました。柿沢総合政策局長にもそのことを言いました。したがって、役所の皆さんは箱物を造るまでの仕事は得意かもしれない。私はそうじゃない。あなたは民間人だと言われたら、そうではなくて、これをどう運営するかということを考えないといけない。これが民間の仕事なんですよ。その考え方でPFIの話をつかんでやるんだったら、これは私は時間が遅れてもいいですよ。建物がどうとか設計がどうとかというのは、確かに物をつくるときはそれは必要です。最後に私、交流人口をどう増やすかということを言いたいわけです。この考え方にしっかり立って、知事さん、取り組んでください。どうですか。 154 新田知事 農業関係の質問も予定されておりましたが、飛ばされましたので、でも一言だけ、昼のイチゴに対するお礼を申し上げたいと思います。大変においしく、甘さと酸味が適度にバランスされて、とてもおいしくいただきました。聞けば、農業組合法人ガイアとなみさんで生産されたと聞いております。特にイチゴは、若い人やあるいは女性が主に手がけておられるとも聞きました。やはりそうやって新しい担い手がどんどん出てくる農業にしていかなければならない。議会の御理解をいただきまして、新しい副知事を農林水産省から迎えることができましたら、野上大臣とも連携をして、そういった若者や女性がどんどん参入できるような農業を目指してまいりたいと思います。本当にありがとうございました。  今の質問ですが、テクノドームについて、民間活力の導入の検討を早急に進めてまいりたいと思います。この目的は、もちろん厳しい財政状況を踏まえて、コストの削減につながることが1つ目的ですが、それだけではなくて、今、米原委員がおっしゃったように、この民間の活力を生かすことによって、施設の利用の促進、またサービスの向上、そして来場者が喜ぶようなそんな仕掛け、そういうことによってコンベンションや、あるいは大会などの誘致をより活発化して交流人口の増大を目指していくことがやはり箱物の目的でございます。そういったことをしっかりとわきまえまして、この民間活力の導入を機としながら進めてまいりたいと思います。そして、交流人口の増加がすなわち富山県の今後のさらなる飛躍へもつながるものと信じております。 155 米原委員 最後に、知事は北陸十字路の構想について、希望に満ちた富山県、ワクワクする富山県、チャンスがあり夢をかなえる富山県の創造に取り組みたいということを本県の未来像として県民に示されております。  私、後ほどパネルをまたお見せしますけども、その前にちょっとお話し申し上げておきますと、富山県の歴史でありますけれども、北陸十字路に今日至ったというその背景、急にできたものじゃなくて、大変困難な時代を乗り切ってきた富山県の先輩、先人の人たちがいらっしゃるわけですね。  御承知の方もたくさんいらっしゃるかと思うんですが、政治家であり実業家、このお一人は佐伯宗義さんだと思います。佐伯宗義さんは富山地方鉄道の創業者です。立山黒部貫光、この「貫」というのは「貫く」と書くんね、あれ。すごいですね。そして、アルペンルートをつくられました。これは佐伯宗義さん。このことを一番よく御存じなのは金山さんです。ぜひ金山さんの話を聞いて皆さん勉強してください。どんな思いで取り組んだかということを私はぜひ聞いていただきたいと思います。  もう一人は、私は1965年に大阪で仕事をしておりました。たまたま御縁があって関西電力の本社へ、一緒に来いということで連れていかれて、その当時の社長は、僕は忘れませんが、芦原さんという方でした。芦原さんという方に、社長室に通していただいてお話を聞いたことがございます。僕は富山県人ですから、黒部のことを申し上げました。そしたら黒部ダムの話になった。当時の関西電力の資本金は200億円だったそうです。当時の資本金は200億円。建設費が600億円ですよ、当時の金で。200億円の資本金の会社が600億円のダムを造ったんですよ。決断したんだよとおっしゃいました。僕はそのことを決して、相当以前の話でありますけども、いまだに耳にしっかりと残っています。それが「黒部の太陽」という映画になったんです。私は当時の知事の中沖さんに、その後ずっと、議員になってから、関電さんへ行ってちょっと挨拶してくれと。できればこれ、一般開放にしてくださいと言ったことがある。そしたらある人から、おまえは砺波の選挙区なのに何で黒部のこと聞くんだと言うから、私は、富山県人だって言った。黒部も魚津もない。富山県の話をしているんだよと言ったことがあるんですけど、それが今、石井知事のときにまた関電との交渉が深まって、またこれを拡大しようということにつながっていったわけですよ。みんなそういう歴史があるということを私は皆さんに知ってもらいたいわけ。  もう一つは北陸新幹線です。この建設に当たりまして、ミスター新幹線と言う人はたくさんおられます、政治家の中で。経済界もたくさんおられました。何度も何度もこの計画が変更し中止になって凍結されました。いろいろありましたけども、東京─大阪間の東海道新幹線の代替補完機能ということ、これがメインになって、そして、この北陸は、富山は裏日本に何で新幹線が必要なのかということを東京の人たちが随分言われて、随分足を引っ張られたこともございました。  それをはねのけたのは元森総理大臣なんですよ。森喜朗さんなんですよ。小松の出身です。それを支えたのが北陸電力の原谷敬吾さんなんです。北電の社長であり会長であり、北陸経済連合会の会長です。この原谷さんも小松の出身。原谷さんと森先生のお父さん、森茂喜さんというのは根上町長、11期無競争で当選したと。あのお父さん。この原谷さんは、森先生のお父さんと同級生、こういうことがあって、一緒になって、2人が力を合わせてこの北陸新幹線の建設促進に大変な努力をしてこられた、こういう背景があるわけです。  森先生は福田赳夫内閣のときの官房副長官、野上さんのような感じでした。ある時、青年会議所に、森先生を先頭としてみんな交渉に行ってくれと言われた。私は初めてあのときに、政治というものはこういうものなのか、陳情というのはこういうものなのかということを知らされました。それが今日いろんなことが相まってつながってきたというのは、こういう歴史があるということですよ。  また綿貫さんは、いわゆる東海北陸自動車道です。ちょうど中曽根総理のときに日本のど真ん中に道路を造った。東海北陸自動車道の建設に全力を尽くされた。こういう皆さんが相まって今日になって、日中国交正常化には松村謙三先生が大変な御苦労をされたと。  私、知事にこれを見せたいんですが、去年、皆さんにこれを使って説明したんだけど、これはいわゆる回路です。今知事がおっしゃる十字路に新幹線も高速道路も空港も全部入っているじゃないですか。これを全国に発信すれば分かりやすいはずです。富山とか石川県だけ見ては分からないんです。こういうことを皆さんに発信できるようになれば、もっと私は違っていくのではないか、それが北陸の十字路につながっていくのではないかというふうに思って、あえてこれを皆さんに見てもらった次第です。いかがですか。 156 新田知事 お話に出ました金山元社長とは、一昨年、お会いする機会がございまして、いろんなお話、過去の歴史の話を聞かせていただきまして、とても感銘を受けたことを覚えております。  そしてまた、佐伯宗義さんと私の祖父の高辻武邦も交流があったようでありまして、この前ある資料を届けてくださった方がいきまして、佐伯さんが立山黒部鉄道を始めたいと。その民間企業への出資を何と当時の富山県知事が県知事名で募っているという資料でありました。知事が民間企業への出資を県民に呼びかけるということは、今でしたら少なからず物議を醸すことだと思います。でも、多分私の祖父は、県のため、県民のためにこれはなると思い、批判も恐れず民間企業への出資を県知事として呼びかけたんだと思います。やはり県のため、県民のためと信じることを行うのが知事の役目だと思います。そんなことも今考えながらお聞きをしておりました。  そして、ミスター新幹線の話も本当に、私も実際にお会いすることはあまりありませんでしたが、書いたもので読んだことがあります。そして、綿貫先生が尽力されたとか北陸自動車道、そのような先人たちの御業績の上に今、私どもがこうやって県政を担わせていただいている。そして、北陸の十字路構想というような構想もそういった蓄積の上に成り立つんだということは十分に理解をして、今後ワクワクすることがたくさんある富山県、プラスドキドキも追加しなければならなくなりましたが、ワクワク、ドキドキの富山県を皆さんと共につくってまいりたいと思います。 157 米原委員 終わります。 158 武田委員長 米原委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は全て終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。  これをもって、令和3年2月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                     午後4時35分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...